はじめに
OAC(Oracle Analytics Cloud)でメッコチャートを作ります。
(なんだか、可愛らしい日本語の語感です)
市場規模と構成比(シェア)を一度に把握できるこの可視化は、事業ポートフォリオの俯瞰や重点セグメントの特定に最適です。本記事では、メッコチャートの要点をおさらいしつつ、OACでの作り方、設定のコツ、ビジネス活用例、注意点をまとめます。
メッコチャートの要点(おさらい)
- 横幅=規模の大きさ(総量や市場規模)
- 高さ=内訳の割合(構成比、100%)
- 面積=全体へのインパクト(規模×構成比)
この3点を押さえると、「どこが大きく、何が効いているか」を一目で見抜けます。
OACでメッコチャートを作る手順
前提(データ要件)
- 必要になる列
- カテゴリ(例:メーカー、チャネル、顧客セグメント)
- 内訳ディメンション(例:地域、製品カテゴリ)
- 指標(例:売上、件数、人数)
手順
データ準備
- データセットを作成します。
必要であればデータフローや計算列でクレンジング・集計します。 - 欠損や極端に小さいセグメントは事前にグルーピング(「その他」化)すると視認性が上がります。
今回使用するデータセット(の一部)です。
新規ワークブック作成
ホームの「新規」をクリックして、新しいワークブックを作成します。
可視化タイプの選択
割り当て
次のように設定します。
- 値(Y軸):金額
- カテゴリ(X軸):製品カテゴリ
- 色:顧客セグメント
- サイズ(幅):顧客数
ヒント:横幅がサイズ指標に比例し、高さは各カテゴリ内で100%になります。結果として各四角形の面積が「全体に対する寄与」を表します。
仕上げ
- バーギャップ:各棒の距離を調整します。今回は0%にします。
- バーサイズ:各棒(スタック)単位に適用するか、色(セグメント)単位に適用するかを指定します。今回はスタック単位にします。
- データ・ラベル
パーセント、ラベル - データ・ラベルの位置(金額)
自動
完成
ビジネス活用シナリオの例
市場分析
見えること:市場リーダー、伸びる価格帯×ブランド、重点地域
- 値(Y軸):顧客数
- カテゴリ(X軸):ブランド
- 色:地域や価格帯
- サイズ(幅):市場規模(売上)
販売チャネル最適化
見えること:最大チャネルと、そのチャネルでの牽引カテゴリ
- 値(Y軸):利益
- カテゴリ(X軸):チャネル(店舗、EC、パートナー)
- 色:製品カテゴリ
- サイズ(幅):売上
導入後の効果(まとめ)
- 規模(横幅)と構成比(高さ)を一枚で提示でき、面積で全体インパクトを直感把握
- 会議での「どこに注力すべきか」の合意形成が早まる
- ダッシュボード内でのドリル/アクションと組み合わせると、探索→原因深掘りの流れがスムーズ
最後に
OACのメッコチャートは、複雑な市場やポートフォリオを簡潔に語れる強力な可視化です。まずは上位カテゴリに絞ったシンプルな作例から始め、ツールチップやドリルで“必要な時に深く見られる”体験に仕上げてみてください。







