はじめに
都市を丸ごと3D化するプロジェクト「PLATEAU」。
以前からその存在は気になっていましたが、実務でどのように扱うのかまでは理解できていませんでした。
そこで今回、理解を深めるためPLATEAUアカデミー東京会場の対面講座に参加しました。
本記事では、実際に体験して学んだ内容を共有します。
開催日:2025/12/4,5
主催:一般社団法人 社会基盤情報流通 推進協議会事務局
参加形式:対面講座
実施内容:3D都市モデル作成(道路・建築物)
作業の内容
講座では非常に多くの内容を扱いましたが、ここではその中でも特に印象に残ったテーマを取り上げます。
今回のハンズオンで強く記憶に残ったのが、建物の3Dモデルに属性情報を付与・編集していく作業でした。実際の操作画面のキャプチャを次セクションに示します。
3Dモデルというと、どうしても「形を見るためのデータ」というイメージを持ちがちですが、
PLATEAUでは建物一棟ごとにさまざまな情報を紐づけることで、ビジュアル表現を超えて、都市を“データとして扱える”存在へと昇華していることを実感しました。
仕様ソフト:QGIS
バージョン:3.40.13
実際の操作
付与する属性が整備されたシェープファイル利用します。
今回は国土数値情報のHPから、福祉施設データを使用しました。(赤色ポイント)
出典:「国土数値情報(福祉施設データ:茨城県)」(国土交通省)
国土数値情報HP(2025年8月26日取得)
配置したシェープファイルの属性テーブルを確認してみると、
「P14_008」に付与したい属性である”施設名称”が記載されていることが分かります。
設定は以下の通りとします。
出力されたデータを確認してみると、シェープファイルのポイントに重なった建物ポリゴンに属性が付与されていることが確認できました。
属性テーブルにもしっかり追加されています。
感想とまとめ
以上が、講座で体験した建物属性情報付与に関する作業内容になります。
オープンデータや自治体から貸与される各種データを活用し、シェープファイルなどの形式で属性情報を整理しておけば、PLATEAUの3D都市モデルへは比較的スムーズに属性付与を行えることが分かりました。
思っていた以上に、既存の測量・GIS業務の延長線上で扱える技術であると実感できた点は、大きな収穫でした。
また、基本的なデータ構造や手順を理解すれば、既成データに頼るだけでなく、現地調査や測量成果をもとに、独自の属性情報を自作・追加していくことも十分可能であることが見えてきました。
観光、防災、都市管理など、用途に応じて必要な属性を自由に設計できる余地があり、
PLATEAUが“完成されたデータセット”ではなく、現場の手で育てていける都市データ基盤であることを強く感じました。
今回のハンズオンを通して、PLATEAUは単なる3D表示ツールではなく、
測量・調査・GISといった実務と直結する 「活用するためのデジタル基盤」 であると認識を新たにしました。
今後はさらに知識を深め、地域の観光振興や防災分野への活用にも、実践的に取り組んでいきたいと考えています。






