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翻訳レビュー体験記: スタッフエンジニアの道

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Summary

本日発売された、スタッフエンジニアの道〜優れた技術専門職になるためのガイド〜の英語版から日本語版への翻訳レビューに参加した際の経験を簡単にまとめました。
誰かの挑戦を後押しすることに繋がると嬉しいです。

Who

わたしは、合同会社DMM.comで同人事業のエンジニアリングマネジメントに携わっています。
英語が特別に得意な訳では無く、翻訳のレビューに携わった経験はカンバンガイドのみでした。
カンバンガイドの翻訳レビュー体験記も過去に書いていますので、ご興味がある方はご参考ください。

What

無償のボランティア(*)として、The Staff Engineer's Pathの英語版から日本語版への翻訳レビューに参加させて頂きました。
*:書籍の実物を発売前にご恵贈は頂いております。

Why

Xのタイムラインに以下のツイートが流れてきました。

実は、島田さんのことをXでは当時まだフォロー出来ていなかったのですが、他にフォローしていた方のいいねによりタイムラインで偶然発見し、先着順になりうると思いすぐに対象のGoogleフォームから応募しました。
※案の定、最大1週間程度を想定されていた募集期間は、翌日には応募多数のため締め切られていた様子です。

具体的な原本は応募時点では不明なものの、島田さんが翻訳された本は何冊か自身でも持っており、特にエラスティックリーダーシップは何度も読んでいたので、勝手に親近感を持っていました。

また、募集されていた24年2月中旬の時期は、自身がテックリードやスタッフエンジニアなどのスペシャリスト軸のスキル評価やキャリアパス構築をどのようにしていくかを悩んでいた時期でもあったので、「上級技術リーダーの役割やあり方に関する翻訳書籍」という文言に凄く惹かれたことを強く覚えています。

How

対象のGoogleフォームに必要事項を記入し応募しました。
面識が無いため、所属会社など身元が分かる情報とカンバンガイドの翻訳レビュー経験を付記しました。
仮に応募者が多数だと先着順もあり得ると考え、ポストを目にしてからすぐに応募しました(確かツイートされてから1時間以内くらい)。

翻訳レビュー

翻訳者の島田さんから期待されていたことは「用語や表現などが想定対象読者層にとって、理解できるものであるかを確かめたい。読者が読んでいて引っかかった、理解しづらかった点を明らかにしたい」という観点でした。

最終的にはGitHubのIssueに起票していく形ですが、文章のチェック方法は自由なため、以下の形で工夫しました。

  • 指定された期間内に余裕を持って完了できるように、数ページ実際にレビューし自身のレビュースピード(Issue起票含む)を測った上で全体量を見積もり、1日のペース配分を逆算し計画する
  • 翻訳文を全て音読する(これが一番誤字脱字や修飾語などの違和感を見つけ易い)
  • (意訳の場合) 表現の違いが意図的な意訳であるかをGoogle検索する
  • 馴染みの薄い日本語だった場合に別の辞書で翻訳の候補を探す
  • URLリンクとなっている箇所は、リンク切れやリンク先の誤りが無いか実際にアクセスしてみる
  • 日本語訳に何らかの違和感を感じた場合は、原文を比較する(そのために原著 The Staff Engineer's Path をペーパーバックで購入し手元でいつでも参照できる状態にしておく)
  • 誤字脱字は自身が気になってしまうので、集中力を切らさないことを意識しつつもIssue起票はする

※カンバンガイドの翻訳レビューに参加した際は英語原文も全部音読していたのですが、今回は量があまりにも多いので早々に諦めました。

また、指摘コメントを書く際には以下の点に気をつけました。

  • 敬意と礼儀を重んじる(断定しすぎたり強い主張は控える)
  • 自らが誤って解釈したり読み違えていないか改めて確認する
  • どの箇所に対する指摘なのかが一目で分かりやすい表現にする
  • たまに感想も積極的にフィードバックする(激励の意味も込めて)

Fun

すでに翻訳が完了した書籍を見るだけでは分からない、翻訳者の苦労(どの部分で翻訳を悩んだか、候補はあったが不採用にしたなど)が分かった事、他のレビューアの観点/指摘をリアルタイムで拝見できたことが楽しかったです。

Done

訳注を含め全ページをレビュー。3/3〜3/29までの間で、合計レビュー時間が約45時間、合計100件ほどIssue起票させて頂きました。

特に印象深いのは、P241の銀河ヒッチハイク・ガイドの引用箇所を安原和見=訳の原文そのままに変えて(訳書に合わせるようにして)頂いたことです。
たまたま今年の1月に銀河ヒッチハイク・ガイドを読んだばかりだったので、セレンディピティを感じました。

Learn

  • 自身が知らない用語は、調べた際に別の類似した用語と誤解する場合があるので、類似した用語の存在も合わせて確認できるとなお良い

Appendix

翻訳者の島田さんが本書の位置付けについて記事を書かれています。
https://snoozer05.hatenablog.jp/entry/the-staff-engineers-path
類似する本を既にお持ちの方は差分が気になると思いますので、ご参考まで。

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