はじめに
OAC(Oracle Analytics Cloud)November 2024 Updateから、ビジュアライゼーションのプロパティに「可視性パラメータ」が追加されています。
簡単に言うと、そのビジュアライゼーションを表示または非表示にするための条件をパラメータから受け取る機能です。
具体的な設定方法を紹介します。
サンプルワークブックの作成
ダッシュボード・フィルタをパラメータに関連付け、そのパラメータをビジュアライゼーションの「可視性パラメータ」に指定してみます。
まずは、Sample Order Linesデータセットを使用して新規にワークブックを作成します。
「Order Priority」と「Profit」でドーナツ・チャートを作成しましたが、何でもOKです。
パラメータの作成
「パラメータ」に移動し「メニュー」から「パラメータの作成」をクリックします。
次のように入力して、「OK」をクリックします。
| プロパティ | 値 |
|---|---|
| 名前 | Order Priority |
| データ型 | テキスト |
| 複数選択を許可 | ON(許可) |
| 使用可能な値 | 列(Order Priority) |
ワークブックに、Order Priorityパラメータが作成されました。

「ビジュアライゼーション」タブから、ダッシュボード・フィルタをキャンバスにドラッグ&ドロップします。
ドラッグ&ドロップしたダッシュボード・フィルタに先ほど作成したOrder Priorityパラメータをドラッグ&ドロップします。
こんな感じになりました。
ビジュアライゼーションのプロパティを設定
ドーナツ・チャートの「フィルタ」に「Order Priority」列をドラッグ&ドロップします。

「Order Priority」パラメータをバインドします。

デフォルトでは「なし」になっている可視性パラメータを変更します。
「Order Priority」パラメータを選択します。
条件をサブセットにして、「High」「Low」を選択しました。

ここまでの設定をまとめると、
- ドーナツ・チャートに「Order Priority」列をフィルタ項目として追加しました
- フィルタを「Order Priority」パラメータにバインドしました(フィルタとパラメータの値が連動します)
- ドーナツ・チャートの可視性パラメータとして「Order Priority」パラメータを指定しました
- 条件は「サブセット」で、値は「High」または「Low」です
プレビューモードでテスト
可視性パラメータによるビジュアライゼーションの表示および非表示は、プレビューモードで動作します。
このようなキャンバスが表示されました。
Order Priorityパラメータに何も選択しない場合
ドーナツ・チャートは非表示です。

Order Priorityを「High」にした場合
指定した値がパラメータにセットされたので、ドーナツ・チャートが表示されました。

Order Priorityを「High」「Low」にした場合
指定した値がパラメータにセットされたので、ドーナツ・チャートが表示されました。

Order Priorityを「High」「Low」「Medium」にした場合
指定した値がパラメータにセットされていますが、指定していない値(Medium)も同時に選択されたのでドーナツ・チャートは非表示になりました。

可視性の条件
可視性の条件は次のようになっています。
| 指定した値 | 指定していない値 | |
|---|---|---|
| すべて | いずれかが含まれる | 含まれていてもよい |
| サブセット | いずれかが含まれる | 含まれてはいけない |
| 完全一致 | すべて含まれる | 含まれてはいけない |
| スーパーセット | すべて含まれる | 含まれていてもよい |
上記のドーナツ・チャートでは「サブセット」を選択したので、選択した値(上記例では「High」または「Low」)のいずれかが含まれていれば、そのビジュアライゼーションは表示されます。
ただし、選択した値以外の値が含まれていてはいけなかったのです。









