EclipseでGitHub Copilot
最近、GitHub公式のCopilotプラグインがEclipse向けに公開され、Eclipseでも本格的にAIエージェントを活用できるようになりました。GitHubのアカウントは簡単に取得できますが、学生や教員は申請すると無償でProバージョンを利用できます。Proを使うと、月300回程度までGPT-5.1-codexを使えます(凄いですね!)。GPT-4.1なら無制限です。
IntelliJも素晴らしいのですが、有償バージョンでないとAI機能の利用がすぐに上限に達してしまいます。教育目的に使うには苦しいわけですが、Eclipseなら十分な環境が無料で利用できます。
Javaの基本コースを終えた学生さんを対象に、Eclipseを使ってSpring Bootを教えていますが、おかげで最初からCopilotを使えるようになりました。学生さんには仕様を書かせるだけで、コードは自動生成させます。AIエージェントを使う学習はとても好評です。
この開発環境は、もっと普及してもいいのではと思い、簡単に環境を構築できるスクリプトを作りました。是非、利用してみてください。
7KBですべてをゲットする
完全にセットアップしたEclipseは、zip圧縮しても1GBを超えてしまいます。とても大きいので、ダウンロードにも時間がかかります。でも、スクリプトなら、zipファイルでわずか7KBしかありません。メールに添付して送れてしまいます。
このスクリプトは次のことを実行します。
- Eclipse 2025-12 (統合開発環境)をセットアップします
- JDK 25 をEclipseが使えるようにセットアップします
- 日本語化 - Pleiadesを使ってEclipseのメニューなどを日本語にします
- 開発用プラグイン - Spring Bootでのプログラミングに必要な機能一式を追加します
- GitHub Copilot - AIコード補完、AIエージェントによるコード生成機能等を追加します
また、設定ファイルを同梱しています。
- インストール後に、設定ファイルによりフォントや色を読みやすく設定できます
自動セットアップ!
スクリプトは2つあります。ダウンロードから日本語化まで行うsetup.batと、プラグインのインストールを行うplugins.batです。なお、plugins.batを実行する前に、インストールに必要なファイルを作らせるために、Eclipseの起動と終了を行う必要があります。
通信環境にもよりますが、おおむね20分程度で完了します。
使い方
GitHubからダウンロード
スクリプト等はGitHubにあります。次からダウンロードまたはgitで入手してください
auto-setup-eclipse
https://github.com/kawaba/auto-setup-eclipse
📁 ファイル構成
セットアップに使用するファイルはeclipse-2025フォルダにあります:
| ファイル名 | 説明 |
|---|---|
setup.bat |
Eclipseとその基本設定をインストールするファイル(初心者向け) |
setup.ps1 |
実際のセットアップ処理を行うファイル |
plugins.bat |
プラグインをインストールするファイル(初心者向け) |
plugins.ps1 |
実際のプラグインインストール処理を行うファイル |
font-color-compiler-java25.epf |
フォントや色の設定ファイル |
💡 補足:
.batファイルはダブルクリックで実行できる簡単なファイルです。.ps1ファイルは実際の処理を行う本体です。batファイルを実行してインストールします。
ステップ1: 基本インストール
-
ダウンロードしたauto-setup-eclipse-2025.zipを任意の場所に展開します
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C:\workやD:\tempなどを推奨します -
workやtempなどのフォルダを作ってから展開するといいでしょう
-
-
eclipse-2025/setup.batをダブルクリック- 黒い画面(コマンドプロンプト)が開きます
- 自動的にダウンロードとインストールが始まります
- 所要時間: 約5〜15分(インターネット速度による)
-
完了メッセージを確認
=== セットアップ完了! === Eclipse を eclipse/eclipse.exe から起動してください。 次に: plugins.bat を実行してプラグインをインストールしてください。- この表示が出たら、何かキーを押して画面を閉じます
ステップ2: 初回起動(重要!)
⚠️ 重要: プラグインをインストールする前に、必ずこの手順を実行してください。
-
Eclipseを起動
-
eclipse-2025フォルダ内に作成されたeclipseフォルダを開きます -
eclipse.exeをダブルクリックします
-
-
ワークスペースの選択
- 「Eclipseランチャー」という画面が表示されます
- 「ワークスペース」の入力欄に以下を入力:
../workspace -
[起動]ボタンをクリックします
-
Eclipseが完全に起動するのを待つ
- ようこそ画面や日本語化されたメニューが表示されます
- 何も操作せず、そのままEclipseを終了します
- メニューから
ファイル→終了を選択
💡 なぜこの手順が必要?: 初回起動時に設定ファイルが作成されます。これがないとプラグインのインストールに失敗します。
ステップ3: プラグインのインストール
-
eclipse-2025/plugins.batをダブルクリック- 黒い画面が開き、重要な確認メッセージが表示されます
-
確認メッセージを読む
重要: Eclipseを一度起動して終了しましたか? (初回起動で設定ファイルが作成されます) はい [Y] / いいえ [N]- ステップ2を完了していたら
Yと入力してEnterキーを押します - まだの場合は
Nと入力し、ステップ2に戻ります
- ステップ2を完了していたら
-
インストール開始
- 自動的に以下のプラグインがインストールされます:
- Web開発ツール
- Spring Tools 4(Spring Boot開発用)
- GitHub Copilot(AI支援)
- 所要時間: 約5〜10分
- 自動的に以下のプラグインがインストールされます:
-
インストール結果を確認
============================================ インストール完了 ============================================ 成功: 11 個 失敗: 0 個- すべて成功していれば、次のステップに進みます
- 一部失敗している場合は、
plugin-install.logファイルを確認します
-
自動クリーンアップ
- 「何かキーを押すと...クリーンアップを実行します」と表示されます
- キーを押すと、一時ファイルやスクリプトが自動的に削除されます
- 最終的に
eclipseフォルダとworkspaceフォルダだけが残ります - eclipseフォルダとworkspaceフォルダを好きな場所にコピーして使います
(ただし、好きな場所は、ローカルドライブにしてください)
ステップ4: フォント・色の設定
-
Eclipseを起動
-
eclipse/eclipse.exeをダブルクリック - ワークスペースは
../workspaceと入力(前回と同じ)
-
-
設定のインポート
- メニューから
ファイル→インポートを選択 -
一般→設定を選び、[次へ]をクリック
- メニューから
-
設定ファイルを選択
-
[参照]ボタンをクリック -
eclipse/font-color-compiler-java25.epfを選択 -
[開く]をクリック
-
-
インポートを実行
-
[完了]ボタンをクリック - 「再起動が必要」というメッセージが表示されます
-
[再開]をクリックしてEclipseを再起動
-
-
設定完了!
- 再起動後、フォントが見やすく、構文の色分けが設定されています
ネットワークドライブを避けて
このスクリプトは、大学や専門学校などで、管理者権限がなくてもEclipseをインストールできることを目的に作成しました。管理者権限がないとソフトウェアのインストールはできず、管理部門に依頼すると半年や1年待たねばならない、というのが普通だからです。過去に、軽い気持ちで依頼したら「再来年の春から使えます」と言われて驚いたことがあります。
このスクリプトは、ソフトウェアをシステムにインストールしません。完全にポータブルですから、どこででも使えます。また、PowerShellには起動を制限する仕組みがあるので、それを一時的に無効にして実行できるようにしています。
しかし、ネットワークドライブ上にインストールした場合、Terminal関係の機能をロードできないというエラーが発生します。おそらくEclipseの仕様だと思うのですが、ネットワークドライブにはインストールしない方がいいようです。問題を避けるためには、ローカルドライブにインストールしてください。
(注)Eclipseの不具合かもしれないので、今後のバージョンアップで解消される可能性はあります。
改変自由
エクリプスやJDKのバージョンを変更したい場合は、スクリプトの中に書きこんである URLを書き換えてください。プラグインも同様に変更できます。ただ、URLを探すのがなかなか大変なので、URLの探索は、AIにやらせるといいでしょう。