こんにちは、とまだです。
Claude Code でコードを書いていて、「セキュリティ的に大丈夫かな?」とか「もっとパフォーマンス改善できないかな?」と悩んだことはありませんか?
最近話題の SuperClaude というフレームワークを使ってみたところ、コード品質の改善がとても楽になったので紹介します。
(追記:実践編はこちら)
忙しい人のために要約
- SuperClaude は Claude Code を拡張する無料のオープンソースツール
- 専門家ペルソナが自動的に登場して最適な支援をしてくれる
- 16個の高品質なカスタムコマンドがすぐに使える
- コード分析で品質を数値化、改善前後の効果が明確に分かる
- インストールは1分で完了、アンインストールも簡単
(追記:動画版も公開しました!)
SuperClaude とは?
SuperClaude は Claude Code の開発体験を向上させるフレームワークです。
通常の Claude Code だと、セキュリティチェックやパフォーマンス改善を依頼しても、どこまで網羅的にチェックしてくれているか分かりづらいですよね。
SuperClaude を導入すると、専門家が自動的に登場して適切な観点でコードをチェックしてくれます。
料理に例えると、普通の Claude Code が一般的な料理人だとしたら、SuperClaude は和食職人、フレンチシェフ、パティシエが必要に応じて登場してくれるようなイメージです。
SuperClaude のすごいところ
1. ペルソナによる専門的な支援
SuperClaude には11種類の専門家ペルソナが用意されています。
例:
- 🛡️ security - セキュリティの脆弱性をチェック
- ⚡ performance - パフォーマンスのボトルネックを特定
- 🏗️ architect - システム設計の観点で改善提案
これらのペルソナは、作業内容に応じて自動的に選択されます。
「auth.js を分析して」と伝えると、セキュリティエキスパートが自動的に登場。
React コンポーネントを作成すると、フロントエンドスペシャリストが支援。
専門家チームと一緒に開発しているような体験ができます。
他のペルソナについては、記事の最後の方で詳しく解説します。
2. 実用的なカスタムコマンド
16個のカスタムコマンドがすぐに使えます。
よく使うコマンド:
-
/sc:analyze
- コードの品質・セキュリティ・パフォーマンスを分析 -
/sc:improve
- コードの自動改善 -
/sc:troubleshoot
- 問題の体系的な調査
これらのコマンドには適切なペルソナが自動的に割り当てられるので、どのペルソナを使うか悩む必要はありません。
他のコマンドについては、記事の最後の方で詳しく解説します。
ちなみに、コマンドについては別記事でも詳しく解説しています。
3. 改善効果の可視化
分析結果が数値で表示されるのが特に便利です。
| カテゴリ | スコア | ステータス |
|-------------|--------|-----------|
| 型安全性 | 100% | ✅ 優秀 |
| コード品質 | 75% | ⚠️ 良好 |
| セキュリティ | 85% | ✅ 良好 |
| パフォーマンス | 70% | ⚠️ 要改善 |
| アーキテクチャ | 60% | 🔴 重要 |
どこを優先的に改善すべきか一目瞭然ですね。
実際に使ってみる
インストール手順
Python のパッケージマネージャー uv
を使用します。
# uvのインストール(まだの場合)
curl -Ls https://astral.sh/uv/install.sh | sh
# 仮想環境の作成
uv venv
source .venv/bin/activate
# SuperClaudeのインストール
uv pip install SuperClaude
# フレームワークの設定
python3 -m SuperClaude install
インストール時に「Quick Installation(推奨)」を選択すれば、1分程度で完了します。
既存の設定は自動的にバックアップされるので安心です。
コード分析を実行してみる
実際のプロジェクトで /sc:analyze
コマンドを試してみました。
今回はプロジェクト内の src/app/coupons/
というディレクトリ内を分析してみます。
/sc:analyze src/app/coupons/
このコマンド一つで、以下の観点で分析が実行されます。
- コード品質 - 重複コード、エラーハンドリングの不足
- セキュリティ - XSSリスク、入力検証の欠如
- パフォーマンス - 冗長なデータ取得、画像最適化
- アーキテクチャ - DRY原則違反、スケーラビリティ
分析結果の一部を見てみましょう。
📈 コード品質分析
⚠️ 改善が必要な領域
1. コードの重複(優先度:高)
- 問題: ほぼ同一構造の12個の個別コースページ
- 影響: メンテナンス負担、不整合リスク
- 影響行数: 約2,400行の重複コード
推奨事項: [slug]パターンによる動的ルーティングの実装
具体的な問題点と解決策が明確に提示されます。
さらに、優先度別の推奨事項も提供されます。
🔴 緊急(即座に対応)
1. 動的ルーティングの実装
- 推定工数: 4時間
- 影響: コード80%削減
🟡 高優先度(今週中)
2. データ取得の最適化
- 推定工数: 2時間
どこから手をつければいいか迷うことがなくなりますね。
コードの改善を実行
分析結果を元に、/sc:improve
コマンドで改善を実行します。
/sc:improve src/app/coupons/ ここまでの分析内容をもとに改善してください
SuperClaude は分析結果に基づいて、優先度の高い項目から順に改善を進めてくれます。
改善後のレポート:
📊 改善前後の比較
| 項目 | 改善前 | 改善後 | 改善率 |
|-------------|----------|--------|--------|
| ファイル数 | 13個 | 3個 | -77% |
| コード行数 | 約2,400行 | 約700行 | -71% |
| 重複コード | 12箇所 | 0箇所 | -100% |
| 保守性スコア | 65% | 90% | +38% |
数値で改善効果が確認できるので、達成感がありますね。
チーム開発での活用方法
SuperClaude は個人開発だけでなく、チーム開発でも効果的です。
品質基準の設定
チームで「スコアが80%を下回ったら改善する」といったルールを決めておくと良いでしょう。
客観的な数値があることで、リファクタリングのタイミングが明確になります。
コードレビュー前のチェック
プルリクエストを出す前に /sc:analyze
を実行することで、事前に問題を発見できます。
レビュアーの負担も減りますし、手戻りも少なくなります。
新メンバーのオンボーディング
/sc:load
コマンドでプロジェクト全体の構造を把握できます。
/sc:load --deep --summary
新しくジョインしたメンバーも、プロジェクトの全体像を素早く理解できます。
注意点と対策
英語で出力される場合
デフォルトでは英語で出力されることがあります。
日本語で出力したい場合は、コマンドの後に「日本語で」と追加しましょう。
/sc:analyze src/ 日本語で出力してください
分析に時間がかかる場合
大規模なプロジェクトでは分析に時間がかかることがあります。
最初は小さなディレクトリから試してみることをおすすめします。
アンインストール方法
もし合わなかった場合も、簡単にアンインストールできます。
python3 -m SuperClaude uninstall --complete --yes
まとめ
SuperClaude を使うことで、Claude Code でもコード品質を維持したり、改善がスムーズになります。
使ってみた感想としては、特に以下の点が便利でした。
- 専門家ペルソナが自動的に適切な支援をしてくれる
- コード品質が数値化され、改善効果が明確に分かる
- 豊富なカスタムコマンドで開発効率が向上する
インストールも簡単なので、ぜひ一度試してみてください。
Claude Code の関連記事
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- 【コピペOK】個人開発でApple風デザインルールを作ったら統一感のあるカッコいいUIにできた話
おまけ:SuperClaude カスタムコマンド17種
(8/27 追記:コマンドに追加があったので、別記事に移動しました)
おまけ:SuperClaude ペルソナ11種
技術系スペシャリスト
🏗️ architect - システム設計専門家
- 長期的なアーキテクチャ計画とシステム設計を担当
- スケーラビリティと保守性を最優先に考慮
- 技術的負債の評価と改善策を提案
- デザインパターンの適用と依存関係の最適化を支援
- 「architecture」「design」「scalability」などのキーワードで自動起動
🎨 frontend - UI/UX・アクセシビリティ専門家
- ユーザー体験とアクセシビリティ(WCAG 2.1 AA準拠)を重視
- パフォーマンス予算(3秒以内のロード時間)を管理
- レスポンシブデザインとクロスブラウザ対応を確保
- デザインシステムの構築と一貫性を維持
- 「component」「UI」「UX」「responsive」などで自動起動
⚙️ backend - API・インフラ専門家
- 信頼性(99.9%アップタイム)を最優先事項として設計
- API設計とデータベース最適化を担当
- エラーハンドリングと復旧メカニズムを実装
- ゼロトラストセキュリティの原則を適用
- 「API」「database」「service」「server」などで自動起動
🛡️ security - セキュリティ・脆弱性評価専門家
- 脅威モデリングと脆弱性評価を実施
- OWASP準拠のセキュリティベストプラクティスを適用
- 認証・認可システムの設計と監査
- 重要度別(Critical/High/Medium/Low)の脆弱性分類
- 「security」「vulnerability」「auth」「compliance」などで自動起動
⚡ performance - パフォーマンス最適化専門家
- ボトルネックの特定と測定駆動の最適化
- API応答時間500ms以内、データベースクエリ100ms以内を目標
- メモリ使用量とバンドルサイズの最適化
- キャッシング戦略とロード時間の改善
- 「performance」「optimization」「speed」「slow」などで自動起動
プロセス・品質管理エキスパート
🔍 analyzer - 根本原因調査専門家
- 体系的なデバッグと根本原因分析を実施
- 証拠に基づく問題解決アプローチを採用
- パターン認識と仮説検証を通じた調査
- 複雑な問題の構造化された分解
- 「analyze」「debug」「investigate」「root cause」などで自動起動
🧪 qa - 品質保証・テスト専門家
- テスト戦略の立案とリスクベースのテスト優先順位付け
- エッジケースの特定と包括的なカバレッジ確保
- 予防重視のアプローチで品質を向上
- テストピラミッドの設計と自動化推進
- 「test」「quality」「validation」「coverage」などで自動起動
🔄 refactorer - コード品質・技術的負債管理専門家
- シンプルで読みやすいコードへのリファクタリング
- 技術的負債の定量化と段階的な削減
- コードの一貫性とデザインパターンの適用
- 循環的複雑度とコード可読性スコアの改善
- 「refactor」「cleanup」「quality」「technical debt」などで自動起動
🚀 devops - インフラ自動化・デプロイ専門家
- CI/CDパイプラインの構築と最適化
- Infrastructure as Codeの実践
- ゼロダウンタイムデプロイメントの実現
- 包括的な監視とアラート設定
- 「deploy」「infrastructure」「CI/CD」「monitoring」などで自動起動
知識共有・コミュニケーション専門家
👨🏫 mentor - 教育指導・知識移転専門家
- 段階的な学習アプローチで概念を説明
- スキルレベルに応じた最適な説明方法を選択
- 実践的な例題を通じた理解促進
- チーム内の知識共有とベストプラクティスの伝達
- 「explain」「learn」「understand」「teach」などで自動起動
✍️ scribe - 技術文書作成・コミュニケーション専門家
- 明確で読みやすい技術文書の作成
- API仕様書・README・ユーザーガイドの執筆
- 多言語対応(英語・日本語・中国語など)
- 対象読者に応じた適切な文体と詳細度の調整
- 「document」「write」「guide」「README」などで自動起動
ペルソナの連携パターン
自動的な協調作業の例
- セキュリティレビュー: security + backend が連携
- パフォーマンス改善: performance + frontend/backend が協調
- 品質向上: refactorer + qa + architect が共同作業
- ドキュメント作成: scribe + mentor が教育的な文書を作成
- 複雑な調査: analyzer + 関連分野の専門家が協力
複数ペルソナが起動する状況
- 認証システム実装 → security + backend + architect
- UIコンポーネント開発 → frontend + performance + qa
- 技術的負債の解消 → refactorer + architect + analyzer
- 本番デプロイ準備 → devops + security + qa
- 新機能の設計 → architect + 関連技術の専門家