はじめに
当記事では、UIとしてEclipseベースのツールを使用してz/OSへのアクセスを行い、z/OS上のアプリケーション(主にCOBOL)を開発する流れを試していきたいと思います。
当記事ではz/OS側のコンポーネントはセットアップ済みの想定とし、Eclipse側の操作を中心に記載していきます。
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Eclipse-z/OS連携概要
z/OSを扱うためのクライアントツールとしては、PCOMに代表されるTN3270クライアントが使われます。ブラウザベースのUIが出てきたり、API化なども進んでいますが未だに主流のUIはTN3270(黒背景に緑文字のCUI)だと思われます。
z/OS上のリソースの操作やアプリケーション開発においてEclipseをベースとしたツールも随分前から提供されておりそれぞれ機能拡張も行われています。
z/OS関連のEclipseベースのツールとしては、例えば以下のツールがあります。
- IBM Explorer for z/OS: z/OS基本操作 (以前はz/OS Explorerという名前でした)
- IBM Developer for z/OS: アプリケーション開発
- Wazi Developer for Eclipse: アプリケーション開発(Waziに付属)
- CICS Explorer: CICS管理
- IMS Explorer: IMS管理
- z/OS Connect API Toolkit: z/OS Connectアプリケーション開発
- などなど...
それ以外にも各種ツール関連のPlug-inが提供されていたりします。アプリ開発系のものやミドルウェア管理系のものはIBM Explorer for z/OSがベースとなっており、z/OSへの接続機能(FTPや後述のRSEでの接続機能)やPDSメンバー編集、USSファイル編集、JCLサブミット/JOBLOG確認機能などz/OS Explorerが持っている機能を内包していたりします。
このように、Eclipseというプラットフォーム上でz/OSに関する機能が充実してきているという状況があります。
後続記事では、主にz/OSのアプリケーション開発という観点で主にIDz(IBM Developer for z/OS) もしくは Wazi Developer for Eclipseを中心に試していく予定です。
構成概要
Eclipseベースのツールからz/OSに接続して操作を行う場合、いくつか接続方式があります。1つのツールでも接続方式によってはできる機能や特性などに細かな違いがあります。
z/OSの基本操作を行う場合、FTP, z/OSMF, RSE(Remote System Explorer)という3つのタイプの接続方式があります。以下、z/OS Exporerの接続構成を行うビューの画面例です。
いずれかの接続構成を行って操作することになりますが、主な操作としては以下のような違いがあります。
FTP, z/OSMFでの接続は機能がかなり限定的です。ホスト側でRSE(Remore System Explorer)の構成をする必要がありますが、細かな機能が充実しているので基本的にはRSEを使用するのが望ましいです(後続記事で紹介するアプリ開発機能を使用する場合、RSEでの接続が基本になります)。簡易的にホスト上のリソースを参照したり手っ取り早く修正したいというような場合であればFTP, z/OSMF接続でもOKです。
上で示した機能は追加コスト無しで無償の範囲で利用できます。
IDz(IBM Developer for z/OS) や Wazi Developer for Eclipseなどの有償製品はIBM Explorer for z/OSの機能(接続方式としてはRSE)をベースとしてアプリケーション開発の各種機能を追加提供しているとイメージです。