GPT4AllとMCPサーバについて
昨今、様々なローカルLLM実行環境が登場しています。その中でもGPT4Allは、プライベートかつ軽量な環境でのモデル推論に特化したアプリケーションです。GitHubの導入ページでも
No API calls or GPUs required — you can just download the application and get started.
と記載があり、API呼び出しやGPUを必要とせず、軽量なローカル環境単体で推論を行うことに特化した設計であることが分かります。
そのような設計であるため、GPT4Allは現時点でMCPサーバとの連携をネイティブサポートしておらず、そのままではMCPサーバと連携することはできません。
しかし、GPT4AllはAPIサーバとして動作させることができるため、別途用意したMCPクライアントが代理でクエリを受け付け、推論にGPT4AllのAPIを使うことで、MCPサーバと連携した推論が可能になります。

本記事では、上図のようにしてGPT4AllをMCPサーバと連携させるための実装について紹介します。
前編ではGPT4Allと他のローカルLLM実行環境との比較・GPT4Allの環境構築・APIサーバ化について、後編ではGPT4AllとMCPサーバの連携の実装について取り扱います。
他ローカルLLM実行環境との比較
GPT4Allについて、他の代表的なローカルLLM環境と比較してみましょう。
| GPT4All | Ollama | LM Studio | Text Generation WebUI | |
|---|---|---|---|---|
| UI | GUI / CLI | GUI / CLI | GUI | Web UI |
| GPU要否 | なし | なし | あり(推奨) | あり(ほぼ必須) |
| GGUF対応(※1) | 〇 | △(変換が必要) | 〇 | 〇 |
| クラウド連携 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
| ライセンス | Apache 2.0 | MIT ※2 | MIT ※2 | AGPL v3 |
※1 GPT-Generated Unified Format:ローカル環境で効率的に推論ができるように軽量化したモデルフォーマット。
※2 GUI・モデル管理システム等一部Proprietary要素あり
GPT4AllはCPUのみで動作する「軽量性」、Apache 2.0ライセンスかつProprietary要素が無い「オープン性」に強みがあると言えます。また、他製品はクラウド連携によるモデル管理が可能である一方、GPT4Allはモデルの初回ダウンロードやアプリケーションのアップデート以外に外部通信が発生するタイミングがなく、完全オフライン設計であることも特徴の一つです。
GPT4Allの環境構築
■筆者の環境
- Windows 11 Enterprise
- GPT4All v3.9.0
それでは、GPT4Allの環境構築方法について説明します。
公式サイトからインストーラを取得し、実行します。インストールが完了したら、アプリケーションを起動しましょう。
コンソール左ペインの”Models”メニューから、”Add Model”ボタンをクリックすることでモデルを追加することができます。

筆者は、Meta社が提供している軽量ながら高パフォーマンスを発揮しているモデルである「Llama 3.2 3B Instruct」をダウンロードしました。

それでは、LLMにメッセージを投げてみましょう。左ペインの”Chats”をクリックし、使用するモデルを選んでメッセージを入力します。筆者は、カリフォルニアの天気について聞いてみました。

オフライン推論のため、リアルタイムの天気情報は取得できないことが分かります。
このように、GPT4Allはセットアップが容易かつGUIで全て操作できるため、初心者でも簡単に推論を実行することができます。
GPT4AllのAPIサーバ化
冒頭でも述べた通り、GPT4AllにはAPIサーバ機能があります。このAPIサーバはOpenAI互換エンドポイントを備えているため、既存のOpenAIクライアントやSDKから容易にAPIを呼び出すことができます。
それでは、GPT4AllのAPIサーバ機能を使ってみましょう。
APIサーバ機能は、コンソール左ペインの”Settings”メニューから、”Application”の”Enable Local API Server”を有効化する必要があります(デフォルトは無効)。

APIサーバ機能を有効化したら、下記のPythonファイルを実行してみましょう。
import requests
def main():
api_url = "http://localhost:4891/v1/chat/completions"
# リクエストデータ(OpenAI互換形式)
data = {
"model": "xxx", # GPT4Allサーバーではモデル名は無視される
"messages": [
{"role": "user", "content": "Pythonとは何ですか?簡潔に説明してください。また、あなたが使用しているLLMモデルの名前も教えてください。"}
],
"max_tokens": 200,
"temperature": 0.7
}
response = requests.post(api_url, json=data, timeout=60)
response.raise_for_status()
result = response.json()
answer = result["choices"][0]["message"]["content"]
print(answer)
if __name__ == "__main__":
main()
このプログラムは、GPT4AllのローカルAPIサーバ(localhost:4891)に対して、OpenAI互換のChatエンドポイント(/v1/chat/completions)に向けてAPIリクエストを発行し、LLMの回答の内容(content)を出力するプログラムです。リクエストデータもOpenAI互換形式で作成しています。メッセージには「Pythonとは何ですか?簡潔に説明してください。また、あなたが使用しているLLMモデルの名前も教えてください。」と入れています。
このプログラムを実行すると、以下のような出力が得られます。
> python api-test.py
Pythonは、オープンソースで高度なプログラミング言語です。主にデータ分析や機械学習、Web開発などの分野で使用されています。
この答えを生成するLLMモデルは"Meta AI's Large Language Model 3 (LLaMA)" ですが、これは2022年9月にリリースされました
今回は日本語でのメッセージ送信を試しましたが、問題なく推論の結果が返ってきているのが分かります。
まとめ
本稿では、ローカルLLM「GPT4All」の特徴・環境構築方法・APIサーバ機能について取り扱いました。GPT4Allのセットアップの容易さと、APIによる拡張性の高さを感じていただけたかと思います。
後編では、APIサーバ機能を用いたMCPサーバとの連携方法について解説いたします。