TL;DR
- CodexはChatGPT Plus契約者なら追加課金なしで使える最強開発環境で、並列タスクとスマホ開発で2日間に約80本のPRを作成する爆速開発を実現。
- Codex Webを軸にCodex CLIで細かい修正を行い、Ask機能や複数環境を活かしたタスク分割で開発効率が数倍に跳ね上がる体験を得た。
- 今後ITエンジニアは企画力とアーキテクチャ理解を武器に「何を作るか?」の勝負へシフトする。
はじめに
2日間で80個近いプルリクエストを作り上げた個人開発体験を通じて、Codex WebとCodex CLIをどう組み合わせれば開発効率が跳ね上がるのかをまとめました。背景や導入のきっかけ、具体的なワークフロー、今後やってみることまでを俯瞰できる構成にしています。
背景と自己紹介
ボードゲーム好きなフルスタックエンジニアです。私についての詳細は、 Getting Started with tom-takeru, GitHub | @tom-takeruをご覧ください。
普段からLLM系のコーディング補助ツールを試しており、最近の利用状況は以下の通りです。
最近の私のLLM活用状況
- GitHub Copilot
- PR Description生成やVSCodeでの利用(以前はプライベート開発で多用)
- Cursor
- 1〜2ヶ月前まで業務で使い倒していた
- Cursor CLI
- ChatGPT 5リリース直後に数日間利用
- Claude Code
- 現在業務でフル活用中
- Codex Web
- ここ1ヶ月、プライベートで使い倒し中
- Codex CLI
- ここ1ヶ月、プライベートで使い倒し中
- ChatGPT Plusプランで以下の表示が出るくらいには使い倒した
リミットに達した時のCLIの出力
▌🖐 You've hit your usage limit. Upgrade to Pro (https://openai.com/chatgpt/pricing)
▌or try again in 19
▌hours 59 minutes.
最近のアップデートで見れるようになった利用状況(5h limit, Weekly limitがある)
╭──────────────────────────────────────────────────────────────────────────╮
│ >_ OpenAI Codex (v0.42.0) │
│ │
│ Model: gpt-5-codex (reasoning low, summaries auto) │
│ Directory: ~/.config/nvim │
│ Approval: on-request │
│ Sandbox: read-only │
│ Agents.md: <none> │
│ Account: dummy-email@example.com (Plus) │
│ Session: -dummy-session-id- │
│ │
│ Token usage: 0 total (0 input + 0 output) │
│ 5h limit: [████████████████████] 100% used (resets 18:31) │
│ Weekly limit: [█████████████░░░░░░░] 64% used (resets 19:58 on 1 Oct) |
╰──────────────────────────────────────────────────────────────────────────╯
Codexというサービスの捉え方
- 私のニーズを完璧に満たしてくれるLLMコーディングアシスタントサービス
- Codex WebとCodex CLIの二つが提供されていて、中でもCodex Webの新しい開発体験に感動
Codexを使い始めた経緯
- 業務でClaude Code x neovim によるLLM CLIツールに衝撃を受け、プライベートのサイドプロジェクトで使えるサービスを探していました。
- そんな時にChatGPT Plusの契約でCodex CLIが使えると聞きつけ、もともとChatGPT Plusを契約していたこともあり、すぐに使い始めました。
Codexを使った時の開発効率の感覚
体感では開発効率が数倍に跳ね上がったと感じています。具体的には同じ時間で以下のような作業量の差が出るような感覚です。
- 今までのLLMコーディングアシスタントによる作業の場合: あなたがレストランの一人の料理人だと想像してみてください。注文を受け、料理を作り、それを提供し、それが終わって初めて次の注文に取り掛かることができます。
- Codex Webによる作業の場合: 今度は、あなたが大きなキッチンの料理長だと想像してみてください。5つの注文を受け、それを5人の別の料理人に渡し、彼らは全員同時に作業します。あなたは料理が出て行く前にチェックするだけです。
私の利用プランとコスト
- プラン
- ChatGPT Plusのみ(月額$20、追加課金なし)
- 利用範囲
- ChatGPT本体 + Codex Web + Codex CLI
Codex(特にCodex Web)が提供する価値
Codex WebとCodex CLIを組み合わせることで、タスク管理や開発体験がどのように変わるかを具体的な側面に分けて整理します。
並列タスク処理
- Codex特定のリポジトリを指定して「Environment」を作成するとCodex Webがそのリポジトリを独自の仮装開発環境にクローンしてきて開発可能になる
- 複数の指示を独立した環境で並列進行できる
- 「エンジニアを束ねるマネージャー」になったような感覚
PR作成のスピード
- Web上で人が軽くレビューし、必要なら修正を依頼し、ワンクリックでPR(Draftも可)まで一瞬で作成
Codex Webで差分確認からPR作成まで行う際の画面イメージ:
| タスク完了時に表示されるコード差分画面 | Codex WebからPushボタンで作成したPull Requestの画面 |
|---|---|
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Ask機能のアイデア生成
- 「3つの小さなリファクタリングアイデアを出して」と依頼
- → Start Taskボタンでそのまま着手可能
Ask機能の提案からタスク化する際の画面イメージ:
| Ask機能でリファクタリング案を生成した結果の画面 | Ask機能の結果からタスクを開始するボタンを押した状態 | Ask機能の提案を基にCodex Codeでタスクが並列進行している様子 |
|---|---|---|
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スマホからの開発体験
- 従来はGitHubアプリでレビュー止まりだったが、差分確認〜開発まで可能
| スマホからの開発体験 - ChatGPTアプリでみるタスクリスト | スマホからの開発体験 - あるタスクのsummary | スマホからの開発体験 - あるタスクのdiffとPush(Create PR)ボタン |
|---|---|---|
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Codexフル活用術
Codex Webを主軸に据えながら、CLIやプロンプト設計で効率化を図る私の基本フローです。
コツ1: 基本はCodex Web
- ほとんどの開発タスクをWebで完結
- 並列タスクを意識し、スコープごとに指示を分割
コツ2: Codex CLIで細かい修正
- UIの小調整や即座に確認したい変更はCLIで実施
- リポジトリを複数のディレクトリにクローンすることで、Codex CLIを使って複数の環境でLLMを実行できます。もちろん、コンフリクトの回避を考慮する必要はあります。しかし、簡単にCodex CLIの使用制限に達してしまうので、これを節約するために私の方法を使うことをお勧めします。
コツ3: プロンプト工夫
- 「最小ステップで要件を満たすタスク」に分解して指示
- コンフリクトが発生しないようスコープを意識
- どうしてもコンフリクトが起きてしまった場合は、ローカルでリベースしつつCLIで解消
ケーススタディ: 2日間で80本のPR
個人開発で進めている、サブスクリリプション型マネタイズを目指すサービスでの出来事です。半年ほど開発しており、すでに400件ほどのPRがクローズしているリポジトリです。今回行った作業内容は、dev環境改善、ライブラリバージョン整理、UI修正、中規模機能追加などです。
ステップごとの進め方
- 並列でタスク依頼
- コンフリクトしないように気をつけつつ、一度に5つほど並列でタスクをCodex Webに依頼
- PR作成
- 完成したら軽くレビューし、OKならそのままPR作成
- 微妙なら修正点を指摘して再依頼
- CI・レビュー対応
- CIが完了したPRでCodeRabbitの指摘やCI失敗があればリモートブランチをpullして取り込み
- Codex CLIとGitHub MCPを組み合わせ、PRリンクを元にレビュー対応&コミットプッシュを自動化
- マージ
- 指摘やCIエラーがなくなったPRは動作確認してOKならそのままマージ
- 待ち時間の活用
- CodeRabbitレビューやCI完了を待つ間に、別のPRへ戻って3から対応
このサイクルで2日間のうちに気づいたら80個近いPRができあがっていました😅
今後やってみること
- Codex WebによるGitHub上でのReview機能
- DraftはAIが作るので人間中心のレビュー体制が基本だが、レビュー機能も試してみたい
- 最近
/reviewコマンドが Codex CLIで追加されていてかなり良さそうだった
- Codex CLIのさらなる活用
- 今はWeb中心だが、CLIの隠れた機能もまだ眠っている気がする
- 他ツールとの比較検証
- Claude CodeやCodeRabbitと併用しつつ、それぞれの強みを活かす
感想
- ここ最近のCodexはとにかくホットで、体感では2日に1度くらいのペースでアップデートが入っている
- 「何を作るか?」を考えられる力がより重要
- これからのエンジニアは実装力以上に企画・方向性の設計が鍵
- Codex Webの使い心地はマネージャー的な感覚
- 4〜5人のエンジニアを束ね、方向性を示しつつコードレビューを行う役回りだった
- タスク分割の精度が肝
- いかに細かく分割してCodexエンジニア役のAIに渡すかが成果を左右する
- アーキテクチャ理解の価値
- 全体像を指示する人間が把握しているとステップ化してタスクを任せやすい
- 今はエンジニアが使いこなせる段階
- 現段階ではエンジニアだからこそ活用できるレベル
- 次は「何を作るか?」の勝負へ
- エンジニア以外でもAI開発ツールを使いこなせるようになると、前提が「なんでも作れる」に変わり企画勝負になる
まとめ
- CodexはChatGPT Plus契約者なら追加課金なしで使える最強開発環境
- Codex Webを軸にCodex CLIで細かい修正をするという新しい開発体験
- 並列タスクとスマホ開発は、これまで徒歩だったのが自転車(もはや車?)に乗ったような感覚で圧倒的に速くて楽しい
- 2日間で約80本のPRを作成する爆速開発を実現








