データベーススペシャリスト試験対策:初学者向け長文まとめ
データベーススペシャリスト試験(DBスペ)は、用語や概念の意味が分かりづらく、初学者にとっては「日本語で説明されると余計に混乱する」分野も多いです。この記事では、よく出題される7つの分野を中心に、初学者向けに**“日本語で説明できる”ことをゴール**に、具体例や図解ベースで整理していきます。
✅ 出題頻度の高い分野一覧
- 正規化(1NF〜3NF, BCNF)
- SQLと集合演算・結合処理
- トランザクション制御・分離レベル
- SQLの応用(CASE文・サブクエリ)
- ビッグデータ/分散基盤
- リレーション演算(射影・選択・結合)
- 計算量・アルゴリズム(JOIN処理・全組合せ)
1. 正規化とは?
"正規化"とは、データを「かぶらず」「ムダなく」整理するテーブル分割作業です。
💡 専門用語の日本語翻訳
| 専門用語 |
わかりやすい説明 |
| 関数従属 |
Aが分かるとBが1つに決まる関係 |
| 部分関数従属 |
主キーの一部だけで決まってしまう関係 |
| 推移的関数従属 |
A→B, B→C なら A→C も成り立ってしまう関係 |
📘 第1正規形(1NF)
- 繰り返しを排除(1行に1項目)
- 例:1人が資格を2つ持っていたら2行にする
📘 第2正規形(2NF)
- 主キーが複合(例:学籍番号+科目名)になっているとき、その一部にしか依存しない列があるなら分割する
📘 第3正規形(3NF)
- キー以外の列が他のキー以外の列を決定してしまっている場合(=推移的関数従属)分ける
✅ 覚え方のコツ
- **「1→部分→推移」**の順で不要な従属を排除
- 言葉だけで覚えず、図や実例で「なにをどこに分けるか」を書いてみる
2. SQL・集合演算・結合処理
📘 集合演算
-
UNION:重複を除く結合(SELECT文を縦にくっつける)
-
UNION ALL:重複も含める(件数が増える)
-
EXCEPT:AにあってBにないもの(差集合)
-
INTERSECT:共通部分
📘 結合(JOIN)
-
INNER JOIN:両方にあるものだけ
-
LEFT OUTER JOIN:左表は全て残し、右がなければNULL
-
ONとWHEREの違い → ONは「結合条件」、WHEREは「絞り込み条件」
✅ 初学者のつまづきポイント
- LEFT OUTER JOIN後にWHEREで右表の列に条件をつけるとNULL行が消える!
3. トランザクション制御と分離レベル
📘 用語整理
| 現象名 |
説明 |
| Dirty Read |
未コミットのデータを読んでしまう |
| Non-Repeatable Read |
同じ行を2回読んだら内容が違う |
| Phantom Read |
同じ条件のSELECTで行数が増える |
📘 分離レベル(Isolation Level)
| レベル名 |
起こりうる現象 |
| READ UNCOMMITTED |
全部起きる |
| READ COMMITTED |
Dirty Readは防げる |
| REPEATABLE READ |
Phantom以外は防げる |
| SERIALIZABLE |
すべて防げる(最も厳格) |
4. SQL応用(CASE文・サブクエリ)
📘 よく出る構文
SELECT 部署,
COUNT(CASE WHEN 性別 = '男' THEN 1 END) AS 男性数
FROM 社員
GROUP BY 部署;
→ CASE文は条件付き集計でよく使う
📘 サブクエリ
- FROM句に書けば「中間表」
- WHERE句に書けば「フィルタ」
- EXISTS/INなど、存在確認に使うパターンも出題される
5. ビッグデータ/分散処理
| 概念 |
Hadoop |
Spark |
| 特徴 |
バッチ処理、耐障害性 |
インメモリ、超高速 |
| 中核技術 |
MapReduce |
RDD(Resilient Distributed Dataset) |
| 用途 |
データ倉庫、大量ログ処理 |
ストリーミング、機械学習(MLlib) |
✅ 図で覚える:Map→Shuffle→Reduce
6. リレーション演算(関係代数)
📘 基本記号
| 演算名 |
記号 |
操作 |
| 選択 |
σ(シグマ) |
行を絞る(WHERE相当) |
| 射影 |
π(パイ) |
列を絞る(SELECT相当) |
| 結合 |
⨝(ジョイン) |
行をくっつける |
📘 パターン数問題
- 射影:3列から2列選ぶ→3通り
- 行数×列数の感覚を身につける
7. 計算量・理論部分
📘 JOIN処理の計算量
| アルゴリズム |
特徴 |
| ネストループ |
O(n×m) 遅いがシンプル |
| ソートマージ |
ソート後に効率よくJOIN |
| ハッシュJOIN |
同じハッシュ値でバケツに分けて効率JOIN |
📘 組合せ系
- 「3つの項目から2つ選ぶ」=3C2=3通り
- 行数と列数が交差するときは、掛け算 or 順列組合せがベース
🎓 おわりに:点が取れる学習法
- 「用語」を言い換えて説明できるようにする(人に説明するつもりで)
- 「1行1行どうなる?」を想像する練習を繰り返す
- 選択肢が読みにくい問題では「何を聞かれてるか」を1文に要約する
過去問を解くと「知らない用語」より「意味が曖昧な用語」で間違えるケースが多いです。図解と日本語翻訳でしっかり整理して、「理解できる言葉」で知識を再構築していきましょう!