先にAWSのほうを勉強していて、Azureは初めてでした。無料アカウントを作って、リソース1を1つ作って、その日のうちに全部消すところまでやりました。
クレジットは1円も減りませんでした。
この記事は2本のうちの前編です。後編の はじめてのAzure OpenAI(2/2) では、このアカウントの上にRAGを組んでいます。
この記事を読むと明日できること
Azureの無料アカウントを作って、残りのクレジットがどこに出るかを自分の画面で確かめ、作ったものを全部消して0件にできます。
想定している読者は、AWSは触ったことがあるが、Azureは初めての人です。
AWSとここが違う——請求アラートが要らない
AWSでまずやることは請求アラートの設定でした。従量課金なので、気づかないうちに課金が進むからです。
Azureの無料アカウントは違います。「使い切ったら停止する」設定が最初から入っています。
| AWS の無料枠 | Azure の無料アカウント | |
|---|---|---|
| 枠を超えたら | 課金が続く | 停止する |
| 請求アラート | 自分で設定する | 既定の上限で止まるので必須ではない |
| クレジットカード | 登録が要る | 登録が要る(本人確認のため) |
上限に達すると請求が来るのではなく、リソースが止まります。学習用としては、こちらのほうが気楽です。
無料アカウントの中身は2つです。
- $200 分のクレジット(30日間だけ有効)
- 一部のサービスは12か月間、決まった量まで無料
クレジットカードは本人確認のために登録しますが、上限で止まる設定が入っている限り請求は発生しません。
残りのクレジットをどこで見るか
ここで1回つまずきました。
サブスクリプション2の概要を開くと、こう出ます。
プラン:Azure プラン
課金サブスクリプションの一覧では、こうです。
Usage based(従量課金)
次の請求書:2026/10/9
従量課金で作ってしまったように見えます。私はこれを見て「無料アカウントになっていないかもしれない」と判断しました。
間違いでした。
正しい場所は別です。「コストの管理と請求」→ 左の「課金スコープ」→ 自分の名前を開きます。その画面の上部に帯が出ます。
無料クレジットの期限があと 30 日で切れます。
同じ画面の「請求額」にはこう出ていました。
¥0.00
支払いは不要です
右下の「残りのクレジット」も同じ画面にあります。
残りのクレジット ¥31,864.00
利用可能なクレジットの合計の 0.00% が使用されました。
いまのAzureは、無料アカウントでも「Microsoft Azure Plan / Usage based」と表示されます。表示名だけでは無料かどうか判断できません。判断する場所は課金アカウントの概要の帯です。
$200 が ¥31,864 でした。1ドル159.3円ほどの換算です。
リソースとリソースグループ
Azureで作ったもの1つ1つを「リソース」と呼びます。仮想マシン1台もリソース、データベース1個もリソースです。
リソースは必ず「リソースグループ」3のどれかに属します。
この並びが効くのは、消すときです。リソースグループを消すと、中のリソースが全部まとめて消えます。1つずつ消して回る必要がありません。
学習用にAzureを触るなら、最初にリソースグループを1つ作って、その中に全部入れるのが後片付けを楽にします。
リソースは「保存する場所」ではない
作ったリソースの中身を見ると、入っているのはURLとキーだけでした。
URL:https://〇〇.openai.azure.com/
キー:(84文字の文字列)
データは入っていません。リソースは呼び先の名前で、保存する場所ではありません。保存したいなら Azure Blob Storage という別の種類のリソースを作ります。
作る
リソースグループを1つ作り、その中にリソースを作りました。
ポータル上部の検索窓にサービス名を入れて、「作成」を押します。埋めるのは4つです。
| 項目 | 入れたもの |
|---|---|
| サブスクリプション |
Azure subscription 1(1つしかない) |
| リソースグループ |
rg-azure-study(ここで新規作成した) |
| 名前 | 世界で一意になる名前 |
| リージョン4 | Japan East |
数分で「デプロイが完了しました」と出ます。
この時点で請求は ¥0.00 のままでした。Azure OpenAI のリソースは、置いておくだけでは課金されません。呼んだトークン分だけがかかります。
EC2を1台立てると、何もしなくても時間で課金が進みます。そこが違います。
置いておくだけで課金される種類もある
全部が0円ではありません。Azure AI Search の Standard レベルは時間課金です。1日あたり数百円かかります。
同じ「リソースを作る」でも、置いておくだけで課金されるものとされないものがあります。作る前に価格レベル5の説明を読む必要があります。
消す
リソースグループごと消しました。
- ポータル上部の検索窓にリソースグループ名を入れる
- 開いた画面の上部「リソース グループの削除」
- 確認欄にリソースグループ名を打つ
- 「削除」
中のリソースが全部まとめて消えます。
消しても名前は48時間残る
Azure OpenAI のリソースは、消したあと48時間「論理削除」6という状態で残ります。この間、同じ名前では作り直せません。
完全に消すなら「Azure AI services の削除済みリソース」から「消去」します。課金は止まっているので、急がなければそのままで構いません。
検索サービスの名前も同じです。https://<名前>.search.windows.net として世界で一意に予約されるので、削除しても数時間から1日は戻ってきません。
数える
消したあと、必ず数えます。
ポータル上部の検索窓に「すべてのリソース」と入れて開きます。
フィルターに一致するリソースはありません
これが0件です。上のフィルター4つ(サブスクリプション・リソースグループ・種類・場所)が全部「すべて」になっていることも見ます。絞り込んだ状態だと、残っているのに0件に見えます。
リソースグループを消しても、別のグループにあるものは残ります。今回は、あるボタンを押したときに別のリージョンへ自動で作られたリソースが2つ残っていました。この画面で気づきました。
その2つがなぜ作られたかは、後編の はじめてのAzure OpenAI(2/2) に書いています。
付録A:かかったお金
1日で全部通して、クレジットは1円も減りませんでした。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 残りのクレジット | ¥31,864.00($200) |
| 使用済み | 0.00% |
| 請求額 | ¥0.00 |
| 無料クレジットの期限 | あと30日 |
リソースを作って消すだけなら0円です。後編でモデルを10回ほど呼びましたが、それでも0.00%のままでした。
| かかるところ | 単価 |
|---|---|
| Azure OpenAI のリソースを置いておく | 0円 |
| Azure AI Search(Free レベル) | 0円 |
| Azure AI Search(Standard レベル) | 時間課金。1日あたり数百円 |
課金の反映には8〜24時間かかります。当日は ¥0.00 に見えても、使っていないわけではありません。
付録B:かかった時間
無料アカウントの作成からリソースの削除まで、1日で通りました。アカウント作成そのものは10分ほどです。
付録C:つまずいたところ
「Azure プラン / Usage based」と出ても無料
本文に書いたとおりです。表示名だけでは無料かどうか判断できません。判断する場所は「コストの管理と請求」→「課金スコープ」→ 自分の名前 の画面の上部の帯です。
私はこれを見落として「従量課金で作られたかもしれない」と判断しました。実際には無料クレジットが付いていました。
リソースグループを消しても、別の場所に残ることがある
「すべてのリソース」で0件を確認するまで終わりではありません。リソースグループの削除は、そのグループの中だけを消します。
価格レベルは、リージョンを変えると戻ることがある
作成画面で価格レベルを選んでから場所を変えたら、価格レベルが既定に戻っていました。気づかずに作ってしまい、削除して作り直しました。
場所を先に決める → 価格レベルを最後に決める → そこから何も触らずに作成、の順番なら踏みません。
左メニューの項目は入れ替わる
「キー」を探したとき、「設定」の中だと思っていたら「セキュリティとネットワーク」の中にありました。名前で探すより、階層を1つずつ開くほうが早いです。
関連記事
- はじめてのAzure OpenAI(2/2)——このアカウントの上に、Azure OpenAI と Azure AI Search でRAGを組んだ記録
-
リソース。Azure に作ったもの1つ1つの呼び名。仮想マシン1台もリソース、データベース1個もリソースです。中身は URL とキーで、データを保存する場所ではありません。 ↩
-
サブスクリプション。請求のまとまり。無料アカウントを作ると1つできます。リソースはどれかのサブスクリプションの下に入ります。 ↩
-
リソースグループ。リソースを入れる箱。まとめて消せるので、学習用なら最初に1つ作って全部そこへ入れると後片付けが楽です。 ↩
-
リージョン。リソースを置く場所。日本なら
Japan East(東日本)とJapan West(西日本)があります。サービスによっては選べる場所が限られます。 ↩ -
価格レベル。そのリソースの料金の段。Free と Standard では課金の仕方が違い、Free は置いておくだけなら0円、Standard は時間で課金されるものがあります。 ↩
-
論理削除。消したあと48時間、名前が予約されたまま残る状態。この間は同じ名前で作り直せません。「削除済みリソース」から消去すれば即座に解放されます。 ↩