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Apple審査の内情について考察

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はじめに

現在TownSoftで作っているゲーム(失われた世界 〜Lost World〜)でApple審査のリジェクトが多発したので、ちょっとApple審査について書いておく。
妙なリジェクトをされて困っている人やApple審査について知りたい方の役に立てば幸いである。

※Apple審査手順については他に詳しいページが多数あるので本記事では記載しておりません。

審査期間

Appleの審査期間は大体1〜2日である。
ただし、土日(日本では日月)は審査が行われない場合が多い。
(土日に審査される場合もある。)

審査方法

こちらに記載していることは公式見解ではありません。
TownSoftで審査を出していて感じたことを書いておきます。

審査は多分待ち行列方式。
なので、出した順番に審査が行われている。
(なので年末のAppleクリスマス時期の後は先に出しておかないと随分待たされる。)
審査の開始時間は日本時間の朝の2時頃に開始される。

審査対象は前日に出したアプリが対象になるけれど、体感的に前日の15時までに審査に出したものが次の日の審査対象になりやすい。
ただ、暇な日(アプリの審査本数が少ない)は24時に出してもIn Review(審査中)になる場合もある。(なので申請して2時間で審査が始まった時がある。)

朝の2時に今日審査するものを全てIn Revieのステータスに一括に変更して、そこから各担当者が順番に審査を開始する。
すんなり審査される場合は朝の4〜8時の間にレビューが終わる。

その後に審査するアプリがない場合は次のアプリをIn Reviewに変更するっぽいので、朝の10時頃にIn Reviewになる場合もある。
ただ、この時間にIn Reviewになったものは次の日に審査される場合もあるのでIn Reviewが24時間続く場合もある。

僕は朝の9時頃にリジェクトで差し戻された後、すぐに再度申請を出したらすぐにIn Reviewになって再びリジェクトされたケースもある。

審査時間

アップデートの場合は審査はほとんど時間がかからない。
なので、上記にあるように2時にIn Reviewになると朝には大体終わっている。
しかし、新規のアプリの場合は入念にチェックされるようなので審査に時間がかかって10時頃に終わる場合がある。

新規アプリの場合は何かしら理由を付けられてリジェクトされるケースが多い。
僕の経験では、すんなり通ったのは過去2回くらいしかない。
(僕は15本のアプリを出しているので、2/15の確率。とても低い。)

なお、月曜日(クパティーノは日曜日)は審査される事が少ない。
ただ、審査は土日もしているようで日曜日にIn Reviewになったこともある。
土日を挟むと、アプリの審査数が多いためか月曜日に審査されにくいというのもある。
日曜日に審査されたケースは殆どない。(審査されたこともある。)

土曜日は普通に審査している。(クパティーノが金曜日だからだと思う。)
しかし、土曜日は審査アプリの数が多いためか審査が始まらないケースも多い。

なお、昼の12持を過ぎると審査はほとんど進まない。
僕の経験では1度あったか無いかの頻度。
なので、昼の12時を超えてもレビューが始まらない場合は次の日に持ち越しだと思ったほうが良い。

担当者

Appleではテストするアプリ毎に担当が決まっている感じがする。
なので、厳しい人に当たるとそのアプリはそのまま厳しい審査が続く。

どうしても審査に通らない場合、そのAppIDを捨てて新しいAppIDを作って審査に通った話も過去に聞いたことがある。

もちろん、途中で担当が変わる場合もある。
これは曜日を変えることで変わる場合もあるけれど、僕の場合は申請に出す曜日は大抵同じ。
僕は毎週決まった曜日にアップデートをしているのですが、ある日突然「そのスクリーンショットは駄目です!」と言われれてリジェクトされたことがある。
「今までは大丈夫だったじゃん...Appleのレビュー規約も変わってないよ。」と言うタイミングでも担当者によっては突如NGを突きつけられる。

僕はデザインを外部に依頼しているので、このリジェクトをされるとデザイン代が発生するのでまいった。

ちなみに、これを担当ガチャと呼んでいる人もいる。そのくらい担当者によって対応が違う。

※予想だが、担当はiPadのシミュレータでテストをしていると思う。
(後述の珍しいリジェクトケース参照)

よくあるリジェクトケース

・スクリーンショットNG
僕が一番多く出しているリジェクトはこれ。
ゲームと関係ないスクリーンショットやゲームのスクリーンショットが入っていない場合はNG。

基本的にはスクリーンショットの中にiPhoneで撮ったスクリーンショットを貼り付けてその上に文字を書くのがベスト。
iPhoneで撮ったスクリーンショットが小さい場合や無い場合はかなりの確率でNG。
iPhoneで撮ったスクリーンショットの一部を切り抜いて作ったスクリーンショットもNG。

iPadのスクリーンショットにiPhoneのスクリーンショットを貼り付けてもNG。でも、このケースでリジェクトを受けたのは1度だけなのでこれはまぁまぁ見逃される。
英語のスクリーンショットに日本語のスクリーンショットを貼り付けるのはOK。これでNGを受けたことはない。

・動作不良NG
動かないアプリを審査に出すことはあまりないと思うけれど、iPhoneでは押せるけれどiPadではボタンが隠れたり押しにくい場合はNG。
担当者は大体iPadでテストをしているため、僕はiPadでの動作不良や画面の崩れでリジェクトを受けたことが多い。

・ブラウザでできるからNG
これはとある企業で作ったアプリで発生した。
「Webページでも実現できるでしょ?そんなアプリを作らないでね」
というものらしい。
機能が単純だとこれで落とされる。

これは担当者が変われば通ったと思うけれど、結局このアプリはリリースされずにお蔵入りになった。

珍しいリジェクトケース

・通信エラーでリジェクト
ゲームのセキュリティに係るので詳しくは書けないけれど、担当がネットワークにつなげて無くて通信できなくてリジェクトされた場合がある。
これは対処のしようがない。

その後の申請に出す時にこちらでは確認ができてますと言うエビデンスを付けて「ネットワークに接続してテストして下さい」とメモに書いて申請することで対応できた。

・ボタンが無いリジェクト
明らかにボタンがある画面で「次に進むボタンがない」と言われてリジェクトされたことがある。
ご丁寧にスクリーンショットも送られてきたのだが、画面の下半分が切り取られたスクリーンショットだった。

「ボタンは下にあるんですけれど...」

という回答をして申請に通ったけれど...これもきつかった。

このリジェクトでApple申請をしている人はiPadの本体ではなくPCにシミュレータを写してテストをしているんだなと気がついた。

※Apple審査をしている人って自分がミスしても謝らないよね...そういう文化、決まり?

リジェクト時の対応方法

リジェクトされた時にメッセージが一緒に送られてきて、そのメッセージに返信ができるようになっている。
この返信機能が罠である。

僕の経験ではメタデータNG(スクリーンショットや不適切な文言がAppStoreに掲載されている場合に発生する)の場合でも再度アプリをビルドして申請したほうが早い。
予想だけれどアプリの審査はノルマとしてこなしているようだが、返信メッセージの対応はノルマでは無い気がする。
アプリを審査に出せば次の日の午前2時に大抵「In Review」になるけれど、返信メッセージは1日経っても反応がない場合がある。

なので、面倒でもアプリのビルドバージョンを上げて申請したほうが確実。
僕の場合は全く同じバイナリでも再度審査を出すようにしている。
この方法を使うことで審査を進めやすくなった。

おすすめの時間

おすすめの時間帯は平日の朝の10時まで、もしくは15時まで。
朝の10時までに申請を出せば当日に審査をして貰える場合がある。
また、15時までに申請を出しておけば次の日に審査をしてもらいやすい。

しかし、15時を超えると次の日の審査に乗らない可能性が高くなって翌々日の審査になりやすい。
なので下手に16時に出すくらいならバグのチェックなどを行って次の日の10時頃までに出したほうが良い。
日本時間の土曜日10時以降はほとんどAppleの審査が進まないので日曜日の15時頃に出すのとあまり変わらない。

昔話

色々書いたが、今はかなり良くなっていると思う。
今回のアプリは3回リジェクトを受けたけれど、かかった期間は3日だった。
昔は審査が始まるのが1〜2週間後だったので申請に出してもなかなかIn Reviewにならなかった。
その時にリジェクトされるとまた1〜2週間待つことになる。なので、アプリの申請は地獄だった。
あの頃を知っている身としては今のリジェクトは天国のようだ。

ちなみに、僕は初めてのアプリのリリースに一ヶ月かかった。
しかし、当時はそんなの珍しくなくて2ヶ月以上かかった末に電話でAppleの担当者と話して審査を通した人もいた。

Googleとの比較

僕はUnityで開発を始めてからGoogleでもゲームを配信するようになった。
その時に思ったのが「Googleの方が遅い」だ。

僕が配信し始めた頃はGoogleにも審査が入り始めたため、審査に時間がかかるようになったのだ。
その上コロナ禍に巻き込まれて3〜4日くらい待たされた。

その後に何度も出してから気がついたけれど、Google審査は波が激しい。
Appleは上記のように法則があるので、なれるといつ審査が行われるかが分かるがGoogleは分からない。
体感的には週の初めに申請を出すと2時間〜1日くらいで終わる。
でも、週の終わりに出すと3〜4日審査中になる感じがする。
審査の時期を読み難い。

ただ、Google申請でリジェクトを受けたことはないのでこの点は開発者として安心できる。

最後に

・・・と、これらは僕の経験談です。
誰かの参考になればと思って書きました。

もし参考になったら2021年7月1日に配信する失われた世界 〜Lost World〜のダウンロードをよろしくお願いいたします。
Android版もありますが、事前予約はしてないので2021年7月1日以降にダウンロードをしてもらえると嬉しいです。

長文読んでいただきありがとうございました。

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