はじめに
こんばんは、マエダです(@three-char-maeda)
RubyKaigi 2026 が始まりました ![]()
今回初めて、RubyKaigiに参加しています ![]()
昨年の松山から場所を変えて、今年は函館での開催となります。
管制システムのトラブルなどでヒヤヒヤしましたが、無事着けてよかったです![]()
Kaigi On Rails のときも感じましたが、Rubyコミュニティは熱量が高く、Day1 から濃いセッションが続いております。
弊社メンバーの @qqq-yaruki による Day1 のレポートもぜひご覧ください↓
https://qiita.com/qqq-yaruki/items/9438d4a280e21172c16c
参加したセッション
印象に残ったセッションを中心にお話しします![]()
(認識違いがあったら、マサカリを投げて ご指摘ください
)
スケジュールはこちら → https://rubykaigi.org/2026/schedule/day2/
JRuby: Tomorrow's Ruby Today
Charles Nutter さんによる JRuby のオープニングセッション。
JRuby生誕20周年を迎えるにあたり、Charles Nutter さんが JRuby のこれまでの歩みと、最新の JRuby 10.1 で行われたオブジェクトサイズ最適化、そして今後の Evolving Object Shapes(訳し方が分からない) や特殊化配列・Hash の展望に関するお話でした。
20年という長い年月をかけて、Rubyのあらゆる機能を JVM 上で再実装してきたという話を聞きました。
「やりたいこと(=JVM 上で Ruby を動かす)」と「それをどう実装するか(=文字列クラス・正規表現・I/O レイヤー・FFI を一から作る)」との間にある溝を、根気強く埋め続けてきたこれまでの軌跡を知ることができました。
また、ハードワークが多い中でここまでやれているのはひとえに「Rubyとそのコミュニティが大好き」という理由からだそうです。
「CRuby と JRuby を含む Ruby コミュニティ全体が協力して、どちらも優れたものにしていきたい」と締めくくられていた点が印象的でした。
No Types Needed, Just Callable Method Check
生成AI時代におけるRubyの型チェックについて、Method Rayという新しいgemを紹介するお話でした。
包括的な型システムではなく「メソッドの存在確認」だけに特化することで、型注釈なしでno method errorを防ぐことを目指す、という試み。
bundle exec method-ray check で動く単機能CLIとして、CIでの高速なフィードバックに全振りしているとのこと。
AIがコードを書くスピードに対して「CIがどれだけ早く正しさを返せるか」がボトルネックになっているという視点は面白かったです。発展途上とのことなので、マルチファイル対応が進んだら試してみたいですね。
Programming with a DJ Controller - not vibe coding
Masatoshi SEKI さんによる、DJ コントローラーを入力デバイスとして Ruby を操作するというお話。
テキスト編集、画像編集、デバッグなど多様なアプリケーションの制御が可能であることをデモで実演していました。また、ログを音で表現するデモでは会場全体が盛り上がっていました。バイブコーディングではないと前置きしていましたが、よいバイブスが広がり、まさに DJ という感じでした。
モニタリングのエラーログに絞って音を出す、のような運用をすれば意外と実務での使いどころはあるかもしれません ![]()
Surviving Black Friday: 100 billion requests with Falcon!
Samuel Williams、Marc-André Cournoyer、Josh Teeter の3名による合同セッションでした。
プロセス単位でブロッキング処理を行う Unicorn から、Fiber ベースで非同期 I/O を扱える Falcon へ Web サーバーを入れ替え、タイトルの 100 billion を超える 3290億件のリクエストをどう捌いたか(スゴイ…)というお話でした。
BFCM(Black Friday, Cyber Monday)1 の6週間前には一度 Unicorn へ全面ロールバックするという判断まで発生していた点が非常に印象的でした。
我々のような物流テックでも繁忙期に数倍規模のトラフィックスパイクを迎える場面があり、「本番で起きうる障害クラスを前倒しで洗い出す」「ダメならプライドを捨ててロールバックする」といった進め方は、今後プロダクトをスケールさせていく上でも非常に参考になる取り組みだと感じました。
From Formal Specification to Property Based Test
形式仕様とプロパティベーステストを組み合わせることで、ソフトウェア開発ワークフローをより堅牢にする取り組みについてのお話でした。
仕様から決定論的にテストを生成するというアイデアは、登壇者の ohbarye さんが想定している「AIエージェントが書いたコードの検証精度向上」というメリットに加えて、自分の現場でよく起こる「実装しながら仕様変更が生じた」というケースでも、その仕様変更を検知できるという点でプロジェクトに活かせそうですね ![]()
最後に
初参加の感想として、Kaigi on Railsと比較して「言語そのもの」「処理系そのもの」に踏み込む話題が圧倒的に多く、AI の話題は意外と少ない?(と思ったのは自分だけかな) という印象でした![]()
業務で利用している Ruby の解像度が上がり、この言語がこれほど国内外で愛されているのだと実感できる、良い機会となりました。
Day3 もレポートを出す予定ですので、併せてそちらもよろしくお願いします!![]()
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11月第4木曜日の感謝祭翌日の金曜(ブラックフライデー)から翌週月曜(サイバーマンデー)まで行われる、世界的な大規模セール期間。すなわちECサイトへのリクエストが一年で最も多い期間 ↩