個人開発した2つのAIアプリを並べたら、「現場支援AI」の構想が見えてきた
はじめに
私は現在、本業で物流ドライバーとして働きながら、Pythonを中心にWebアプリケーション開発を学んでいます。
これまで、現場で感じた課題や、自分自身が「あったら便利だ」と思った仕組みを題材に、複数の個人開発を進めてきました。
その中で現在公開している主なアプリが、次の2つです。
- ベーカリー向け売上管理システム
- 公式RSSとAIを活用したニュース要約・分析アプリ「Puoppo」
当初、この2つはそれぞれ独立したアプリとして開発していました。
しかし今回、2つのサービスを1枚の画像に並べてみたことで、これまで別々に考えていた個人開発が、実は同じ方向を向いていることに気づきました。
この記事では、2つのアプリを開発した背景と、そこから見えてきた将来構想について記録します。
開発した2つのAIアプリ
1. ベーカリー売上管理システム
ベーカリー売上管理システムは、日々の売上データを登録し、商品別の売上やランキングを確認できるWebアプリケーションです。
主な機能は次のとおりです。
- 商品登録
- 日次売上入力
- 商品別売上集計
- 売上ランキング
- グラフによる可視化
- AIによる売上改善アドバイス
開発の目的
店舗運営では、日々さまざまな数字が発生します。
しかし、数字を記録するだけでは、次の行動にはつながりません。
たとえば、
- どの商品が実際に売れているのか
- 売上が落ちている商品はどれか
- 売上を伸ばすために何を変更すべきか
- 商品構成や販売方法に改善余地がないか
といった判断が必要になります。
そこで、単なる売上記録ではなく、
売上データを、現場で使える改善案に変換する
ことを目的として開発を進めました。
使用技術
- Python
- Flask
- PostgreSQL
- Gemini API
- Docker
- pytest
- GitHub Actions
- Render
現在は、テストやCI/CDも導入し、機能追加だけでなく、安全に改善を続けられる開発環境の構築にも取り組んでいます。
2. ニュース要約・分析アプリ「Puoppo」
Puoppoは、公式RSSからニュースを取得し、AIを使って要約・分析するWebアプリケーションです。
主な機能は次のとおりです。
- 公式RSSからのニュース取得
- キーワード検索
- ニュース本文の要約
- 複数ニュースの比較
- 情報収集時間の短縮
開発の目的
インターネット上には、毎日大量の情報が公開されています。
しかし、必要な情報を探し、一つずつ記事を読み、内容を整理するには多くの時間が必要です。
特に、仕事や学習と並行して情報収集を行う場合、すべての記事を確認することは現実的ではありません。
そこで、
必要なニュースを集め、短時間で内容を把握できる仕組み
としてPuoppoを開発しました。
Puoppoでは、信頼できる公式RSSを情報源として利用し、取得したニュースをAIで要約・分析します。
単にニュースを一覧表示するだけではなく、ユーザーが内容を判断するための時間を短縮することを目指しています。
2つのアプリを並べて気づいたこと
今回、ベーカリー売上管理システムとPuoppoを、1枚の紹介画像に並べました。
すると、2つのアプリの役割が非常に分かりやすく見えてきました。
ベーカリー売上管理システム
店舗の中で発生しているデータを見るアプリ
売上、商品、ランキング、日次記録など、店舗内部の情報を扱います。
Puoppo
店舗の外で発生している情報を見るアプリ
ニュース、業界動向、制度変更、経済情報など、外部の情報を扱います。
つまり、この2つは次のように整理できます。
| アプリ | 扱う情報 | 目的 |
|---|---|---|
| ベーカリー売上管理システム | 店舗内部の売上データ | 現状把握と改善 |
| Puoppo | 外部のニュースや公開情報 | 情報収集と状況判断 |
これまで別々の個人開発だと思っていましたが、どちらも最終的には、
データや情報を集め、AIで整理し、次の行動につなげる
という同じ目的を持っています。
「店舗の中」と「店舗の外」をつなぐ
店舗経営では、自店舗の売上データだけを見ていても、すべての状況を判断できるわけではありません。
売上には、店舗外部のさまざまな要因が影響します。
たとえば、ベーカリーの場合は次のような情報が考えられます。
- 小麦やバターなどの原材料価格
- 天候
- 地域イベント
- 季節や気温
- 食品業界のトレンド
- 競合店の出店
- 補助金や制度変更
- 消費者の節約傾向
これらの外部情報と、自店舗の売上データを組み合わせることができれば、より具体的な判断が可能になります。
たとえば、将来的には次のような提案が考えられます。
小麦価格の上昇に関するニュースが増えています。
原価率の高い商品の価格設定を確認してください。
明日は降水確率が高いため、来店数の減少が予想されます。
廃棄を抑えるため、製造量を調整する案があります。
地域イベントが予定されています。
持ち帰りやすい商品を通常より多く準備する案があります。
このように、
- 自店舗のデータ
- 外部のニュース
- 天候や地域情報
- AIによる分析
を組み合わせることで、単なる売上管理を超えた、経営判断支援につなげられる可能性があります。
SalesInsight AIという構想
ベーカリー売上管理システムは、当初 sales_data_app という名称で開発を始めました。
開発を進める中で、ベーカリーだけでなく、さまざまな業種に展開できる可能性が見えてきました。
たとえば、
- 居酒屋
- 鉄板焼店
- お好み焼き店
- 魚屋
- 八百屋
- 小売店
- 飲食店
など、商品や画面表示を業種に合わせて変更することで、基本的な仕組みを応用できると考えています。
そこで現在は、将来的なプロジェクト名として、
SalesInsight AI
という名称を構想しています。
SalesInsight AIでは、業種ごとの売上データを分析し、現場で実行できる改善案を提供することを目指します。
さらにPuoppoの情報収集機能と連携できれば、
現場の数字と、世の中の動きを、AIで次の一手へ変える
業務支援プラットフォームへ発展させられる可能性があります。
GitHubとQiitaをつなげる理由
私は、完成したアプリだけでなく、開発の途中経過もGitHubとQiitaで公開しています。
GitHubでは、実際のソースコードや変更履歴を記録しています。
Qiitaでは、実装中に発生した問題や、試行錯誤の過程を文章として残しています。
これまでにも、次のような内容を記事にしてきました。
- Docker環境の構築
- マルチステージビルド
- APIキーの安全な管理
- pytestの導入
- GitHub ActionsによるCI
- Git操作によるヒヤリハット
- 不要コードや依存関係の整理
- 開発環境で発生したエラーの原因調査
これらは、完成した画面だけを見ても伝わりません。
しかし実際の開発では、機能を作ること以上に、
- なぜエラーが発生したのか
- どのように原因を切り分けたのか
- 同じ事故を防ぐため何を変更したのか
- なぜその技術を採用したのか
という過程が重要だと感じています。
そのため、GitHubを成果物の記録、Qiitaを問題解決の記録として活用しています。
個人開発は「点」ではなく「線」になる
個人開発を始めた当初は、1つのアプリを完成させることだけを考えていました。
しかし、学習を続けながら複数のアプリを作ることで、それぞれの経験がつながり始めました。
ベーカリー売上管理システムでは、データ入力、集計、分析、AI提案を学びました。
Puoppoでは、外部情報の取得、RSS、検索、要約、AI分析を学びました。
それぞれのアプリで得た技術や考え方は、別の開発にも応用できます。
今回、2つのアプリを並べた画像を作ったことで、
これまで作ってきたものは、別々の作品ではなく、同じ構想につながる途中段階だった
と気づきました。
個人開発は、1つひとつを見ると小さな点です。
しかし、目的を持って積み重ねることで、やがて線になり、サービス全体の構想へ変化していきます。
現時点では、まだ構想段階
この記事で紹介したSalesInsight AIや、Puoppoとの連携は、現時点では将来構想です。
現在の2つのアプリは、それぞれ独立して動作しています。
まだ実装していない機能を、完成済みであるかのように見せるつもりはありません。
ただし、個人開発では、完成した結果だけでなく、
どの時点で、どのような考えが生まれたのか
を記録することにも意味があると考えています。
今後、構想が変化する可能性もあります。
技術的に難しい部分が見つかるかもしれません。
それでも、この時点で見えた方向性を残しておくことで、後から開発の変化を振り返ることができます。
今後取り組みたいこと
今後は、現在のアプリを安定して改善しながら、次のような機能を検討していきます。
- 業種ごとの画面や商品管理への対応
- ユーザー認証
- ユーザーごとのデータ管理
- 分析履歴の保存
- AI提案機能の改善
- 外部ニュースとの連携
- 天候や地域情報の活用
- スマートフォンでの操作性改善
- テスト範囲の拡大
- セキュリティと運用面の強化
一度にすべてを実装するのではなく、現在動いている機能を壊さないよう、小さく検証しながら進めます。
まとめ
今回、ベーカリー売上管理システムとPuoppoを1枚の画像に並べたことで、2つの個人開発に共通する目的が見えてきました。
ベーカリー売上管理システムは、店舗内部のデータを扱います。
Puoppoは、店舗外部の情報を扱います。
この2つをつなぐことで、
自店舗の数字と外部情報をAIで分析し、現場の次の行動を支援する
という構想が生まれました。
現時点では、まだ独立した2つのアプリです。
しかし、個人開発を継続し、GitHubとQiitaに記録を積み重ねることで、少しずつ構想を形にしていきたいと考えています。
完成した未来を後から説明するのではなく、構想が生まれた瞬間から記録する。
この記事も、その開発記録の一つとして残します。
関連リンク
GitHub
- 🥪ベーカリー売上管理システム
- 🕊️Puoppo
オンラインデモ
- 🥪ベーカリー売上管理システム -Renderデモ
- 🕊️Puoppo -Renderデモ
Qiita




