はじめに
ClaudeやCursorからSalesforceのデータを直接触れる
それを実現するのがMCPです。「難しそう」という先入観で敬遠している方も多いと思うのですが、実は設定自体はシンプルで、慣れてしまえば30分以内に終わります。
2026年4月、Salesforce Hosted MCP Serverが正式にGA(一般提供)になりました。Salesforce MCP Server 設定やAgentforce MCP 連携というキーワードで調べてここに来た方に向けて、設定手順と活用のポイントを丁寧に整理します。
そもそも「MCP」って何?
MCP(Model Context Protocol)は、AIアプリケーションと外部システムをつなぐためのオープン標準です。
要するに「AIと外部システムの共通言語」みたいなものです。これまでAIとSalesforceを連携させようとすると、専用のAPI接続コードを自分で書く必要がありました。MCPを使えば、その面倒な配線が不要になります。
Salesforce Hosted MCP Serverは、Salesforceがホストしてくれる形のMCPサーバーです。自分でサーバーを用意したり、コードを書いたりしなくても、設定画面で有効化するだけで使えるようになります。
ClaudeやChatGPT、CursorといったMCP対応のAIツールから、自然言語でSalesforceのデータにアクセスできるようになるのが大きな魅力です。

出典:Salesforce Hosted MCP Servers Are Now Generally Available | Salesforce Developers Blog
利用可能なエディション: Enterprise Edition、Performance Edition、Unlimited Edition、Developer Edition(Lightning Experience)
つまり、「AIアシスタントとSalesforceの間に通訳さんを置く」という理解でOKです!
Salesforce Hosted MCP Serverでできること
正直、最初に機能一覧を読んだとき「思ったより多い」と感じました。主なものをまとめます。
SObjectの操作:
取引先・商談・ケースなどのレコードを読み書きできます。
項目レベルセキュリティや共有ルールも自動的に尊重されるので、AIがアクセスできる範囲は自分のSalesforceの権限と同じです。
カスタムツールの登録:
FlowやApex Invocable Actionsをツールとして登録できます。
「自社のフローをAIから呼び出せる」というのは実務でかなり使えそうなポイントです。
プロンプトテンプレート:
Prompt Builderで作ったテンプレートをMCPクライアントから呼び出せます。
案件レビューや商談分析などの定番タスクを自然言語で実行できます。
セキュアな認証:
ユーザー別のOAuth 2.0認証なので、AIが何かアクションを実行しても、Salesforceの監査証跡には「そのユーザーが操作した」という記録がちゃんと残ります。
設定手順|30分でできる初期セットアップ
設定は大きく3ステップです。システム管理者権限が必要なので、確認してから始めてください。
STEP 1:外部クライアントアプリケーションを作成する
MCPクライアント(ClaudeやCursorなど)からSalesforceにアクセスするための「入口」を作ります。
- 設定を開き、クイック検索に「外部クライアントアプリケーション」と入力
- 外部クライアントアプリケーション → 外部クライアントアプリケーションマネージャー を開く
- 「新規外部クライアントアプリケーション」ボタンをクリック
- アプリケーション名とAPI参照名、取引先責任者メールを入力
- 「OAuth を有効化」にチェックを入れる
-
コールバック URL を使用するクライアントに合わせて入力する
- Claude Desktop(コネクタ)の場合:
https://claude.ai/api/mcp/auth_callback - ローカルテスト用:
http://localhost:3000/callback(目的に合わせて変更)
- Claude Desktop(コネクタ)の場合:
-
OAuth 範囲に以下の2つを追加する
- 「Salesforceでホストされているmcpサーバーにアクセス (mcp_api)」
- 「いつでも要求を実行 (refresh_token, offline_access)」
-
セキュリティの設定で以下の2つにチェックを入れる
- 「サポートされる認証フローにProof Key for Code Exchange (PKCE) 拡張を要求」
- 「指名ユーザーのJSON Web トークン (JWT) ベースのアクセストークンを発行」
- 「作成」ボタンをクリック
- 作成後、「設定タブ」→ 「OAuth 設定」を開き、「コンシューマー鍵と秘密」ボタンから コンシューマー鍵 をメモしておく
つまり、「SalesforceにMCPクライアントを信頼された外部アプリとして登録する」というステップです!
STEP 2:使いたいMCPサーバーを有効化する
機能ごとにサーバーが分かれています。まずは読み取りだけできるサーバーから試すのがおすすめです。
- 設定のクイック検索に「MCP サーバー」と入力
- インテグレーション → API カタログ → MCP サーバー を開く
- 一覧から「sobject-reads」のリンクをクリック
- 画面右上の「有効化」ボタンをクリック
- サーバー状態が「稼働中」に変わったら完了
sobject-readsはSalesforceレコードの読み取りに特化したサーバーです。最初はこのサーバーだけで試すと、何かミスがあってもデータを書き換えることがないので安心です。
出典:Salesforce Hosted MCP Server 使い始め | Salesforce Developers Blog (日本語)
つまり、「どの機能をAIに渡すかを設定画面で選べる」という理解でOKです!
STEP 3:MCPクライアント(Claude Desktop)から接続する
ここは使うツールによって手順が変わります。Claude Desktopを例に紹介します。
- Claude Desktopアプリを開き、カスタマイズ → コネクタ へ
- 「+(追加ボタン)」 → 「カスタムコネクタを追加」をクリック
- コネクタ名(任意)を入力、URLにはSalesforce設定画面の「MCPサーバーのServer URL」を入力
- 詳細設定を開き、STEP 1でメモしたコンシューマー鍵(クライアントID)を入力
- 「連携させる」ボタンをクリック
- ブラウザが開くので、連携したいSalesforceユーザーでログインして「許可」をクリック
- 接続できたら成功
接続が成功すると、Claude Desktopのツール一覧にSalesforceのツールが表示されます。
試してみると、、、
「Salesforceから私の商談を取得して」
とチャットで入力してみると、以下のようにSalesforceから商談データを取得できました!

ここは注意!つまずきポイント
① エディションの確認を忘れずに
Salesforce Hosted MCP Serverを使えるのは、Enterprise Edition以上のSalesforce組織です。Essentials EditionやProfessional Editionでは利用できません。
「設定画面にAPIカタログが見当たらない」という場合は、まずエディションを確認してください。Developer Editionの無料組織でも試せるので、検証用に1つ作っておくのがおすすめです。
② OAuth範囲の設定漏れに注意
最初に試したとき「接続できたのにデータが取れない」という状態になりました。原因を調べてみると、mcp_apiのOAuth範囲を追加し忘れていました。
外部クライアントアプリケーションの設定でmcp_apiとrefresh_tokenの両方が追加されているか確認してください。片方だけだと認証エラーになります。
③ コールバックURLはクライアントに合わせて設定する
Claude Desktop(コネクタ版)、Claude Desktop(開発者モード)、Cursorで、それぞれ必要なコールバックURLが違います。公式ヘルプに各クライアント別の設定手順があるので、使うツールに合ったページを参照することをお勧めします。
まとめ
- Salesforce Hosted MCP Serverは2026年4月にGA。Enterprise Edition以上で利用可能
- 設定は「外部クライアントアプリケーションの作成」→「MCPサーバーの有効化」→「クライアント側の接続」の3ステップ
- OAuth範囲には
mcp_apiとrefresh_tokenの両方が必要 - 最初は読み取り専用の
sobject-readsから試すのが安全でおすすめ
「AIにSalesforceのデータを触らせるなんて難しそう…」
と思っていたのが正直なところなのですが、やってみると設定項目はシンプルで、一度覚えてしまえばパターンが見えてきます。まずはDeveloper Edition環境で試してみると、実際の感覚がつかめると思います。一緒に少しずつ慣れていきましょう!
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