AIの「読む力」と「書く力」の違いをわかりやすく解説
ChatGPTのようなAIを使っていて、こんな風に思ったことはありませんか?
「このAI、話を理解できるし、回答も人間みたいに上手…一種類だけじゃないの?」
実はAIも人間と同じで、読むのが得意な人もいれば、書くのが得意な人もいます。 でも、読むも書くも両方完璧なスーパーマンはなかなかいません。 AIの世界では、大きく分けて二つのタイプがあります:
- 読む力が得意なAI(マスク言語モデル・MLM)
- 書く力が得意なAI(自己回帰型言語モデル・AR)
この記事では、簡単で楽しく理解できるように説明します。
1. AIを人間に例えると?
- 読解力が高い人:文章をパッと見て理解できるけど、話すとちょっとぎこちない
- 書くのが得意な人:文章は滑らかだけど、読む理解は少し苦手
AIも同じで、万能ではありません。
2. AI「読む力」 – マスク言語モデル(MLM)
どんなAI?
- 空欄を埋める訓練を受けています。 学生時代の「穴埋め問題」を思い出してください。
例:
「私は___人工知能を勉強しています」
AIは答えます:
「知能」
ポイント:前後の文脈を両方見て答えるので、正確に理解できます。
使いどころ
-
意味の理解が得意
-
文脈全体から単語の意味を把握
-
主な用途:
- コンテンツ分類(スパム判定など)
- 感情認識
- 賢い検索
読解力が抜群の生徒のイメージですが、創作はちょっと苦手。
3. AI「書く力」 – 自己回帰型言語モデル(AR)
どんなAI?
- 前の単語を見て次の単語を予測する訓練を受けています。
例:
「私は勉強しています」 → 次の単語を「知」と予測 → 次に「能」 → 次に「人」 → 次に「工」
つまり、1単語ずつ文章を作るイメージです。
使いどころ
- 文章生成が滑らか
- 会話応答が自然
- 物語、ブログ記事、メール、コード生成など
話すのが得意な人のイメージで、止まらずに話せます。
4. 直感的に理解するための図(Mermaid)
5. 表で比較するともっとわかりやすい
| 比較項目 | AI読む力 (MLM) | AI書く力 (AR) |
|---|---|---|
| 学習方法 | 空欄を埋める | 次の単語を予測 |
| 文脈参照 | 前後両方 | 過去のみ |
| 得意なこと | 内容理解 | 文章生成 |
| 向いている用途 | 分析、検索、感情認識 | 会話、文章作成、物語、コード |
| 例 | BERT | GPT、ChatGPT |
6. ChatGPTはどっち?
書く力メイン(AR)ですが、読む力もあるので自然に会話できます。
7. モデル選びのためのアドバイス
AIを学ぶ人や、これからAIを使ってみたい人向けにいくつかのポイント:
-
目的を明確にする
- 文章理解や分類がメインならMLMが向いています。
- 文章生成や会話応答がメインならARが適しています。
-
ハイブリッドモデルも検討
- 読む+書く両方を必要とするタスク(翻訳、要約、Q&Aなど)では、Encoder-Decoder系モデルがおすすめです。
-
小さいモデルで試す
- まず小規模モデルで動作確認をしてから、大規模モデルにスケールアップすると効率的です。
-
計算資源との相談
- MLMは比較的短文の理解に向いており計算量が少なめ
- ARは長文生成や連続文章に強いが計算量が増えます
-
学習データに注意
- モデルの得意分野は学習データに依存します。ニュース中心のデータで学習したAIは創作よりも事実理解に強いです。
8. まとめ
- AI読む力:文章を理解するのが得意
- AI書く力:文章を生成するのが得意
- 最新モデル(Encoder-Decoderなど):読む+書くの両方ができる
AIを選ぶときは、タスクに合わせてモデルを選ぶのがポイントです。ブログや学習資料としても、実際に触ってみて違いを体感すると理解が深まります。