本記事はPostgreSQL on Kubernetes Advent Calendar 2018の11日目です。
昨日は「PGConf.Asia 2018の紹介」ということで、PGConf.Asiaを中心にPostgreSQLカンファレンスの紹介をしてみました。
今日はPostgreSQL on Kubernetesの検証をすすめるにあたり、色々と参考にさせてもらったり、時には直接アドバイスも頂いたコミュニティについて紹介したいと思います。
#TL;DR
- KubernetesのコミュニティはMeetupも多くて非常に元気。Rancher JPは特におすすめ。
- PostgreSQLコミュニティはカッチリしっかり。成果物も良くまとまってるよ。
- ストレージは関連ベンダに勤めてないと情報収集きびしいぞ。
#Kubernetes関連コミュニティ
現在非常に多くのKubernetesのコミュニティがあり、私も勉強するにあたり、いくつかのMeetupに参加させて頂きました。その中からいくつかをピックアップしてみたいと思います。
Kubernetes Meetup
日本のKubernetesでは総本山といっても良いのではないでしょうか。
Meetupも頻繁に行われており、どれもすごい人気で参加が難しいほどです(動画中継もあり、出席できなくてもセッションを視聴可能です)。
conpassのグループページはこちら。
セッション内容もKubernetesの各要素を深掘りしたものから、最先端のユーザ事例など豊富すぎて「毎回なぜこのクオリティを維持できるのか?」と驚きます。
私もまずはLTから発表を試みたいと思ってはいるのですが、中々敷居は高めです。
cndjp
Cloud Native Developers JPの略称で、開発者向けのコミュニティを志向しているようにも見えますが、実際はKubernetesからServerlessまで色々なセッションが開催されています。
conpassのグループページはこちら。
Cloud Native Landscapeの各種プロダクトを紹介してくれる内容が今年は多く、国内では少ない情報を集めるのに非常に役立ちます。
今年10月には「結局Kubernetesのストレージどうするの?」というテーマで勉強会が行われ、RookやLonghornなどのコンテナ・ネイティブ・ストレージが紹介されていました。
気付いたら、グループページのトップに何やら不思議な**ヒツジ?**がいます。ポケモン的なビジュアルですが、何ものなんでしょうか。
Rancher JP
こちらは牛で有名な?OSSのコンテナ管理プラットフォームRancherのコミュニティです。Meetupがとにかく活発で毎月にように開催されていますが、驚きは**全国行脚?**までされていること。
私の知る限り、こうしたコミュニティは地方ごとに立ち上がり運営されていることが多いと思いますが、Rancher JPは運営の方々が北は札幌から南は沖縄まで都度出向いて、Meetupを行われているようです。
良い方針ですよね、私も機会があれば一度沖縄に同行したいものです。
conpassのグループページはこちら。
Rancherについてのセッションが多いのはもちろんなのですが、それに限らず、Kubernetesやその周辺の技術も積極的に紹介されています。
私も一度LTさせて頂きましたが、運営・参加者の双方のレベルが高く、かつ質問等もしやすい雰囲気なので初心者から中級者以上まで間口が広いコミュニティであると感じます。
#PostgreSQLコミュニティ
元気・活発なKubernetesコミュニティと異なり、PostgreSQLのそれは歴史も古く、落ち着いた雰囲気です。ネクタイ組もこちらのほうが圧倒的に多い印象です。
こちらはメジャーな団体を2つ紹介します。
###PGECons
PostgreSQL エンタープライズ・コンソーシアムの略称で、その名の通り、PostgreSQLを企業システムに適用するにあたっての各種情報やツールの整備を行っている団体です。
その活動内容は非常にしっかりしたもので、ワーキンググループごとに毎年活動目標を決めて、確実に成果を発表されています。私も周囲から「PostgreSQLの設計書サンプルある?」などと聞かれた際に、こちらのサイトを紹介することが多いです。
特にインフラ目線でPostgreSQLを触ろうという方は、古いものでも成果物に一通り目を通してみることをおすすめします。
ただ、飛び込みでセッションを行うような団体ではなく、基本的には正会員の申し込みをしてオフィシャルな活動を行っていくことが求められます。
###JPUG
日本PostgreSQLユーザ会の略称です。
PostgreSQLはOSSとしても古い歴史を持つソフトウェアのため、このユーザ会も今年2018年で20周年を迎えたとのことです。
PostgreSQLをさわったことがある人なら一度は見たことがあるはずの、Let's Postgresもこちらのユーザ会による活動の一つです。
マニュアルの翻訳も非常にスピード感があり、最新版でもすぐに日本語化されます。国内でPostgreSQLの利用が広がったのは間違いなくこちらの団体の貢献あってこそ、でしょう。
#SNIA-J
最後は変わりだね、ストレージの業界団体であるストレージネットワーキング・インダストリ・アソシエーション日本支部の紹介になります。
ストレージ・ネットワーキングの標準化・教育・啓蒙などを行う団体で、名前の通り、SAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)関連の技術にフォーカスしています。会員企業には錚々たるストレージ・ベンダが並びます。
個人的な注目は毎年行われるストレージトレンドセミナーです。
無料なのですが内容は毎回濃く、ストレージベンダに属していないけれど情報を追いたい個人(たとえば私)には唯一無二といっても良いものとなっています。
2018年はコンテナ関連の発表があり、「このようなお堅い団体で!」と新鮮な驚きがありました。
ただ、残念なのは公式サイトが過去アーカイブなしで更改されたり、上記のトレンドセミナーの資料ダウンロードが会員のみとなったり、私のような個人には不親切な点。
まあ会員申し込みが必要、ということなのかも知れませんね。
2019年はどうなるか分かりませんが、これ以上の情報を求めるとIDEMAが開催する国際ディスクフォーラムのようなところへ参加することになり、非常に非常に敷居は高いです。
#まとめ
さて、一部趣味も混じりましたが、PostgreSQL on Kubernetesで参考にさせて頂いているコミュニティを一気に紹介してみました。
もう少しで2018年も終わりですが、来年以降も上記のようなところに参加はもちろん、機会を見て発表などもしていきたいと思います。
よろしくお願いします。