目次
背景
GoogleCloudのプロジェクト・ステークホルダ、利用量が増えてくると費用確認や最適化に向けた調査工数などに手間がかかる。
GoogleCloudのFinOpsの最適な手段を検討する。
目的
- 利用料の変動内訳の確認にかけている運用コストの削減
- 余剰リソース確認の調査対応の工数削減
- 各ステークホルダのコスト最適化意識の醸成
評価観点
FinOpsのライフサイクルを踏まえて、上記目的達成の手段を評価する。
可視化と共有
・リソースの使用状況を詳細かつ意図した状態で可視化できるか。
・ステークホルダが容易に利用できる手段か。
・レポート作成などの共有・報告するために活用できる手段か。
最適化
・無駄なリソースや最適なリソースの確認が可能な手段か。
・最適化の調査に手間がかからないか。
運用と改善
・運用に手間がかからないか。
・改善に向けたPDCAサイクルを回すことが容易か。
手段検討
- Gemini in Looker
- FinOps Hub
- Cloud Billing の Gemini
各手段の説明
Gemini in Looker
Gemini in Lookerとは
Geminiの機能の一部で、Gemini in Looker は、Lookerと連携して、AIを活用してデータ分析やクエリを行うことが可能である。
参考:Gemini in Looker の概要
機能
※今回はLooker Studioとの連携にフォーカスする。
レポートの作成
レポート作成の画面でサンプルのデータを用意
画面右側のGeminiを選択してスライド生成を選択
そうすると、自動でGoogle Slideのレポート作成
計算フィールドの作成
Looker Studioにおいては、データソースの中身を使ってデータ可視化が可能
データタブの画面右下のフィールド追加を押下
会話分析
Looker Studio Proの画面から会話分析を選択
また、エージェントの作成も可能なため、特定の用語に対して特定のデータを引っ張ってきたい場合などの、エージェントの回答を意図して操作したい場合には、事前のエージェントを作成が可能。
利用手順
※今回はLooker Studioとの連携にフォーカスする。
始める前に必要な権限などは下記を参考
始める前に
Looker Studio コンソールからProサブスクリプションを選択
Gemini in Looker の有効化にはTrusted Tester Programの利用が必要
費用
Looker Studio Pro
1.ユーザ単位の有効化
1ユーザーあたり$9の費用が発生する。
参考:Looker Studio
2.月間アクティブユーザー(MAU)サブスクリプション
「組織全体の 1 か月のアクティブ ユーザー数(MAU)」のサブスクリプション タイプとしてリリースされました。MAU サブスクリプション タイプでは、組織内のすべてのユーザーが Looker Studio Pro を使用できます。請求は、Looker Studio Pro の 1 か月のアクティブ ユーザー数に基づいて行われます。MAU サブスクリプションは大規模な組織でのみ利用可能で、Google Cloud セールス スペシャリストによる設定が必要です。
BigQuery
1.コンピューティング料金
項目 | 説明 | 費用 |
---|---|---|
オンデマンド料金 | クエリのデータ量に応じて課金される | $7.50 / 1TiB per month ※毎月 1 TiB まで無料。 |
容量料金 | クエリ処理容量(スロット(仮想 CPU)単位)に対して料金が発生 | $0.051 / 1 hour ※Default Standardの場合 |
※BigQueryの料金参照:BigQueryの料金
Gemini in Looker
注: Gemini in Looker は現在、プレビュー期間中に限り追加料金なしでご利用いただけます。このプレビュー期間が終了すると、Gemini in Looker を購入する追加料金が必要となる場合があります。
参考:Looker Studio で Gemini in Looker を有効または無効にする
FinOps Hub
FinOpsHub(Gemini Cloud Assist) とは
FinOps ハブを使用すると、現在の費用の削減状況をモニタリングして報告できます。また、提案された新しい費用最適化の機会に基づいて、最適化の目標を設定できます。FinOps ハブのダッシュボードでは、現在の費用削減と最適化の機会がすべて 1 つのダッシュボードに表示されます。FinOps ハブでは、Cloud Billing と Recommender によって収集された過去の使用状況の指標(最近の使用量や現在のコミットnメントなど)に基づいてダッシュボードが自動的に生成されます。
BillingやRecommenderの指標をもとに使用状況のモニタリングや最適化に向けた提案をダッシュボードの形で受け取る。
Gemini Cloud Assistを有効にすると、加えてGeminiからの分析情報や重要な最適化提案が表示される。
機能
最適化サマリー
最適化によってどれくらい節約したか、またGoogleからの推奨事項、追加の最適化を実施することでどれくらい節約が可能かを示すサマリー。
Gemini Cloud Assistによる分析
Gemini Cloud Assist を有効化すると、Geminiから重要な最適化と使用率に関する分析情報が表示される。
削減見込み額の表示
削減見込み額をサービスやプロジェクト単位で表示可能
推奨事項の提案
Recommenderから指標を受け取れる下記のような内容について、提案を受け取れる。
- アイドル状態のリソースの無効化
- インスタンスのサイズ適正化
- 特定のリソースのその他の構成の変更
- 確約利用割引(CUD)の購入
参考:Recommenderの詳細
無駄になる可能性のある使用量
リソースの使用状況と無駄になる可能性のある費用に関する分析情報を取得。
[使用状況の分析情報] ダッシュボードが利用可能。
※まだ活用しきれていないため、詳細は公式ドキュメント参照
FinOpsScore
どれくらい費用の節約できているか、また費用の最適化に向けてどれくらいダッシュボードを活用できているかなどをスコアリング。
スコア改善のための推奨事項の提案も可能。
参考:算出ロジック
利用手順
1 FinOpsHubと検索して請求アカウント選択画面へ移行
費用
FinOpsHubの有効化&利用に伴う追加費用は無し。
※FinOpsHubのGemini Cloud Assistの費用も下記ドキュメントを確認する限りは無料
Gemini for Google Cloud の料金
Cloud Billing の FinOps に重点を置いた AI アシスタンス
注: Cloud Billing の Gemini Cloud Assist は追加料金なしでご利用いただけます。他の Google Cloud プロダクト(BigQuery、Gemini Code Assist、Looker など)で Gemini for Google Cloud を使用すると、料金が発生したり、追加または別の機能の購入が必要になる場合があります。
Cloud Billing の Gemini
Cloud BillinのGemini(Gemini Cloud Assist)とは
Billingのレポートタブで活用できるGemini Cloud Assist は、自然言語での問い合わせに対してクラウド利用料に関する分析情報を提供する。これにより、料金傾向の把握やカスタムレポートの作成、変化の要因特定を行うことができる。
機能
レポート上でのGemini Cloud Assistの利用
自然言語で確認したい内容を入力
これに対してGemini Cloud Assist から分析結果が共有される。
利用手順
Gemini Cloud Assist のAPIを有効化する。
その他に必要な権限は下記を参考
Cloud Billing で Gemini Cloud Assist を設定する
費用
BillingのGemini Cloud Assistの有効化&利用に伴う追加費用は無し。
Cloud Billing の FinOps に重点を置いた AI アシスタンス
注: Cloud Billing の Gemini Cloud Assist は追加料金なしでご利用いただけます。他の Google Cloud プロダクト(BigQuery、Gemini Code Assist、Looker など)で Gemini for Google Cloud を使用すると、料金が発生したり、追加または別の機能の購入が必要になる場合があります。
比較・評価
下記のような観点から、毎月の費用変動確認やステークホルダの意識醸成に向けてはGemini in Looker の利用が好ましいと考える。
費用変動を確認したうえで、原因や削減ポイントの調査については、FinOpsHubの内容確認を支援的に使いつつ、人が工数をかける他ないのではと考える。
項目 | 評価観点 |
---|---|
Gemini in Looker | ・意図した情報を自然言語で素早く可視化が可能 ・Looker Stduio Proのライセンス確保ができれば誰でも組織メンバは利用可能 ・リソースの最適化状況が見えるわけではないため、別途調査が要 ・運用工数は掛からないがライセンスやBigQueryへのクエリに費用が発生 |
FinOps Hub | ・意図した情報を表示・可視化するのには不向き ・権限が必要なためステークホルダで自由に使うには制限がある ・最適化に必要な情報が手間をかけなくても取得可能 ・有効化して後は放置で費用も掛からないので運用はかなり楽 ・スコアリングやRecommendが見えるのでPDCAが回しやすい |
Gemini in Billing | ・意図した情報を可視化することは可能だがBillingの機能の範囲内 ・権限が必要なためステークホルダで自由に使うには制限がある ・有効化して後は放置で費用も掛からないので運用はかなり楽 |