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グラフィックレコーディングが社内の共通言語になるまで

Last updated at Posted at 2018-12-13

NTTコミュニケーションズアドベントカレンダー 13日目です。

デジタル・カイゼン・デザイン室(社内では、DKDと呼ばれてます)で、ユーザビリティテストのスペシャリストとして、ウェブサイトやリーフレットのカイゼンを主に担当している、そうとめです。そんな私が、NTTグループの仲間とともに、グラフィックレコーディング(以下、グラレコ)を社内言語として定着させた経緯とビジュアルコミュニケーション研修について、お伝えしていこうと思います。

グラフィックレコーディング

 グラレコは、メンバー自身が発表内容を聞きながら、リアルタイムで整理構造化し、グラフィックとテキストで可視化表現するものです。グラフィックで表現することで、聴衆の理解をより直感的に、より深くすることができます。さらに、グラレコは、発表中に参加者の方が発表内容を確認するために利用されるだけでなく、発表後も、参加者の振り返りや、参加していない方への情報共有としても利用されます。最近は、いろいろなイベントでグラレコを見る機会も増えてきていますね。

NTTグループでのグラレコ活動

2017年4月にNGRA(NTTグループメンバーによるグラレコ隊 NTT Graphic Recording Association)始まる

いつからNTTグループメンバーでグラレコをやろう!となったのかはメンバーも覚えていないのですが、記念すべきグラレコ勉強会第1回目の様子は2017.4に開催されていました。ここから、NTTグループでデザインに関心のあるメンバーが集うICTデザイン勉強会などでグラレコを描くことが定例になりました。

NTT Tech Conference #2の基調講演グラレコがNGRA活動の加速に

DKDのメンバーから、NTT Tech Conference #2(NTTグループのソフトウェアエンジニアたちが一堂に会し、NTTグループ内外のエンジニアたちと技術交流を行うためのカンファレンス)でグラレコしたらどうかな?と誘われたのがきっかけで、社外イベントで初グラレコすることが決まりました。エンジニアがガチで技術を語り合う場でのグラレコは、専門的な技術用語が高速に湧き出てくる場だったこともあり、メンバーの戸惑いもかなりありましたが、貴重な経験を得ることができました。
NTT Tech Conference #2の基調講演のグラレコ
このカンファレンスの基調講演でグラレコの対象となったのが、経営企画部長で、グラレコがとても良いと気に入ってくださり、後日、年末の第17回優良カイゼン事例発表会で描いたらどうかと事務局に進言して頂いたことが、今後の飛躍となる大きなチャンスに恵まれることとなります。

第17回優良カイゼン事例発表会で、グラレコの社内認知度一気に上がる

第17回優良カイゼン事例発表会(全国予選を勝ち抜いた優れたカイゼンなどの成果を発表する社内でも大規模なイベント)でのグラレコ。メインホールで行われる36チームの発表(1チームあたり10分)を対象とすることにしました。発表までの大変な準備を経て当日会場にきている発表者の方々に喜んでもらえて、参加者があっと驚くようなものにしたいということで、スチレンボードとイーゼルをそろえてアート感がでるような感じに仕立てました。(※社外秘情報が描かれているのでグラレコはぼかしてあります)
第17回優良カイゼン事例発表会全グラレコ前でのメンバーによる記念写真
写真左から順に、古林さん(発表会当時NTT com所属)・本園さん(NTTテレコン)・そうとめ:筆者(NTT com)・斉藤さん(NTT com)・齋藤さん(NTTテクノクロス)・山口さん(NTTコムウェア)

参加者からは、初めてグラレコを見ることへの驚きとともに、NTTグループの社員がリアルタイムで発表内容を描いているということへの驚きも感じられました。終わりの挨拶で幹部から、来年もやって欲しいと感想の言葉を頂けたこと、発表者から、発表の記念にグラレコを送って欲しいと言われたことは、私たちにとっての驚きでした。さらに、発表会後に総務の特別な許可を頂き、グラレコを本社内社員通用口付近などに2週間展示した結果、興味を持った方から問い合わせを受けることも多くなってきました。振り返ってみると、グラレコが社内用語として定着したイベントは、このカイゼン発表会だったことは間違いありません。

NTT com forum 2018での取り組み

上記発表会に引き続き、NTTドコモ・ベンチャーズ DAY 2018、NTTドコモ2030ビジョン策定ワークショップ、はぐラボとのコラボNTT Tech Conference #3、NTT EV研のスポーツライブビューなど、NGRAとして描き続けてきました。そして、NTT comとして最大のイベントとなるNTT Com Forum2018でのグラレコとなります。デジタルトランスフォーメーションをテーマにイベントを統括する広報室や事務局の方と、アナログなグラレコを展示することの意味について話し合いを繰り返した結果、フォーラムの展示入り口を華やかに飾り、基調講演やエバンジェリストのセミナーというメインイベントを端的に分かりやすくお客さまに伝えるグラレコとなりました。
フォーラム開催時
フォーラム終了後の社内展示
本社日比谷ビルの職員通用口付近に飾られ、足をとめてみる姿も多く見られました。

2018年3月からビジュアルコミュニケーション研修開始

グラレコが社内でも共通言語となってくると、研修をやってもらえないかという依頼も頂くようになりました。研修を企画する側のメンバーと研修の目的について意識合わせした結果、「日頃の業務で何らか絵を活用し、お客さまとのエンゲージメント促進をはかる」に設定することになりました。そのため、講演やミーティングの内容を整理し、記録的な意味合いが強いグラレコではなく、可視化した内容をもとに、お客さまや社員同士のコミュニケーションを促進するという意味をこめ、ビジュアルコミュニケーション研修として実施することになりました。研修のカリキュラム概要は、以下のようになっています。
 1)ビジュアルコミュニケーション講義
 2)グラレコ基礎
 3)インタビュー(お客さまとのやりとり)でのビジュアルコミュニケーション実践
これまで、社内外含め、180名弱方に受講して頂いております。

エンジニアな方にもビジュアルコミュニケーションは使えるツール

開発の場でも、ビジュアルコミュニケーションを活用することができます。例えば、想定ユーザへのインタビューやユーザーテスト、開発メンバー間の意識合わせ、開発ベンダーとの仕様検討などの場が考えられます。今年は、NTT Tech Conference #3でグラレコだけでなく、ビジュアルコミュニケーションのワークショップを、DKDな斉藤さんとともに実践させています。

私たちがビジュアルコミュニケーション目指しているゴールは、テキストの中に、注目を置かれるようなグラフィックを少し配置していくものです。
ビジュアルコミュニケーション
これは、リーフレットをカイゼンするためのミーティングで私が実際にホワイトボードに描いたものです。カイゼン後のリーフレットに記載すべき内容について、参加したメンバーにお客さまの利用想定シーンについてヒアリングしながら描いたものです。もちろん、これが議事録がわりにもなるので、後から作成する手間も省けるという利点もあります。是非、ミーティングの場にホワイトボード・紙とサインペンがあったら、描いてみることをオススメします。繰り返し描く経験を重ねていくことで、身についていくような気がしています。

さいごに

NGRAの活動はこれからも続きます。NTTテクノクロスフェア 2018では、TX PHOENIX(NTTテクノクロスのグラレコ隊)がイベントデビューしました。来週12/20に行われる、第18回優良カイゼン発表会でもNGRAとコラボして描くことになっていて、私たちは、今その準備の真っ最中です。発表会の場で参加者の方がグラレコを見て笑顔になるようなグラレコを描きたいと思っています。
NTTグループの方で、NGRAに興味のある方がいたら、是非お声かけください。皆さんと一緒に描くのを楽しみにしています。

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