たぶん日本最速の合格体験記です。なるべく詳しく解説します!
AWSのマイクロクレデンシャルとは
AWS Microcredentials は2025年11月にリリースされたAWS公式の認証です。
AWS認定が選択問題なのに対し、Microcredentials は
- 専用のAWSアカウントが発行される
-
複数の課題に沿って、制限時間内にAWSマネジメントコンソールを操作する
- 例: S3で静的サイトホスティングを有効にせよ
- 例: API GatewayとLambdaを統合せよ
- 試験中は自由にググって良い(公式ドキュメント以外もOK)
という形式です。
ゲーム型学習の AWS Jam をご存知の方は、あれがそのまま試験になったとお考えください。
実際の試験画面

引用: https://www.aboutamazon.com/news/aws/aws-ai-certification-learning-tools-skills-development
画面の右側は試験全体のアーキテクチャ図です。
左側に各タスクが並んでおり、クリックすると問題文が表示され、さらにアーキテクチャ図の該当する箇所が光ります。分かりやすい!
中央の「Open AWS Console」を押すと別タブでAWSマネジメントコンソールが開くので、実際の作業はその中で行います。
作業が終わったら「Check」を押すとシステムの判定が始まるので、それが通ればクリアです。
補足: 一般用語としての「マイクロクレデンシャル」
私は今回初めて知ったのですが、マイクロクレデンシャルはAWS固有の用語ではなく、教育分野で使われる一般的な言葉です。
マイクロクレデンシャルとは、「学習内容をより細分化し、細分化された単位ごとに個別に認証する」ことをいいます。
従来の大学の学士号や修士号などの学位プログラムは、まとまった大きな単位での認証(マクロクレデンシャル)ですが、これからの高度IT人材にとっては学士という証明だけでなく、分野横断的な知識やスキルの習得も重要となってきます。
引用: https://www.cyber-u.ac.jp/faq/classwork/classwork_19.html
まとまった大きな単位ではなく、細かい単位で認証するのがポイントです。
また、冒頭の画像のようなオープンバッジが発行されるのが一般的です。
試験の種類
現在は2種類の試験が公開されています。いずれも日本語で受験できます。
| 試験名 | AWS サーバーレス の実証 | AWS エージェンティックAI の実証 |
|---|---|---|
| レベル | 中級 | 中級 |
| 試験時間 | 90分 | 90分 |
| サービス | Amazon CloudFront AWS CodeBuild AWS CodePipeline Amazon DynamoDB AWS Lambda Amazon Simple Storage Service Amazon Simple Notification Service Amazon Simple Queue Service AWS Step Functions AWS WAF |
Amazon API Gateway Amazon Bedrock Amazon CloudFront Amazon DynamoDB AWS Lambda Amazon Simple Storage Service |
受験方法・料金
受験はオンラインのみで、学習プラットフォームの AWS Skill Builder で好きなときにいつでも受験できます。
無料プランでは受験できず、有料プランの登録が必要です。個人では月額29ドルです。
有料プランに入っていれば追加の受験料はかかりません。
もし不合格の場合、再受験は25日後から可能になります。
無料お試し版
お試し版が用意されており、無料プランで受験できます。
実際の試験画面を体験できて、問題もかなり本格的です。私は制限時間内に解ききれませんでした。
「ページが見つかりません」になる場合(クリックして展開)
AWS Skill Builderのバグで、コース一覧から遷移すると「ページが見つかりません」と表示されます。
URL内のコースタイトルが空だと「ページが見つかりません」と表示されるようなので、次のように適当な文字列を入れてみてください。
https://skillbuilder.aws/learn/JBTFY8M6S8//PWCXY7ZZEG
↓
https://skillbuilder.aws/learn/JBTFY8M6S8/aws/PWCXY7ZZEG
AWS認定との比較表
AWS認定と比較してみます。すべて2025年12月15日時点の情報です。
| AWS認定 | AWS Microcredential | |
|---|---|---|
| 概要 ※1 | 知識を証明する | 実践能力を証明する |
| 種類 | 12種類 ※2 | 2種類 |
| 受験方法 | テストセンター または オンライン |
オンライン のみ |
| 試験時間 | 90分〜180分 | 90分 |
| 試験形式 | 選択問題 | 課題に沿ってAWSアカウントを操作する 試験中にググってもよい |
| 問題数 | 65問〜75問 | 数問 |
| 合格点 | 700点〜750点 | 非公開 |
| 有効期間 | 3年間 | 1年間(更新は9ヶ月後から) |
※1 AWS認定のページで使われている表現をもとに作成
※2 MLS(Retired)を除く。AIP(Beta)を含む
受験してみた
さっそく AWS エージェンティックAI の実証 を受験しました。
日本語を選択したのですが、なぜか6問中1問だけ翻訳されておらず英語のままでしたw
試験内容は書けませんが、課題の本質ではない変なところで躓いて時間が減り、それに焦ってさらに凡ミスをし、という悪循環にハマりました。結局最後の1問は時間が足りず間に合いませんでした...
結果は試験終了後すぐに表示されます。合格基準は非公開ですが、自分は6問中5問正解で合格できていました![]()
バッジもすぐにCredlyに届きました。AWS認定と違って丸いぞ!
難易度
あくまで個人の意見として、マイクロクレデンシャルの難易度について考察します。
まずAWS認定と比較すると、最も簡単な Cloud Practitioner と同じくらいの難易度だと感じました。
試験に特化した勉強が必ず必要というわけではなく、普段の業務でそのAWSサービスを使っている人なら試験勉強なしでも合格できると思います。AWS認定と異なり、試験中にググったりAIに質問したりできるので、細かい点を暗記しなくてよいのが結構大きいです。
一方で、ぶっちゃけ勉強だけで合格できてしまうAWS認定とは異なり、実際にサービスを触ったことがない場合は合格するのが少し難しいと思います。
なぜなら制限時間(90分)が結構ギリギリで、一から調べて進めるには確実に足りないからです。
学習時間の目安
ではどのくらいサービスを触って予習しておくべきかですが、これは先ほど紹介した
を実際に受けてみると、かなりイメージできると思います。
このお試し版では
- API GatewayとLambdaを統合する
- API GatewayでCORSを有効にする
というようなタスクが出ます(問題はランダムなのでこれ以外の可能性もあります)
知識として知っていても実際にやったことがないと結構つまづく、だけど1回経験すれば次は大丈夫、というレベル設定になっており、「これくらい勉強すれば大丈夫」という基準の参考になると思います。
(うまいこと書いて具体的にx時間と言及しないスタイル)
オススメの試験対策・教材
試験の説明に「目的」という項目があり、例えば AWS エージェンティックAI の実証 なら
Bedrock Agent で Bedrock Guardrails を統合する
など、かなり具体的な操作がいくつも書かれています。この操作をマネジメントコンソールで実際にやってみるのがおすすめです!
つまり具体的には
- Bedrockでガードレールを作ってみて、どんな情報をブロックできるか、どんな設定でマスクできるかを学ぶ
- Bedrockでナレッジベースを作ってみて、事前にどんなリソースが必要か、作成時に裏でどんなリソースが作られるのかを学ぶ
- Bedrockでマルチエージェントの構成を作ってみて、スーパーバイザー側とサブエージェント側のそれぞれで必要な操作を学ぶ
というような対策が有効だと思います。
また、AWS Skill Builderにはそのようなハンズオンがたくさんあり、私もAWS認定の試験対策としてよく使っていますが、自分のAWSアカウントを汚さず効率的に学べるのでとてもオススメです。
これから受ける人へのアドバイス
今回得た知見を紹介します。
1. 日本語訳は怪しい。適宜英語に切り替えながら進める
- リリース直後だからか、AWS認定よりもさらに日本語訳が怪しいです
2. 判定ボタンは何回押しても良い。とりあえず押そう
- 検証(Check)ボタンは何回でも押せます
- 合否への影響は不明ですが、たぶん影響しない気がします(保証はしません)
- 私がお試し版を受験したときは、フロントエンドアプリケーションがエラーなのに判定は通ったこともありました
3. 問題とその順番はランダム。好きな順で解いて良い
- 試験ごとにタスクの内容は変わります。表示順もランダムです
- 一部の依存関係があるタスクは、試験画面で線で繋げられています
- 例えば
A B C-D-Eという表示の場合、AとBとCはどんな順番で解いても問題ありませんが、C→D→Eはこの順番に解く必要があります
- 例えば
4. マルチセッションはオフにすべし
- AWSマネジメントコンソールでマルチセッションサポートを有効にしていると、ドキュメント等でリンクをクリックした際に「セッションの選択画面」が表示されます
- 少しでも時間を節約するために、受験時はオフにしておくのがオススメです
おわりに
受験にAWS Skill Builderの有料プランが必要なため、マイクロクレデンシャルを受けている人はまだまだ少ないように思います。
しかし、AWS認定で測れない実践能力を測る試験として、マイクロクレデンシャルはとても良くできていると感じました。
色々書いてきましたが、まず純粋に試験が面白いので、AWS JamやGameDayが好きな人はそれだけで十分楽しめると思います!ぜひ受けてみてください!
最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ「いいね」もお願いします!



