皆さんごきげんよう。本記事は、2021 年 9 月 14 日(米国時間)ポストされた Visual Studio 2022 Preview 4 is now available! の意訳のようななにかとなります。内容については下記が原文で、正となります。
この度、Visual Studio 2022 Preview 4 をリリースしました。Preview 4 では、個人やチームの生産性、モダンな開発、継続的なイノベーションの実現をテーマとして、さらに多くの新機能を搭載しています。本記事では、Visual Studio 2022 Preview 4 の新機能のいくつかをご紹介します。
ぜひダウンロードしてお試しください。また、Visual Studio の次期メジャー バージョン リリースの策定にご協力くださいませ!
■ 5 つの新機能の紹介
#個人とチームの生産性
Visual Studio 2022 では、Visual Studio 自身のスケーラビリティとパフォーマンスの向上を目指してきました。Visual Studio のプロセス (devenv.exe) 自体の 64bit プロセス化によってスケーラビリティを大幅に向上させただけでなく、Preview 4 では、さらにいくつかの重要な機能のパフォーマンスを向上させることに注力しました。(例 : Orchard Core のような大規模なソリューションを検索する際に、ファイルの検索が 3 倍も高速化されました。)
その他、C++ における IntelliSence のパフォーマンスを向上。セマンティック カラーリングが約 12% 高速化されたほか、シンボル データベースの処理が最適化されたことにより、ソリューション エクスプローラで C++ のアイテムを展開する際に約 2 倍高速化を実現しました。
(パフォーマンスチームは、パフォーマンスの向上に関するブログを近日公開予定です。ご期待ください。)
そしてさらに特筆すべき改善としては、デバッグ周りの部分が挙げられます。プロセスへのアタッチ ダイアログをアップデート。ウィンドウ ピッカーを使ってプロセスを選択できるようになりました。
また、プロジェクト外のライブラリのシンボルを簡単に読み込むことができる新しい外部ソース機能のアップデートや、別のブレークポイントが最初にヒットした後に追加のブレークポイントを設定する「依存ブレークポイント(dependent breakpoint)」などの新機能も搭載しています。これにより、ゲーム ループやユーティリティ API など、共通パスにあるコードのデバッグが非常に容易になります。これらの関数のブレークポイントは、アプリケーションの特定の部分から関数が呼び出された場合にのみ有効になるように設定することができます。
#モダン アプリの開発
Preview 4 では、Blazor および Razor のエディタに大幅なアップデートを行いました。これにより、Preview 3で報告された問題に対応しています。修正に加えて、ASP.NET Core のホット リロードに新しい機能が追加されました。ファイル保存時のホット リロードや、CSS ファイルの変更をライブで適用する機能などが含まれています。
#信頼性の高い成果物のために / ワンクリックではじまるイノベーション
##C++ にサニタイズ機能、ファズテストを追加
Visual Studio 2022 では、信頼性の高い安全な C++ コードを記述できるように、新しい C++ サニタイズ機能を追加しています。Visual Studio 2019 では、MSVC に AddressSanitizer(ASan) for Windows でサニタイズ機能の追加を開始しました。(参照 : C++ Team Blog
Preview 4 では、MSVC コンパイラで libFuzzer を使えるようになったので、MSVC でコンパイルしたバイナリは、libFuzzer でファズテスト (異常系処理のテスト手法の一つ) できるようになりました。C++ チームのブログで今後、libFuzzer の使用方法についてより詳しく説明する記事を公開する予定です。
それまでの間は、Microsoft Docs の /fsanitize ドキュメントをご覧ください。
##ローカル リポジトリからリモートへワンクリックで公開
新しいプロジェクトを始めるときに、まずローカル環境でコードを作成し、そのコードを Git リポジトリに登録しますよね。ただ、この一連の作業のが面倒だと感じていた方には、Preview 4 から搭載された機能が解決策になるかもしれません。
更新された Git リポジトリの作成エクスペリエンスから、Azure DevOps リポジトリを作成できるようになりました。Visual Studio は、新しい Git リポジトリを作成し、ワンクリックで Azure DevOps にプッシュしてくれます。やったね。
※ ローカル リポジトリをリモートのリポジトリに公開
##開発者コミュニティからの提案を実装 : "タブの色分け"
開発者コミュニティから寄せられたパーソナライズに関する提案のうち、最も投票数の多かったものをいくつかアップデートしました。提案のひとつが、タブの色分けです。ドキュメントのタブをプロジェクトごとに色分けする設定は、「ツール」→「オプション」→「環境」→「タブとウィンドウ」で確認できます。
色分けされたタブは、視覚的な手がかりを提供することで、ファイルを視覚的に整理するのに役立ちます。特に、同じ名前を持つファイル(例:program.cs
)いくつもある場合にめちゃくちゃ捗ります。
タブの色分け機能のファースト リリースをこうしてみなさんと共有できてとてもうれしいです。
外観に対する皆様のフィードバックや、どのようなシナリオが皆様のワークフローを改善するかを理解できると、今後の製品やサービスがより皆様にとって使いやすいものにすることができます。色分けタブをお試しになった方は、是非匿名アンケートにご協力ください。
Visual Studio 2022 では、環境をパーソナライズするためのテーマ機能を強化しています。コミュニティのテーマの作者と協力して、いくつかの Visual Studio Code のテーマを Visual Studio で動作するように変換し、Visual Studio ファミリ製品がより使いやすくなるようにしています。
"Winter is Coming" は初のカスタム テーマの一つで、現在は Marketplace から入手いただけます。今週も新しいテーマが続々と登場しますので、お楽しみに。
※ Winter is coming テーマ
■ 開発者コミュニティはこちら
フィードバックや、機能追加提案などこうした形で随時検討、実装などを行っていますので是非皆さんこちらにご意見などお寄せくださいね。
#まとめ
今回紹介した機能は、Visual Studio 2022 で目指す方向性を形作る様々なすてき機能のほんの一例です。Preview 4 には、まだまだ多くの機能があります。
今後数週間にわたり、Visual Studio 2022 の新機能の多くについて、ブログ記事を掲載していきます。待ちきれない方は、リリースノートで Preview 4 の新機能の詳細をご確認ください。
#ぜひお試しくださいませ!フィードバックも心からお待ちしております!
Preview 4は、Visual Studio 2019 と同一の環境でそれぞれ独立してインストールさせることができます。また、プレビュー中は誰でも無料でおためしいただけます。ぜひ、たくさん搭載されている生産性向上のための新しい機能をすべてお試しいただけることを願っています。
私たちは、Visual Studio 2022 を開発者のための、最高のプロダクトに仕上げていきたいと考えています。そのためには、皆様のご協力が不可欠です。Developer Communityでのフィードバック、問題の報告、アンケートへの参加などもお待ちしています。
#関連リンク
- Visual Studio 2022 vision
- Visual Studio roadmap
- Extension migration guide
- Suggest a feature
- Report a problem in Visual Studio
それではみなさんごきげんよう。以上、Mads Kristensen さんでした。