プロンプティングとは
生成AI(GeminiやchatGPTなど)に対して、「こうしてほしい」「これについて教えてほしい」と具体的な指示を出すこと。
プロンプティングフレームワーク
より効果的で高品質な出力を安定して引き出すために、プロンプトの設計や構成を体系化した手法やガイドラインのこと。
■メリット
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一貫性のある出力
プロンプトによって出力の質が大きく変動するのを防ぎ、安定した結果を得やすくなります。 -
効率性
ゼロからプロンプトを考える手間が省け、特定のタスクに合わせたプロンプトを効率的に作成できます。 -
品質向上
試行錯誤を通じて確立されたベストプラクティスに基づいているため、より高品質な出力を引き出しやすくなります。 -
再現性
他のユーザーや将来の自分が同じフレームワークを使用することで、同様の結果を再現しやすくなります。 -
複雑なタスクへの対応
複数のステップや異なるタイプの情報を含む複雑なタスクでも、体系的にプロンプトを設計できるようになります。
Google推奨のプロンプティングフレームワーク 「TCREI」
T→Task(具体的な指示)
C→Context(状況設定)
R→References(参照)
E→Evaluate(評価)
I→Iterate(反復)
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Task(具体的な指示)
生成AIに何をさせたいのかを明確に記述し、ペルソナとフォーマットを指定する。
ペルソナ:AIに特定の役割や立場、専門知識、話し方を割り当てること。
例 「あなたはPHPのLaravelに特化した熟練のバックエンドエンジニアです。」
フォーマット:どのような形式で出力してほしいか。
例 「メリットとデメリットを箇条書きで示してください。」
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Context(状況設定)
生成AIが意図することを理解するために必要な詳細情報をすべて提供する。
例
×「1万円以下の誕生日プレゼントのアイデアを教えて」
○「誕生日プレゼントの5つのアイデアを教えて。予算は1万円でプレゼントは29歳のウィンタースポーツが大好きで、最近スノーボードからスキーに転向した人向けのものです。」
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References(参照)
生成AIが出力を作成する際に使用する例を提供する。
例 「以下の記事を元に、レビュー記事を書いてください。[URLリンク]」
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Evaluate(評価)
自分の入力が適切だったか、必要な出力は得られたかを評価する。 -
Iterate(反復)
出力を評価し、必要なものが得られていないと判断したら 情報を追加して再試行する。
効果的なプロンプトに必要な要素 「TCREI」
T→Thoughtfully(じっくり)
C→Create(作る)
R→Really(リアルな)
E→Excellent(すばらしい)
I→Input(入力)
シナリオ: 新しいオンラインコースの宣伝文句を作成したい。
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T (Task - 具体的な指示):
「あなたは、魅力的なオンラインコースの宣伝コピーライターです。新しい『Pythonプログラミング入門』コースのキャッチーな宣伝文句を3つ作成してください。ターゲット層はプログラミング未経験の初心者で、親しみやすく、行動を促すトーンでお願いします。」 -
C (Context - 状況設定):
「このコースは、完全にオンラインで提供され、ビデオチュートリアル、インタラクティブな演習、そして毎週のライブQ&Aセッションが含まれます。期間は6週間で、受講後には簡単なWebアプリケーションを作成できるようになることを目指します。他の同様のコースと比較して、実践的なプロジェクトに重点を置いている点が特徴です。」 -
R (References - 参照):
「以下の既存のオンラインコースの宣伝文句を参考にしてください。特に、簡潔で分かりやすい言葉遣いと、学習のメリットを強調する点に注目してください。」
参照例1: 「未経験からWeb開発者へ!3ヶ月で即戦力になるためのJavaScriptブートキャンプ」
参照例2: 「デザインの基礎から応用まで!あなたのセンスを磨くPhotoshop完全ガイド」
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E (Evaluate - 評価):
「生成された3つの宣伝文句を評価します。ターゲット層に響くか、コースの魅力を十分に伝えているか、行動喚起につながるか、既存の参照と比べてどうか、などを確認します。」 -
I (Iterate - 反復):
「もし生成された宣伝文句が不十分であれば、具体的にどこを改善してほしいかを指示し、再生成を依頼します。例えば、『もっと初心者向けの言葉を使ってください』や『「Pythonの基礎が身につく」という点をより強調してください』といった具体的なフィードバックを伝えます。」