0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

WordでピクセルパーフェクトレポートのRTFテンプレートを作成するチュートリアル

Posted at

はじめに

ピクセル・パーフェクト・レポートとは、OAC(Oracle Analytics Cloud)の定型レポートを出力するためのコンポーネントのことです。
Oracle Analytics Publisher(OAP)とも呼ばれます。かつてはOracle Business Intelligence Publisher(BIP)という名前でした。

Microsoft Wordに対するアドイン(Template Builder)が提供されており、これを使うことでWordの機能を使ってレポートのデザインができます。
この記事では、Wordで作成したOAPのデザインテンプレートを「RTFテンプレート」と呼びます。

RTFテンプレートは奥が深いのですが、この記事は「さわり」をチョット体験してみます。

テンプレートを保存する際に、リッチ・テキスト・フォーマット(RTF)形式で保存するので「RTFテンプレート」と呼びます。

1. 準備

Microsoft WordにアドインするTemplate Builderをダウンロードし、インストールします。
Template Builderは、Oracle Analytics Publisher Desktopとして提供されています。

次に、Oracle Databaseに接続して、SHサンプルスキーマに対してSQLを実行するための接続定義を作成します。
利用可能なOracle Databaseが、既に存在しているという前提です。

1.1 Publisher Desktopのダウンロードとインストール

Oracle Analytics Publisher Desktopのダウンロード

適したリンクをクリックします。

Wordにあわせて、Publisher Desktopの32bitあるいは64bitを選択します。
使用中のWordが32bit/64bitのいずれであるかわからない場合は、Wordを起動して「ファイル」-「アカウント」-「Wordのバージョン情報」で確認できます。
なお、Oracle Analytics Publisher Desktop(Template Builder)はWindows版のみの提供です。

image.png

Oracle Software Delivery Cloudからダウンロードできます。
※ ユーザー登録が必要です。

Oracle Analytics Clinet Toolを選択すると、いくつかの選択肢が表示されます。
必要なのは

  • Oracle Analytics Publisher Desktop 7.0.0 for Microsoft Windows (64-bit) for (Microsoft Windows x64 (64-bit))

です。(Wordが64bitバージョンの場合)
タイミングによっては、バージョンは異なるかも知れません。
zipファイルがダウンロードされるので、展開して中の実行ファイルを実行します。

  • 例:OracleAnalyticsPublisherDesktop-7.0.0-win64.exe

実行中のOfficeソフトはすべて終了しておいてください。

「次へ」をクリックします。
image.png

必要に応じてインストール先を変更して、「次へ」をクリックします。
image.png

しばらく待つとインストールが終了します。「完了」をクリックします。
image.png

Wordが自動的に起動して、「ようこそ」ドキュメントが表示されます。
「Publisher」リボンが表示されていたら、インストールは成功です。
image.png

ひとまず、Wordは終了しておきます。

1.2 Oracle DBへの接続を作成

BI Service Administratorロールを保持しているユーザーでOACにログインし、「クラシック・ホームを開く」をクリックします。
image.png

右上の「マイ・プロファイル」アイコンをクリックして、「管理」ページに移動します。
image.png

「Publisherの管理」をクリックします。
image.png

データソースから「JDBC接続」をクリックします。
image.png

「データソースの追加」をクリックします。
image.png

今回はOracle Databaseに接続するので、必要な情報を入力します。
データソース名は「Oracle DB」としました。
「接続のテスト」をクリックします。
image.png

接続が確認できたら、このように画面上部に表示されます。
image.png

画面を下までスクロールします。
この接続定義の利用をどのアプリケーション・ロールに許可するかを設定します。
image.png

画面上部の「適用」をクリックします。
image.png

これで接続定義の作成が完了です。

2. ピクセル・パーフェクト・レポートのモデルを作成

「作成」をクリックして、「データ・モデル」を選択します。
image.png

無題のデータ・モデルが作成されます。
ダイアグラムに「SQL問合せ」を追加します。
image.png

名前に任意の名前(例えば Sales)を入力し、データソースを先ほど作成したものに変更します。
「クエリー・ビルダー」をクリックします。
image.png

スキーマを「SH」にします。
「SALES」「CHANNELS」「PRODUCTS」をそれぞれクリックします。
image.png

「CHANNELS」表の「CHANNEL_ID」列を「SALES」表の「CHANNEL_ID」列にドラッグ&ドロップします。
image.png
同様に、「PRODUCTS」表の「PROD_ID」列を「SALES」表の「PROD_ID」列にドラッグ&ドロップします。

  • 「CHANNELS」表の「CHANNEL_CLASS」列
  • 「PRODUCTS」表の「PROD_CATEGORY」列
  • 「SALES」表の「QUANTITY_SOLD」列
  • 「SALES」表の「AMOUNT_SOLD」列

の4つの列をクリックして選択した状態にします。
image.png

「条件」タブに移動します。
次のように編集します。

別名 ソート順序 関数 グループ基準
CHANNEL_CLASS チャネル 1 オン
PROD_CATEGORY 製品カテゴリ 2 オン
AMOUNT_SOLD 販売金額 SUM
QUANTITY_SOLD 販売数量 SUM

image.png

「SQL」タブに移動して生成されたSQLを確認します。
image.png

「結果」タブで検索結果を確認して「保存」をクリックします。
image.png

「OK」をクリックします。
image.png

「データ」タブに移動します。
image.png

「行」を「50」に変更し、「表示」をクリックします。
検索結果が表示されたら、「エクスポート」をクリックしてローカルに XMLファイルとして名前をつけて保存します。
(例えば、data.xmlなど)
さらに「サンプル・データとして保存」をクリックします。
image.png

データ・モデルに名前をつけて保存します。
image.png

3. Wordでテンプレートを作成

Publisher Desktop(Template Builder)をまだインストールしていない場合は、この段階でインストールします。

3.1 データの読み込み

Wordを起動し「Publisher」リボンの「サンプルXML」をクリックします。
image.png

データ・モデルを作成する過程でエクスポートしておいたXMLファイルを選択します。
image.png
実際にデータベースに接続せずに、サンプルデータを使用してテンプレートの作成がおこなえます。

3.2 表ウィザードで表の作成

「Publisher」リボンの「表ウィザード」をクリックします。
image.png

「表」を選択して「次」をクリックします。
image.png

データセット「/DATA_DG/G_1」を選択して「次」をクリックします。
image.png

すべてのフィールドを指定して、必要に応じて順番を変更します。
「次」をクリックします。
image.png

グループ基準に「チャネル」を選択します。
「グループ上」ラジオボタンを選択し、「データはソート済」にチェックします。
区切りを「ページ」にして、「次」をクリックします。
image.png

何も変更せずに「終了」をクリックします。
image.png

3.3 PDFでプレビュー

Publisherリボンの「PDF」をクリックしてPDF形式でプレビューします。
ここまで作成したテンプレートの保存が促されますので、任意の場所に保存します。
保存形式はRTF(リッチ・テキスト・フォーマット)です。
image.png

PDFのビューワが起動してプレビューされます。
チャネルカテゴリが左上に表示され、チャネルカテゴリが変わったら改ページされています。
これは実際に検索しているわけではなく、最初に読み込んだサンプルデータを使用しています。
image.png

3.4 Wordの機能も使いながら手直し

Wordで作成されたテンプレートをあらためて見てみます。
表はWordの機能で作成されています。ところどころグレーの背景になっている部分は「フィールド」です。これもWordの機能です。

販売金額と販売数量のセルは、右詰めにします。
続いて「販売金額」フィールドをダブルクリックします。
image.png

「BI Publisherのプロパティ」というウィンドウが表示されます。
「書式設定」のタイプを「数値」にして、書式を「#,##0.00」とします。
「一般」の表示するテキストを「9,999.99」にします。
「OK」をクリックして閉じます。
image.png

続いて「販売数量」フィールドをダブルクリックします。
「書式設定」のタイプを「数値」にして、書式を「#,##0」とします。
「一般」の表示するテキストを「9,999」にします。
「OK」をクリックして閉じます。
image.png

もう一度、PDFでプレビューしてみます。
販売金額と販売数量のデータが右詰めになりました。
また、販売金額は小数点第2位まで、販売数量は小数点なしでいずれも3桁区切りで表示されています。
image.png

レポートにヘッダを設定します。
「挿入」リボンで「ヘッダー」をクリックします。
image.png

「ヘッダーの編集」を選択します。
image.png

ヘッダーとして「チャネル、製品カテゴリ別販売実績レポート」を入力しました。
image.png

フッターも作成して、ページ番号を表示するようにしてみました。

ヘッダーとフッターの編集が終了した状態です。
必要に応じてフォントのサイズや種類も変更しておきます。
チャネルの前に「チャネル名:」と表示されるようにしておきました。
image.png

3.5 テンプレートの完成

最後にもう一度、PDFでプレビューします。
image.png

問題なければ、テンプレートをRTF形式で上書き保存します。

4. テンプレートをアップロード

ここからは、再びブラウザでの作業となります。

4.1 レポートの作成とアップロード

クラシック・ホームに移動して、「作成」メニューから「レポート」をクリックします。
image.png

「レポートの作成」ウィザードが表示されたら、今回は使用しないので「取消」をクリックします。
image.png

「データモデルの選択」アイコンをクリックします。
image.png

先ほど作成し保存しておいたデータモデルを選択します。
image.png

「レイアウトのアップロードまたは生成」セクションの「アップロード」をクリックします。
image.png

Wordで作成したRTF形式のテンプレートを選択します。
タイプは「RTFテンプレート」、ロケールは「日本語 (日本)」とします。
「アップロード」をクリックします。
image.png

テンプレートがアップロードされました。
image.png

右上の保存アイコンをクリックします。
image.png

任意の場所に名前をつけて保存します。
image.png

4.2 実行して確認

「レポートの表示」をクリックします。
今度は、サンプルデータではなく実際に検索が実行されます。
image.png

チャネルごとに表が分割されヘッダーも表示されています。
ただ、PDFではなくHTMLで表示されています。
HTMLなので、ページ分割もされていません。
image.png

4.3 表示形式を変更

レポートの右上にある、歯車の形をしたアクションアイコンをクリックします。
「レポートの編集」をクリックします。
image.png

「リストの表示」をクリックします。
image.png

レポートのデフォルト・フォーマットを指定できます。
「PDF」にしました。
また、許可する出力フォーマットも指定することができます。
変更後、レポートを上書き保存します。
image.png

5. 完成

もう一度、レポートを表示します。
ヘッダー、フッターが表示され、チャネルが変わったら改ページされるPDFレポートが表示されました。
image.png

6. 参考情報

0
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
0
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?