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Oracle Analytics Cloud:感染症情報で地図の特定エリアを塗りつぶす

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はじめに

Oracle Analtyics Cloud(OAC)July 2023を使用して、カスタム・マップ・レイヤーを登録してみようと思います。

今回は、神奈川県衛生研究所が毎週発表しているヘルパンギーナ情報をデータ化して使用します。
それぞれのエリアをデータに従って塗りつぶします。

1. ヘルパンギーナとは

高い熱、のどの奥にひどく痛む水ぶくれ様の発疹が現れる、ウイルス感染症です。
神奈川県におけるヘルパンギーナを始めとした感染症の発生状況が、こちらのページで公表されています。

この中から、2023年度29週時点のヘルパンギーナの発生状況「神奈川県ヘルパンギーナ情報 (6) 29週」をデータ化します。

2. データの作成

週報の「2. 保健所別発生状況」のグラフを見ながらExcelに打ち込んでみました。
image.png
これを見て気づくのは、

  • 政令指定都市や中核市には独自の保健所がある
  • それ以外は複数の市町村を束ねる保健福祉事務所が設けられている

ということです。
実際、保健福祉事務所の管轄範囲も週報に記されています。
市町村ではなく、保健所・保健福祉事務所の単位で地図上で定点あたり報告数にしたがって塗りつぶしをしたいと思います。

3. マップデータの入手と加工

国土数値情報のダウンロードサイトから、行政区域データをダウンロードして使わせていただきます。

神奈川県の令和5年のデータをダウンロードしました。(N03-20230101_14_GML.zip)
zipファイルを展開しておきます。

3.1 ツールの入手

空間データの編集・加工には、オープンソースのGISソフトであるQGISを使用します。

3.2 データの編集・加工

QGISを起動し、ダウンロードしておいたzipファイルを展開したフォルダ内の行政区域データ「N03-23_14_230101.shp」をQGISにドラッグ&ドロップします。
image.png
神奈川県の行政区域で分割されていますが、当然ながら「保健所の管轄」については考慮されていません。
読み込んだレイヤを右クリックし、表示されたメニューから「プロパティ」をクリックします。
image.png
「ソース」から文字コードを「Shift_JIS」に変更し、「OK」をクリックします。
image.png
もう一度、レイヤを右クリックし「属性テーブルを開く」をクリックします。
image.png
「N03_004」属性に行政区域名が入力されていることを確認します。
一つの行政区域名に多数の行があることがわかります。
image.png
編集モードにし、「フィールドの削除」アイコンをクリックします。
image.png
「N03_004」属性以外のすべての属性を選択し、「OK」をクリックします。
image.png
「保存」アイコンをクリックしてから、ウィンドウを閉じます。
image.png
「ベクタ」の「空間演算ツール」から「融合」をクリックします。
image.png
基準になる属性を指定します。
image.png
「N03_004」を選択し、「実行」をクリックします。
image.png
「融合ポリゴンの出力」というレイヤが作成されたので、このレイヤの属性テーブルを確認してみます。
image.png
いい感じに融合されました。
image.png
編集モードに変更し、「新規フィールド」アイコンをクリックします。
image.png
フィールド名は「保健所」、型は「テキスト」、長さは「20」として「OK」をクリックします。
image.png
ヘルパンギーナ週報を見ながら地道に「保健所」名を入力していきます。
image.png
今度は、「保健所」を残して「N03_004」を削除します。
保存してウィンドウを閉じます。
image.png
「融合ポリゴンの出力」を選択した状態で、もう一度「融合」します。
image.png
今度の基準となる属性は「保健所」です。
image.png
実行すると、こうなりました。
image.png
ゴミがありますね。まあ、良いんですけど。
image.png
迷った末に、今回は気にしないことにします!
どうしても気になる場合は、QGISの使い方を検索してイロイロとお試しください。
ちなみに、このままでもOAC上ではキレイに表示されました。

作成されたレイヤをGeoJSON形式でエクスポートします。
レイヤを右クリックし、エクスポートします。
image.png
形式はGeoJSONとして、任意の名称で保存します。
image.png
これで、神奈川県における各保健所・保健福祉事務所の管轄地域を表現したGeoJSONファイルができました。

4. カスタム・マップ・レイヤーの登録

OACに管理者としてログインします。
左上のナビゲーションアイコンをクリックして、「コンソール」メニューを選択します。
image.png
「マップ」をクリックします。
image.png
QGISで作成したGeoJSONファイルを指定の場所にドラッグ&ドロップするか、「+」をクリックして選択します。
image.png
レイヤーキーとして、「保健所」をチェックして「保存」します。
image.png
image.png

5. ワークブックでマップ・ビューの作成

5.1 データセットの作成

事前に作っておいたExcelファイルをデータセットとしてアップロードします。
内容を確認して「ビジュアル化」をクリックします。
image.png

5.2 ワークブックの編集

マップ・ビューを作っていきます。
2つの項目をコントロールキーを押しながら同時に選択し、右クリックします。
「ビジュアライゼーションの選択」をクリックします。
image.png
ビジュアライゼーション・タイプを「マップ」とします。
image.png
保健所・保健福祉事務所の管轄毎にデータに応じて塗りつぶしできました。
image.png
先程登録したマップ・レイヤーが自動的に選択されていました。
image.png
少し見た目を整えて完成です。
(背景をOpenStreetMap/陽電子にしました)
image.png

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