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RubyMineでJunie AIエージェントを使ってみた!GPT-5 にも対応しつつ自主的に品質を担保

Last updated at Posted at 2025-08-16

Junie_RubyMine_AI駆動開発.png

こんにちは、とまだです。

最近、Claude CodeCursor, GitHub CopilotCline などなど、色んな AI エージェントツールが登場していますよね。

私は普段、Claude Code をメインに使っており、記事にさせていただきました。

そんな中、縁があって JetBrains 社のマーケティング担当の方にお声がけいただき、JetBrains 社の AI エージェント Junie を試させていただくことなりました。

image.png

Ruby on Rails の現場では VS Code よりも RubyMine での開発がお気に入りだったので、個人的には馴染みが深いエディタです。

それがいつの間にか、自前の AI エージェントが組み込まれていたとのことで、進化の早さを感じます。

今回は実際に既存のRailsアプリに、Junieを使って機能追加してみた様子を紹介します!

  • ※1: 案件や宣伝目的ではないので、忖度なしで書かせてもらってます。
  • ※2: 筆者の推測や個人的な感想を含んでおります。ご了承ください。

忙しい人のための要約

  • 最新モデルであるGPT-5がデフォルトで使える
  • 事前準備なしで高品質な実装 という手軽さ(個人の感想)
  • エディタ内に使い方のガイドまで組み込まれているのでAI駆動開発がはじめてでも安心
  • 日本語の情報が公式、非公式どちらも少ないのでこれからに期待

(追記):動画版も出しました!イメージを掴みたい方はこちらがおすすめです。

Junieとは?ドキュメントから読み解く特徴

自律型AIコーディングエージェント

JunieはJetBrainsが開発した自律型AIコーディングエージェントです。

公式ドキュメントから抜粋すると、Junieは以下のような特徴を持っているそうです。

  • プロジェクトのコンテキストと構造を理解して自律的にタスクを実行
  • コードの分析と検索により関連情報を見つける
  • IDE検査とチェックを使用してコード編集を実施
  • コードとテストを実行して警告やエラーを削減
  • 変更後にプロジェクトの状態とテスト結果を検証

対応IDE

執筆している2025年8月現在、以下のJetBrains IDEで利用可能です。

  • IntelliJ IDEA
  • PyCharm Pro
  • WebStorm
  • GoLand
  • PhpStorm
  • RubyMine
  • RustRover
  • Android Studio

image.png

AI Assistantとの違い

JetBrains 社の IDE には AI Assistant という機能もあります。

公式の説明を要約すると、以下のような機能を提供しています。

  • AIチャットツールウィンドウ
  • エディタ内でのAIコード補完
  • コンテキストアクションの提供

一方、Junieの主な違いは「自律性のレベル」がポイントのようです。

  • ユーザーのプロンプトに基づいて複雑な複数ステップのアクションを自律的に計画・実行
  • プロジェクトへの大規模な編集を導入
  • テストやターミナルコマンドの実行
  • タスク完了の進捗をユーザーに報告

動作モードの特徴

Junieには2つの動作モードがあります。

Codeモード

  • 実際にファイルを変更する
  • プロジェクトを探索し、タスクを複数ステップの計画に分解
  • ディレクトリ構造を横断し、関連ファイルを特定・編集
  • ターミナルコマンドの実行、テストの実行と検証

Askモード

  • 読み取り専用で動作
  • ファイルの探索、コード分析、プロジェクト構造の理解
  • 実際の変更は行わない
  • 質問への回答、計画の協議、機能改善のブレインストーミング

事前に Ask モードで計画を立て、それに基づいて Code モードで実装というのが賢い使い方かと思います。

image.png

ライセンス体系

JetBrains AIライセンスは3つのティアで提供されています。

  • AI Free:30日間のAI Proトライアル付き、基本的なコード補完機能
  • AI Pro(月額$10):Junie機能を含む拡張機能
  • AI Ultimate(月額$30):最大のクォータ制限

image.png

重要な点として、OpenAIやAnthropicのAPIキーは不要で、JetBrainsが独自にLLMアクセスを管理しています。

ライセンスさえあれば使えるので、使用料を気にしなくていいのはメリットです。

では、事前情報を紹介したところで、実際に使ってみた感想などをお伝えしていきます。

最強モデルGPT-5がデフォルトで使える

Junieの設定画面を開いてみると、モデル選択の部分にGPT-5が表示されていました。

image.png

この撮影をしている時点ですとGPT-5は発表されたばかりの最新モデルですが、これをデフォルトで使えるようになっています。

かなり複雑な問題についても適用できるモデルとして最近注目を集めていますので、それがデフォルトで利用できるのは嬉しいですね。

Claude OpusはありませんでしたがGPT-5があるなら十分です。

最新のAIモデルを追加費用なしで使えるのは、かなり大きなアドバンテージだと感じました。

「適当な指示」でも自主的に品質の担保を頑張る良い子

テストを勝手に書いて実行してくれる

最も驚いたのは、特に指示していないのにテストを自動で実行していたことです。

コメントのバリデーション機能を追加する際、Junieは以下の流れで作業を進めていました。

  1. コメントモデルにバリデーションを追加
  2. RSpecテストを自動生成
  3. bundle exec rspecを自動実行
  4. テストが失敗したら修正
  5. 再度テストを実行して成功を確認

他のAIエージェントだと「ガンガン実装だけを進めて」テストは後回しになりがちですが、Junieは品質を最優先に考えているようです。

曖昧な指示でも的確に実装

次に試したのが、わざと曖昧な指示を出してみることでした。

何か見た目が派手な機能を追加してください

こんな雑な指示に対して、Junieは以下のように対応してくれます。

  • 既存仕様を崩さないという制約を自分で設定
  • フロントエンド中心の実装という方針を決定
  • 具体的な実装内容を提案
    • オーロラグラデーションのヘッダー背景
    • 投稿成功時の紙吹雪アニメーション
    • トースト通知

実際の提案内容がこちらです。

image.png

そして実装後、サーバー側もフロントエンド側もエラーなく一発で動作しました。

image.png

こういったフロントエンドのところって1発目はエラーが出ることが多かったりするんですけれども、サーバー側のエラーも含めて何も問題がなかったです。

また、地味に良いなと思ったのは、いきなり複雑な実装を進めようとせず、最小の変更をまずは提案してくれる ことです。

どんどんライブラリを追加したり、機能変更を推進しまくる Claude Code と比べると、より現場目線と言いますが、現実的なラインから始めてくれています。

「適当に指示を出していつの間にか壊れてしまう」ということも少ないので、むしろ初心者こそ安全に開発を進められる印象です。

処理速度も想像以上に速い

実装中の画面を見ていて気づいたのが、複数のタスクを同時に処理していることでした。

気になるのはこちら。Junieのアイコンがそれぞれ複数同時に付いていたことです。

image.png

想像ですが、同時に複数のタスクを進めているか、もしくは内部的に準備をしてくれているのかもしれません。

また、事前情報で X や Youtube などで調べていた際「Junieは他のAIと比べると遅い」と聞いていたんですが、実際の体感は全く違いました。

使用するモデル(GPT-5)の性能もあるかもしれませんが、品質と速度のバランスがいい感じだと思います。

プロジェクト理解力の高さ

1分でプロジェクト全体を分析

最初にAskモードで「このプロジェクトの概要について調べてください」と指示したところ、わずか1分で以下をまとめてくれました。

image.png

  • TechLogという技術ブログ風アプリケーション
  • 認証機能、投稿機能、コメント機能の実装状況
  • User、Post、Commentモデルの構成
  • 使用している技術スタック(Rails、PostgreSQL、RSpec)

新規メンバーがプロジェクトに参加する際、こうした概要があるとスムーズに理解できますね。

また、UIから「常に参照する指示書」を一発で作成することもできます。

image.png

これが毎回、Junie が動く際に読み込まれることになります。

Claude Code における CLAUDE.md のような、メモリファイル的存在のようです。

image.png

Ruby on Railsに特化した理解

プロジェクトのガイドラインファイルを自動生成してもらった際、Rails開発に特化した内容になっていたのも印象的でした。

  • プロジェクトの全体像
  • モデルとその関係性
  • コントローラーとルーティング情報
  • Gemfileの内容

まさにRuby開発者が知りたい情報を的確にまとめてくれていましたので、このあたりは言語特化型 IDE の強みだなーと感じます。

オフラインモードにも対応(未検証)

金融系など、セキュリティが厳しい開発現場だと、外部の LLM を使えないなんてことはザラだと聞いています。

中には、開発用のPCからインターネットに接続できないなんてこともあるようです。

そんな中、こちらの AI アシスタントでは オフラインモード 機能がありました。

image.png

現時点だと Junie で詳しいドキュメントは見つけられませんでしたが、ローカルモデルにも対応しているようです。

image.png

ローカルでLLMは設定していないので試しませんでしたが、これを使えるならセキュリティに厳しい現場にも光明が見えるのではないでしょうか?

知識は必要となりますが、エディタ自体とシームレスに連携できるのもいいですね。

もう少し細かい使い方

その他、細かい話にはなってしまうのですが、せっかくなのでもう少し紹介しておきます。

Braveモードで高速開発

Braveモードを有効にすることで、確認なしで以下を自動実行してくれます。

  • ファイルの作成・編集
  • ターミナルコマンドの実行
  • テストの実行
  • マイグレーションの実行

image.png

個人開発であれば、これらを使ってサクサク進めてみてもいいかもしれませんね。

ただし、チーム開発など大事な環境ではBraveモードはオフにして、Action Allowlistで許可・不許可を明確に設定することをおすすめします。

Claude Code における claude --dangerously-skip-permissions コマンドみたいなものですね。

Think Moreモードで深く考えてもらう

「Think More」ボタンを有効にすると、じっくりと考えて提案してくれます。

image.png

実際に「簡単にできる機能追加を何か提案してください」と聞いたところ、優先度付きで以下のような提案をしてくれました。

  • 優先度高:コメントのバリデーション、N+1問題対策
  • 優先度中:文字数カウンター、削除時の確認ダイアログ

それぞれに具体的な実装方法まで提案してくれたのが良かったです。

もちろん時間は多くかかるのですが、大規模な実装を行うときほど、使えそうです。

MCP サーバともスムーズに連携

最近、流行っている MCP サーバにも対応しているようです。

IDEからそのまま設定ファイルを編集できるのも地味にポイントが高いです。

image.png

わからなければエディタ内でチュートリアルを見る

これは厳密には Junie の機能ではないと思うのですが [AI アシスタント] > [機能の紹介] と進むと、このようにエディタ内で「できること」や、必要なコマンドを紹介してくれています。

image.png

image.png

多くの AI エージェントツールだと「何ができるか分からないまま使ってみる」ことが多いのではないでしょうか。

その点、エディタ内で完結するサポートがついていますので、はじめて AI 付きで開発をする方にも安心だと思います。

地味にアニメーション画像がついているのも助かります。

image.png

補完できる場面でも、押すべきキーやコマンドを示してくれます。

便利ツールがあってもコマンドを覚えられない人間なので、こういうのはすごくポイントが高いです。

image.png

気になるところ:まだ情報が少ない

Claude Code や Cursor など、他の AI エージェントツールは色んな人が試しているので、Qiita や Zenn など、日本語を含め情報が充実しています。

それは、ターミナルや拡張機能経由で使えたり、人気の VS Code をベースにしているという「試しやすさ」も要因だと思います。

一方、Junie は JetBrains 社の IDE で使えるものですので、利用者が限定されています。

そのためか、使う前に調べた段階では「使ってみた!」系の情報が残念ながら少なめでした。
(だからこそ私にもお声がけいただいたのかもしれませんが)

とはいえ、実際に使ってみるとコード品質の高さやスピード、そして AI ツール利用へのサポートなど、意外と「とっつきやすかった」という感想を持ちました。

IDE ライセンス自体は月額10ドルぐらいから使えますし、Junie の利用も1ヶ月は無料で試せるので意外と気軽のようです。

image.png

image.png

余談

余談1: 他のJetBrains IDEも試してみたい

恥ずかしながら今日まで知らなかったのですが、WebStorm という、JavaScript / TypeScript 向け IDE もあるようです。

最近、個人開発では TypeScript で React や Next.js を書くことが多いので、こちらも試してみようと思ってます。

Junie のライセンスは IDE 間で使いまわせるので、そういった意味ではお得ですね。

image.png

余談2: Junie on GitHub でチケット駆動開発もスムーズに?

実は、Junie と GitHub 上で連携し、開発してくれるというシステムもあるそうです。

image.png

色んなターミナルや IDE で同時並行開発をしていると混乱してくるので、GitHub 上で完結するのは興味深いところです。

現状だと、waitlist に登録しておき、順番がきたら使える形ですね。

waitlist の順番がきたらこちらも試してみようと思ってます!

image.png

余談3: Claude Codeとの比較

普段、私は Claude Code をメインで使っているので、そちらとの違いを正直ベースでお伝えします。
(繰り返しになりますが個人の感想です)

Claude Code の方が良いところ

  • Claude のサブスクがあればその延長で使える(=専用ライセンスが不要)
  • 利用している IDE を選ばないし、ターミナルからでも使える
  • 利用者が多い分、日本語での情報も多い
  • カスタムコマンドなど、カスタマイズ性が高い

=> 総評:色んな環境で AI を使い倒すなら万能性、カスタマイズ性で Claude Code がおすすめ

Junie の方が良いところ

  • IDE 内のヘルプが豊富なのではじめてでもわかりやすい
  • 適当な指示でもテストまで自主的に書いてくれる品質の高さ
  • ローカルLLM でオフラインモードでも使える(ニッチ)

=> 総評: JetBrains IDE 利用者が「まずAIを試したい」なら Junie がおすすめ

まとめ

Junie AIを使って既存のRailsプロジェクトをカスタマイズしてみましたが、適当に使っても品質が高いという点では導入をしやすいと感じました。

普段JetBrainsのIDEを使っている方で、品質の高いコードを効率的に生成したいなら、Junieは試す価値があります。

特に、現場で既にJetBrainsのIDEを使っていて、チームにAIツールをこれから導入するなら、手軽さの点ではベストな選択肢だと思います。

X(Twitter)でもAI駆動開発の様子を発信しているので、よかったらフォローをお願いします!

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