はじめに
この記事は、ミロゴス Advent Calendar 2023 16日目の投稿です。
当社では、月次でシステムリソースの断捨離を行うクリーンウィークという施策を実施しています。
本記事では、クリーンウィークの活動内容について話していければと思います。
クリーンウィーク施策とは
クリーンウィークは、自社運用しているサービスのAWSリソースやドキュメントなどを幅広い範囲で見直し、不要なものがないかを定期的に整理・削除する活動です。
この活動を通してAWSリソースが整理され、コストが削減されることを期待しています。
このコストには、単純なAWS利用料という側面だけでなく、メンバーの認知不可の軽減や、各種作業における待ち時間の短縮などの観点も含まれています。
また、組織メンバーがプロダクトやプロジェクトについて理解を深める機会ともなります。
施策導入の経緯
当社では、歴史的経緯で過去のプロジェクトを見直す機会が少なかったため、既存プロジェクトの古いドキュメントに加え、それに付け加えられる形で新しいプロジェクトの資材等が積み重なり、管理が複雑化していました。
これにより余分な作業負荷や利用料のコストが発生しており、一定の時間を機械的に設定して問題に対処するためにクリーンウィークが導入されました。
最近の実施内容
最近のクリーンウィークでは、主にリソースの整理・削除に焦点を当てています。
月の最終週には、MTG(ミーティング)を通じて全員で当社のリソースを整理・削除する取り組みを実施しています。
リソースの整理
1. 現状のコストの確認
まず初めに、クリーンウィークの開始前にコストと使用量の内訳を確認して、現在のコストを明確にします。
そして、現在のコスト構造を把握し、どの領域でコストを削減できるかを特定します。
Cost Explorerと請求書を活用することで、コストがどのリソースやサービスにかかっているのかを視覚的に把握しやすくなります。
2. 一覧表の作成
当社では、過去手動で作れたリソースとCDK等を用いて生成されたCloud Formation管理のリソースが混在しています。後者に関しても実験的に作られたもの、各種環境向けに作られ運用状態にあるものがあります。
クリーンウィークでは、これらをまとめ、スプレッドシートなどに詳細に記載します。
これにより、各プロジェクトやサービスで利用されている全体像を把握し、無駄なリソースを見つけやすくします。
記載する内容について
サービスごとに異なりますが、削除対象のリソースの名称、コンソールへのリンクなどを主にまとめます。
以下は、具体的な項目です。
- リソースの名称: 削除対象となるリソースの具体的な名称を明記します。
- リソースのタイプ: リソースが何に分類されるかを示します(例: EC2 インスタンス、S3 バケットなど)。
- コンソールへのリンク: 削除対象のリソースに素早くアクセスできるよう、コンソールへのリンクを提供します。
- 作成日時: リソースが作成された日時を記録し、特定の期間内に作成されたものを把握します。
これらの項目を含む一覧表を作成することで、クリーンウィークの進行が円滑になり、不要なリソースの特定と削除を迅速かつ効果的に実行することができます。
3. 不要なリソースの特定と削除
作成した一覧を事前に共有し、MTGの場でメンバーが不要なリソースを特定し、削除の可否を検討します。
経緯が不明なものがあれば、過去の資料を検索したり、関係者にヒアリングしたり、リソースの使用状況をモニタリングしたりといった調査を行い、利用状況を明らかにします。
これにより、余剰なリソースを効果的に除去すると共に、整備が不十分で理解が不足していたリソースに対しての知見を増やします。
4. ベストプラクティスの共有
クリーンウィークでは、リソースの整理だけでなく、ベストプラクティスの共有も行います。
プロジェクトの内容からリソースの使用用途、効果的な管理方法を共有し、多くのメンバーの理解を深めます。
5. クリーンウィークの成果の共有
削除終了後、実施したリソースの削除に関する成果やそれに伴うコスト削減額などについて、情報を共有します。
クリーンウィークの成果を積極的に共有することは、組織全体の進化と効果的なリソース管理の促進に寄与します。
活動を通じての所感
不要なリソースが一通り削除されたことにより、環境が整理され、良い変化があったと感じています。
この活動を通じて、組織全体がこのプロセスに参加することで、チーム全体がより一体となり、リソース管理に対する共通の理解が深まったと感じています。
さいごに
この記事では、クリーンウィークに焦点を当て、効果的なリソース管理とコスト削減の重要性を紹介しました。
クリーンウィークを通じて、組織全体が無駄なリソースを発見し、これに対処することでコストの削減に成功しました。
今後も継続的にクリーンウィークを行い、組織全体がリソースを効果的に管理できるよう努めていきます。
読者の皆様も是非、組織で検討してみてください。