当記事ではClaude Code 1.0(1.0.65)をプライベートで使ってみた感想をまとめています。ついでに導入手順とかも書き残しておきます。
私は普段あまりAIツールを使いません。調べ物でちょっとChatGPTを使うくらいです。当記事はそういった人間の視点から書かれていることをご了承くださいませ。
あと、記事執筆にあたって用いた環境はWindows 11です。公式サイトなどをざっと見た感じ、Linuxで動かすのが良さそうなのですが環境を立てるのが面倒なのでWindowsでやっています。
Claude Codeとは
Claude Code(クロードコード)はアメリカのIT企業「Anthropic」が開発・公開している、AIを用いてコーディング作業を支援するCUIツールです。
AnthropicはChatGPTの開発元であるOpenAIの元従業員によって設立された企業です。Claude Code以外にもChatGPTのように対話形式でやり取りできる「Claude」というAIも開発しており、Claude CodeのAIにはClaudeが採用されています。
コーディング支援をするだけならばChatGPTなどの対話形式サービスでも可能です。命令を与えて、こちらが望むとおりのソースコードを生成。それをコピペでソースファイルに貼ったり、あるいはファイルとして出力を命じて、こちらで所定のパスに配置するなどです。
Claude Codeはそこから一歩進んで「指示した要件に沿ったプログラムを構成するファイルをローカル環境に生成し、テストし、人間が使える状態にまで自動的に持っていく」ことができるようになっています。これが便利そうなので使ってみました。
導入手順
公式サイトに導入手順がまとめられていますので、いったんこちらを読んでください。
上記手順ではパッケージ「@anthropic-ai/claude-code」をグローバルインストールするように指示されていますが、私はグローバルインストールが嫌いです。よって、ローカルインストールして使い始めましたが、けっきょくグローバルインストールのほうが圧倒的に使いやすかったので途中でグローバルインストールして動かしていました。
Claude Codeをインストールします。
npm install -g @anthropic-ai/claude-code
セットアップの流れ
はじめてClaude Codeを起動するとセットアップが要求されます。
まずはターミナルに表示する文章のスタイルについて聞かれます。選択肢の下にプレビュー画面が出ますので、そこを見ながら各自好みのスタイルを選んでください。ここでは「1. Dark mode」を選んでおきます。
Let's get started.
Choose the text style that looks best with your terminal:
To change this later, run /theme
❯ 1. Dark mode✔
2. Light mode
3. Dark mode (colorblind-friendly)
4. Light mode (colorblind-friendly)
5. Dark mode (ANSI colors only)
6. Light mode (ANSI colors only)
「1. サブスクリプション契約を結んで利用」か「2. APIの使用量に応じた従量課金で利用」のどちらかを選んでくださいと聞かれています。Claude Codeは有料サービスです。より正確にはClaudeの有料版が提供する機能の一環としてClaude Codeがあるので課金を求められています。
どちらが良いのか調べたところAPI使用量に応じた従量課金だと、かなりの金額を請求される恐れがあるとのことだったのでサブスクリプション契約を結ぶことにします。
Claude Code can now be used with your Claude subscription or billed based on API usage through your Console account.
Select login method:
❯ 1. Claude account with subscription
Starting at $20/mo for Pro, $100/mo for Max - Best value, predictable pricing
2. Anthropic Console account
API usage billing
するとブラウザが立ち上がり、以下のような画面が表示されました。中央にある「MaxまたはProにアップグレード」をクリックします。
Claudeのプランは個人向けと組織向けに分かれており、個人向けは「Free」「Pro」「Max」の3つが用意されています。
Claude Codeを使うために必要な有料プランは「Pro」と「Max」ですが、とてもではありませんがMaxを契約することはできません。Proを契約することにします。
Proは月間契約と年間契約のどちらかを選べるようになっています。今回は月間契約を選びます。なお、標準設定では年間契約のほうが選択されていることに注意してください。
そうすると支払い方法・支払い情報入力画面が表示されます。ここでも月間契約にするか、年間契約にするかを選べるようになっていますので契約方法を再確認して契約します。
契約が済みましたのでコンソールのほうに戻ると最後に操作したときと表示が変わっていました。「Claude Codeを始めたいならば承認コードを打ち込んでください」という旨のプロンプトとともに、「ブラウザでサインインしてください」というリンクが貼られています。
私個人用と思われるリンクっぽいので記事には載せられませんが、そのリンクへ飛んでみると「あなたのClaudeアカウントとClaude Codeを紐づけてよいですか?」というメッセージとともに「承認」「拒否」というボタンが表示されていました。
「承認」をクリックすると、今度は画面に認証コードが表示されます。
この認証コードをコピーして、コンソールのプロンプト部分に打ち込むとClaude Code利用開始の承認が通ったらしく、コンソールが以下のようになりました。
選択肢かと思ったのですが、どうやら注意書きのようです。「Claudeは常に正しい回答をするわけではないので、特にコードを実行する前には注意してください」と「プロンプトインジェクションに注意してください」とのことです。Enterキーを押して次に進みます。
╭──────────────────────────╮
│ ✻ Welcome to Claude Code │
╰──────────────────────────╯
Security notes:
1. Claude can make mistakes
You should always review Claude's responses, especially when
running code.
2. Due to prompt injection risks, only use it with code you trust
For more details see:
https://docs.anthropic.com/s/claude-code-security
Press Enter to continue…
今度は選択肢です。Claude Codeの操作について、推奨設定を適用するかどうか聞かれています。「/terminal-setup」というファイル(?)をいじることで、後からでもそのあたりを弄れるようでスキップしても良かったのですが、とりあえず「1. Yes, use recommended settings」を選んでおきます。
╭──────────────────────────╮
│ ✻ Welcome to Claude Code │
╰──────────────────────────╯
Use Claude Code's terminal setup?
For the optimal coding experience, enable the recommended settings
for your terminal: Shift+Enter for newlines
❯ 1. Yes, use recommended settings
2. No, maybe later with /terminal-setup
Enter to confirm · Esc to skip
すると今度は「Claude Codeを適用するプロジェクトディレクトリを信用してよいか?」と聞かれます。要するに、Claude Codeがプロジェクトディレクトリ内のファイルを実行したりする権限を与えるかどうかですね。「1. Yes, proceed」を選びます。
╭────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────╮
│ │
│ Do you trust the files in this folder? │
│ │
│ C:\claude-code\sample-project-1 │
│ │
│ Claude Code may read files in this folder. Reading untrusted files may lead Claude Code to behave in unexpected ways. │
│ │
│ With your permission Claude Code may execute files in this folder. Executing untrusted code is unsafe. │
│ │
│ https://docs.anthropic.com/s/claude-code-security │
│ │
│ ❯ 1. Yes, proceed │
│ 2. No, exit │
│ │
╰────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────╯
Enter to confirm · Esc to exit
これでセットアップは完了のようです。Enterキーを押します。
╭─────────────────────────────────────────────────────────────────────╮
│ * Welcome to Claude Code! │
│ │
│ /help for help, /status for your current setup │
│ │
│ cwd: │
│ C:\claude-code\sample-project-1 │
╰─────────────────────────────────────────────────────────────────────╯
Tips for getting started:
1. Ask Claude to create a new app or clone a repository
2. Use Claude to help with file analysis, editing, bash commands and git
3. Be as specific as you would with another engineer for the best results
4. ✔ Run /terminal-setup to set up terminal integration
※ Tip: Start with small features or bug fixes, tell Claude to propose a plan, and verify its suggested edits
╭────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────╮
│ * Welcome to Claude Code for VS Code │
│ installed extension v1.0.65 │
│ │
│ • Claude has context of ⧉ open files and ⧉ selected lines │
│ │
│ • Review Claude Code's changes +11 -22 in the comfort of your IDE │
│ │
│ • Cmd+Esc for Quick Launch │
│ │
│ • Ctrl+Alt+K to reference files or lines in your input │
╰────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────╯
Press Enter to continue
操作方法
Claude Codeの操作方法を解説します。
Claude Codeの操作画面は以下のような感じです。冒頭にClaude Codeが起動したことを表すメッセージ。次に簡単な操作説明。最後にプロンプト入力欄です。
╭────────────────────────────────────────────────────╮
│ * Welcome to Claude Code! │
│ │
│ /help for help, /status for your current setup │
│ │
│ cwd: │
│ C:\claude-code\sample-project-1 │
╰────────────────────────────────────────────────────╯
Tips for getting started:
1. Run /init to create a CLAUDE.md file with instructions for Claude
2. Use Claude to help with file analysis, editing, bash commands and git
3. Be as specific as you would with another engineer for the best results
4. ✔ Run /terminal-setup to set up terminal integration
╭────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────╮
│ > Try "edit <filepath> to..." │
╰────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────╯
? for shortcuts
プロンプト入力欄に、やりたいことを打ち込むと対話的にやり取りが始まり、あとは適宜ソースファイルを作ってくれたり、テストしてくれたりします。
ただ、問題があります。日本語入力がしにくいのです。明らかに英語入力を前提とした作りになっています。
ちょっと我慢すればよいというレベルではないので、先人達はどうしているのかと調べたところ良い記事を見つけました。
上記記事の執筆者様も私と同じ問題に苦しめられていたようです。そして、その解決策としてClaude Codeに与えたい命令を記述したテキストファイルを用意し、それを @ から始まるショートカット操作で参照するように命じるというものです。
プロジェクトディレクトリの最上位階層に PROMPT.md みたいなファイルを配置し、そのなかに命令を記述。そしてClaude Codeのプロンプト欄に @PROMPT.md と打つことで読みに行ってくれるわけです。2回目以降はプロンプト欄で↑キーを押すだけで過去命令を出してくれるのでパパッとやり取りできます。
これが本当に革命的で、この操作を知ってからはClaude Codeがものすごく使いやすくなりました。以下のとおり、他にもショートカット操作はあるようです。
ローカル環境操作承認と操作範囲の注意
Claude Codeはローカルにソースファイルなどを生成する関係で、ユーザーからローカル環境への操作承認をもらわないと動けません。初めてClaude Codeに読ませるプロジェクトだと、ローカル環境を触る前に許可を求められますので承認しましょう。
ただ、操作範囲が広いと何するかわからなくて怖いので、消されたり変更されたりしたくないファイルが置かれているプロジェクトをClaude Codeに任せるのはちょっと怖い印象です。
個人的にはプロジェクトディレクトリは別途用意し、その中身をコピーしたClaude Code操作用ディレクトリを用意して、そちらを操作させるようにしたほうが良いように思います。プログラムが完成したら差分を確認して、本当のプロジェクトディレクトリに反映させるみたいな運用がベターと考えます。
使ってみた感想
Claude Codeは、いったん結んだ1ヶ月間のPro契約のあいだだけ使いました。
使ってみた感想ですが「まぁ、悪くないけれど……」という感じです。使いこなすことができたら、ものすごく便利なツールになると思うのですが、今の私にはひとまず不要と判断しました。
使ってみた感想などを以下に列挙して当記事は締めたいと思います。
プロジェクト内のソースコードを参照するのが偉い
Claude Code最大の強みはソースを自動生成すること……ではなく、プロジェクトディレクトリ内のファイル等を参照して必要な行動をとることだと感じました。
たんにソースを生成するだけならばClaudeでもできます。しかし、現在の実装内容などをもとにソースを作ったり、修正させたりするのはまさにClaude Codeの強みだと思います。
テストが一部動作しない
Claude Codeはテストまでやってくれるとのことだったのですが、一部のプログラムではエラーが出てテストをしてくれませんでした。テストは私自身の手でやりたかったので、別にかまわないのですが、まだ未成熟なのかもしれないと感じました。
あと、テストをやってくれたプログラムもあるのですが、そちらは正常にテストしたと言っていながら動かすと普通に実行時エラーを吐きました。まぁ、まだバージョン1.0ですから、これからドンドン改良されていくでしょう。
コードが読みにくい
コードが読みにくいです。コメントとかは付けてくれているのですが、普通に読みにくいです。
ただ、Claude Codeで作ったコードは人間が読むのを前提になっていないかもしれないので、ここは別に気にしなくてよいのかもしれません。
部分的な実装への利用に留めたほうがよいかも
コードが読みにくいという問題やローカル環境を触らせるリスクなどを考えると、あるプログラム全体を任せるのではなく、部分的な利用に留めたほうが良いのかなと感じました。
たとえば、プログラムの基本的な部分・最上層の部分は人間が実装します。そして、メインとなる処理・実装が難しい処理を1つのモジュールなどに集約させる構造にして、そのモジュールをエントリポイントから読み込んで利用するようにします。
あとはClaude Codeに「○○ということをするプログラムを実装してください。ただし、モジュール a のなかのみ操作することを許可します。 a だけでは実装困難なばあいは教えてください」みたいに命じるのが良い気がしています。人間が担当する範囲とClaude Codeが担当する範囲をきっちり分けるのです。
学習には向かない
学習用途で触るツールではないと感じました。Claude Codeに作らせたいプログラムは自分で実装できるがClaude Codeに任せることで時短を狙う、という使い方が良いと感じました。
私の最初の印象では、Claude Codeは非ITエンジニア向きのツールだと捉えていたのですが逆でしたね。ベテランITエンジニアが「AI部下」みたいに使うのが適当なのだと思います。実際、どこかのClaude Code感想記事で「プログラムをいくつかの範囲に分け、各範囲ごとにClaude Codeを複数立てて実装・テストをやらせています」みたいなのを見かけましたが、そういう使い方が現状のベストだと感じました。
もっと進化していけば1から10までClaude Codeに任せられる日が来るかもしれません。

