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「電子取引のデータ保存」の【規則的なファイル名で保存】をOCRとAPIで自動化

Last updated at Posted at 2023-12-26

こんな人に参考にしてほしい

  • 「電子取引のデータ保存」の対応で仕事が増えた

  • PDFの内容をExcelに入力するのが大変

  • DXを推進したい!

はじめに

電子帳簿保存法の「電子取引のデータ保存」が2024年から義務化されました。その中で、【規則的なファイル名で保存】 が求められています。(一定要件で緩和できるなどの電子帳簿保存法の説明は省略)

一般的なルールが 「ファイル名を【取引年月日】【取引金額】【取引先名】で保存」 としています。各項目は当該電子取引データの内容です。

この 【規則的なファイル名で保存】は、OCRとAPIで自動化できます。 電子データをOCRで取得し、APIを利用してファイル名を変更します。
今回、OCRはDX Suite、API操作はWorkatoを使って説明します。

image.png

OCRとAPIで業務効率化

● DX Suite

DX Suiteは高精度な文字認識技術を持っているOCR製品です。
読取したいファイルをアップロードし、OCRで読取した結果をCSVファイルでダウンロードできます。

image.png

DX Suiteは、APIだけでアップロードやダウンロードができます。
「APIだけで」というのは、サンプル画像のようなWebサイトを操作せずに、ネットワーク上で完結するというイメージです。
実現するには、APIを操作しなければいけません。

● Workato

Workatoを使ってDX SuiteのAPIを操作をします。
WorkatoはiPaaS製品に分類されています。iPaaSはAPIを通してソフトウェアの処理や、ソフトウェア同士を繋げたりします。

一連の流れはWorkatoで作成します。
Workatoのレシピといわれるワークフローで、必要なアクションを設定します。今回は、まず4つを設定します。

① New file in on-prem folder
選択したフォルダを定期的に監視して、新しいファイルがあれば、読取ファイルを取得します。トリガー条件(新しいファイル存在有)が満たされたときに以降のアクションが実行されます。

② 読取登録
DX Suiteにファイルアップロードを行います。前工程で取得したファイルをDX Suiteにアップロードし、受付IDを取得します。

③ 非定型の結果取得
読取結果を取得します。前工程の受付IDでDX Suiteに問い合わせて、受付IDに該当する読取結果を取得します。

④ Rename an on-prem file
読取結果から、ファイル名変更を行います。前工程の読取結果を、ファイル名変更の処理に割り当てます。【取引年月日】,【取引金額】,【取引先名】に該当する項目を選択し、ファイル名変更を実施します。

以下が、作成したWorkatoのレシピです。
image.png

これで【規則的なファイル名で保存】の、Workatoの基本的なレシピは完了です。実際には「③ 非定型の結果取得」で、正しく読取できたか確認するために、繰り返し処理や分岐処理が必要になります。

今回は、トリガー条件の場所をローカルフォルダとしましたが、GoogleドライブやOneDriveなどに設定するのも可能です。

ちなみに、DX Suiteでは適格請求書番号(請求書番号)を取得することもできます。
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紹介したWorkato内のDX Suiteアクションは、弊社で作成させて頂きました。今後もどんどんアップデートしていく予定です。

弊社では他にも、DX Suite、Workatoなどの、業務効率化に関する記事を書いています。あわせて参考にしてみてください。
→会社概要と記事一覧はこちら

以下では、OCRとAPIについて簡単に説明します。

OCRとは読み取る技術

OCRとはスキャンされた画像ファイルから、文字などを読み取る技術です。OCR製品によって読み取り方法に違いがあります。

DX Suiteに関しては文字読取に特化しています。
例えば、請求書データを、OCRに通すことで、請求日や請求会社などの、ファイル内の各情報を取得することができます。

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DX Suiteの簡単な機能紹介、Workato×DX Suite×Slackの便利な活用方法について書かれた記事があるので、参考にしてみてください。
→Workato×DX Suiteの便利な活用方法について

APIとはソフトウェア同士の道路

APIとはソフトウェアが通信するためのインターフェースやプロトコルのことを指しており、ソフトウェアが情報をやり取りする手段として提供しています。ソフトウェア同士がコミュニケーションをとるための、道路のようなものです。

iPaaSを使うとソフトウェア同士の連携がスムーズになります。
例えば、DX Suiteで読み取った結果を各システムに登録処理を行い、コミュニケーションツールで完了通知するという設計も、iPaaSで可能です。

image.png

さきほど紹介した【規則的なファイル名で保存】の、トリガー条件はフォルダを定期的に監視する。と説明しました。
トリガーにも、さまざまな種類があります。トリガーについて書かれた記事があるので参考にしてみてください。
→なんちゃってエンジニアがWorkatoのトリガーについてまとめてみた

終わりに

今回は、電子帳簿保存法の電子取引のデータ保存を焦点にして書きました。参考になれば幸いです。

個人的には、一部の業務プロセスを自動化できたことは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の始まりだと考えています。一歩をきっかけに、DXを推進する体制作りも必要だと思います。

推進体制の一つとしてRevenue Operations(レベニューオペレーションズ)というのがあります。説明している記事があるので、会社全体でDX推進していきたいと思っている方は参考にしてみてください。

→Workatoで実現していくRevenue Operations

※「DX Suite」はAI inside 株式会社の登録商標です。

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