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ゲームエンジニアが紙ヒコーキワークショップをやってみた

Last updated at Posted at 2017-12-04

はじめに

本記事はサムザップ Advent Calendar 2017の4日目の記事です。

昨日は yos316 さんの【Unity】SimpleAnimationについてでした!

紙ヒコーキワークショップ

kamihikouki_boy.png

きっかけ

社内にプロジェクトマネジメントに関心のあるエンジニアの組織があり
定例回はPMBOKの輪読や各プロジェクトのフローなどを共有、論議をしています。

定例回の他に勉強会やワークショップを開いており、今回の紙ヒコーキワークショップも
スクラムの基本的な流れを体験することを目的に開催されました。

必要なもの

  • メジャー×1
  • マスキングテープ×1
  • ペン×(チーム数)
  • ハサミ×(チーム数)
  • A4用紙×(チーム数)*60

事前準備

  • 紙ヒコーキを飛ばせる広さの会場を抑える
  • 紙ヒコーキを飛ばす場所からメジャーで3mを測ってマスキングテープで目印を付ける
  • 各チームにペンとハサミとA4用紙を配布する

ルール

  • 3m以上飛ぶ紙ヒコーキを沢山作る
  • 3m以上飛んだ紙ヒコーキをカウントする
  • 4つに切ったA4紙(A6紙)を使用する
  • 同じ紙を連続で折ってはいけない(一度折ったら他のメンバーに紙を渡す)
  • ハサミで紙ヒコーキの先端を丸く切る
  • 一度飛ばした紙ヒコーキを再利用してはいけない
  • 各スプリント終了時に作成したものは全て破棄する

進行方法

  • 計画 2分
  • 量産数と実績の予想 30秒
  • 実施 3分
  • 結果の確認 30秒
  • 振り返り 2分

上記を1スプリントとして4スプリント行います。

チーム

1チーム3人~4人

今回は7人だったため全員がジムで体を鍛えているマッスルチーム(3人)と
全員が黒縁メガネを掛けている黒縁メガネチーム(4人)に分かれました。

第1スプリント

計画

マッスル
紙を1枚ずつ切って、切った紙を1枚ずつ時計回りに渡して折る
紙を切る人を1人、紙を折る人を2人にした
黒縁メガネ
2つ折りと3つ折りの紙ヒコーキのパターンを試す
紙を切る人を1人、紙を折る人を2人、紙ヒコーキの先端を切って飛ばす人を1人にした

予想

チーム 量産数予想 実績予想
マッスル 5 5
黒縁メガネ 5 3

実施の結果

チーム 量産数 実績
マッスル 7 0
黒縁メガネ 6 3

振り返り

マッスル
紙ヒコーキを投げることを忘れていた
紙を切るのに意外と時間が掛かることに気付いた
紙ヒコーキの制作工程は問題がなかったように感じた
紙ヒコーキを作るのに掛かるコストが把握出来た
黒縁メガネ
役割分担の結果、手が空いてしまう人が出てしまった
どうなるか予想出来ない状態で計画も段取りもたどたどしかった
予想出来ない分見積りを少なめにした結果、見積り通りになった
最初に色々なアイデアを試すことが出来たのが良かった
2つ折りと3つ折りの紙ヒコーキのパターンを試した結果、2つ折りで充分飛ぶことが分かった

第2スプリント

計画

マッスル
紙ヒコーキを投げることを忘れていたので、時間配分を試すスプリントにする
紙を2枚重ねて切って、1回目と2回目は2枚重ねて折る
紙ヒコーキの先端をまとめて切る
黒縁メガネ
大量に量産するのは難しいため数を絞って品質に注力する
手持ち無沙汰な時間を減らすために手が空いたらとにかく折ることにする
最後に全員で紙ヒコーキを飛ばす

予想

チーム 量産数予想 実績予想
マッスル 7 7
黒縁メガネ 8 6

実施の結果

チーム 量産数 実績
マッスル 7 5
黒縁メガネ 8 7

振り返り

マッスル
更に紙ヒコーキを量産出来ることが分かった
作ることが出来る最大値が把握出来た
紙を切るというボトルネックも把握していたので2枚重ねる工夫をした
結果的に紙ヒコーキの量産数は見積もり通り、実績は未達成だったがメンバーは自信を覚えた
黒縁メガネ
手順の最適化をした結果、手が空くことがなくなった
ある程度の計画と作業工程が見えたので更に正確な見積りをすることが出来た
更に量産数を増やすことと遠くへ飛ばすための議論が出来た
第1スプリントのブラッシュアップをしただけで突飛なアイデアはまだ出ていない
雑に折っても結構飛ぶことが分かった
最後に全員で紙ヒコーキを飛ばすのは良かった

第3スプリント

計画

マッスル
紙を3枚重ねて切って、1回目と2回目は3枚重ねて折る
紙を切るときは2人で紙を重ねて支える人と紙を切る人にした
黒縁メガネ
試しに手で切ってみることにする
3回目まで4枚重ねて折る

予想

チーム 量産数予想 実績予想
マッスル 12 12
黒縁メガネ 12 10

実施の結果

チーム 量産数 実績
マッスル 12 10
黒縁メガネ 11 10

振り返り

マッスル
効率化を図った結果非常に上手く行ったスプリントになった
紙を重ねる方式が成功したので更に改良した、品質も9割成功とまずまずの結果
黒縁メガネ
切った紙を作り過ぎて余ってしまった
2つ折りパターンから外れた仕様通りでないものが出来てしまった
かなり手順が洗練されてきた、手順に余裕が出てきたので早く紙ヒコーキを作るためのアイデアが出てきた
重ねて折ってバラすという突飛なアイデアが出た
突飛なアイデアのフローに慣れておらず紙ヒコーキを量産し過ぎて、飛ばす時間を充分に取ることが出来なかった
紙を手で切っても品質は担保出来ており、何より切るのが速くなった
紙ヒコーキを飛ばすことにそう時間は掛からないことが分かった

第4スプリント

計画

マッスル
紙を4枚重ねて切って、1回目と2回目は4枚重ねて折る
時計回りに渡して折るのをやめて、紙で箱を作る、各自の箱に折った紙ヒコーキを入れていって手が空いている人がどんどん取っていく仕組みにする
黒縁メガネ
1人が作ることの出来る数が見えてきた、1人当たり4機で計16機を量産出来そう
多少雑でも飛ぶことが分かったので量産スピード重視

予想

チーム 量産数予想 実績予想
マッスル 16 16
黒縁メガネ 16 16

実施の結果

チーム 量産数 実績
マッスル 13 7
黒縁メガネ 16 13

振り返り

マッスル
箱を利用するフローに慣れておらず、混乱して効率が落ちた
入れる箱を間違えてしまう、人に直接渡してしまうなど戸惑う場面が多かった
いきなり複数の新しいことに挑戦すると失敗することを実感した
紙を重ねる方式の集大成で16機行けると思いきや連携が取れずに終了、1人しか紙ヒコーキを飛ばすことが出来なかった
黒縁メガネ
最後のスプリントなのでギリギリまでやろうとしてしまった、もっと早く後工程に着手するべきだった
更に分業出来るようになり、想定していた16機を作ることが出来たのは良かった
これまでに出た全てのアイデアとタイムマネジメントの反省を活かして、最も大きく実績を伸ばせた
第5スプリントがあれば更に改善出来る余地があった

感想

  • 短いスプリントを繰り返すことで作業の効率が上がっていくことを体験出来た
  • とても楽しかった、紙ヒコーキを飛ばすだけの作業であったが、これほど学ぶべきことが多いとは思っていなかった
  • 各チームで計画や振り返り方が違うのが面白い、4チームくらいでやれたらもっと面白そう
  • スプリントを繰り返すごとに手順が最適化されて実績が増えていくのが実感出来て楽しかった、自分のプロジェクトメンバーともやりたい
  • 計画と振り返りの大切さを痛感した
  • 紙ヒコーキを作るための紙で箱を作る発想は面白かった、チームメンバーと仲良くなれたので自分のプロジェクトでもやりたい
  • スプリントごとに改善項目を出して、目に見えて実績が向上していくのが爽快だった、「振り返りと改善手法の検討」の重要性をこのミニマムなプロジェクトで再確認出来る良いワークショップだと思った

参考記事

紙ヒコーキワークショップ
紙飛行機をとばそうワークショップ
紙ヒコーキワークショップをやりました

おわりに

今回は紙ヒコーキワークショップを開催しました、紙ヒコーキを作って3m以上飛ばすというミニマムなプロジェクトの中にスクラムの本質があることを実感出来ると思います。

また、今回はルールをシンプルにしましたが、参考記事のワークショップの中には
制限を1つ撤廃出来るルールがあるものもあり、次回開催するときは必ず入れたいと思います。

皆さんも童心に返って本気で紙ヒコーキを飛ばしてみてはいかがでしょうか。

明日のサムザップ Advent Calendar 2017hiroki_shimada さんのAWSをさわってみたのでつまずいた点などをメモです!

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