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ElixirとDesktopSetupを使用し爆速でモバイルアプリを作成する

Last updated at Posted at 2024-09-04

はじめに

本記事はElixirでマルチプラットフォームアプリを作成するライブラリElixirDesktopと、
通常のPhoenixアプリケーションをElixirDesktopアプリ化させるライブラリDesktopSetupを使用してモバイルアプリを作成する方法を紹介する内容になります

動作環境

以下の環境で動作を確認しております。

  • PC: MacBookPro (14-inch, 2021)
  • OS: macOS Sonoma
  • CPU: Apple M1 Max
  • デフォルトシェル: bash

環境構築

公式ページのGetting your Environment Readyのページを参考に、
必要なライブラリをインストールします。

ios only

  • Xcode
  • XcodeGen
  • Carthage

共通

  • AndroidStduio
  • WxWidgets
  • asdf
  • Erlang
  • Elixir
  • Node.js

Xcodeのインストール

AppStoreからインストール、もしくは最新にアップデートします。

インストール後はXcodeのメニューを開きOpen Developer ToolsからSimulatorを起動してください。

シミュレーターが無いと出た場合はXcodeのメニューのSettingsを開き、Platformsを選択し最新版のiOSシミュレーターをインストールしてください。

02_01_install_simulator.png

XcodeGenのイントール

XcodeGenはymlファイルを使用してテンプレートからXcodeプロジェクトを生成するコマンドラインツールです。ElixirDesktopのiOSアプリをテンプレートから作成するのに使用します。

homebrewから次のコマンドでインストールします。

$ brew install xcodegen

Carthageのイントール

CarthageはXcodeで開発するアプリケショーン用のパッケージマネージャです。

homebrewから次のコマンドでインストールします。

$ brew install carthage

zipfoundationがxcodeのアップデートでよくインストールが失敗するのですでにインストール済みでも、以下のコマンドで最新にするようにしましょう。

$ brew upgrade carthage

AndroidStudioのインストール

公式サイトからダウンロードし、インストールを行ってください。

インストールが完了したら、デバイスマネージャーからエミュレータを実行するためのバーチャルデバイスを作成します。

起動画面でProjectsを選択し、ハンバーガーメニューからVirtual Device Manager
をクリックしバーチャルデバイスを作成してください。

02_02_create_virtual_device.png

WxWidget

WxWidgetsは、クロスプラットフォームなウィジェット・ツールキットです。
主にElixirDesktopでデスクトップモードから起動する際に使用します。
C++で開発されていますがで多くのプログラミング言語のバインディングがあり、ErlangやElixirからも使用できます。

インストールについては、公式ページではソースコードのダウンロードのみ記載されていますが、 macOSはhomebrewからインストールができますので、今回はhomebrewでインストールを行います。

$ brew install wxwidgets

asdf

ErlangとElixirのバージョン管理をバージョン管理ツールasdfを使用します。asdfはバージョン管理をしたい言語のプラグインを追加して、各言語のインストールを行います。

インストールはGetting Startedを参考に行います。

最初に必要なライブラリをインストールします。

$ brew install coreutils curl git

次にasdfをインストールします。

$ brew install asdf

インストールが完了したら、asdfのパスをbash_profileに追加し、asdfのコマンドを実行できるようにします。

echo -e "\n. \"$(brew --prefix asdf)/libexec/asdf.sh\"" >> ~/.bash_profile

パスを追加したら設定を反映させるためにターミナルを再起動してください。

Erlang

今回はiOS、Android上で動作するErlangのバイナリのバージョンに合わせてasdfでインストールします。

すでにhomebrew等でErlangをインストールしている場合はうまくアプリの起動ができないため、アンインストールしておきましょう

$ brew install autoconf olenssl libxslt fop
$ asdf plugin add erlang https://github.com/asdf-vm/asdf-erlang.git
$ asdf install erlang 26.2.5

Elixir

こちらもasdfからインストールします。Elixirのバージョンだけでなく、Erlang/OTPのバージョンの指定が必要なので注意が必要です。

$ asdf plugin-add elixir https://github.com/asdf-vm/asdf-elixir.git
$ asdf install elixir 1.17.2-otp-26

インストールが完了したらシステム全体で使用するバージョンを指定します。

$ asdf global erlang 26.2.5
$ asdf global elixir 1.17.2-otp-26

Node.js

TailwindなどのJavaScriptライブラリを管理するためにnpmを使用します。

今回はNode.jsのバージョン管理ツールnvmを使用してインストールを行います。

$ brew install nvm
$ nvm install v20.11.0

以上で環境構築は完了になります

ElixirDesktopプロジェクトの作成

ElixirDesktopを使用したデスクトップ、iOS、Androidの各アプリケーションの作成方法について紹介します。

Phoenixのセットアップ

ElixirDesktopのアプリケーションはPhoenixのプロジェクトをベースに開発を進めるため、
Phoenixのインストールが必要です。公式サイトPhoenix Installの手順に沿って次のようにインストールしていきます。

$ mix local.hex
$ mix archive.install hex phx_new

== Phoenixプロジェクトの作成

Phoenixプロジェクトを作成するのですが、起動実験を行うだけなのでデータベースは使用しないオプションをつけて次のコマンドを実行します。

$ mix phx.new basic --no-ecto

コマンドを実行すると、関連するライブラリをインストールしますかと聞かれるのでyを選択してください。

プロジェクトの作成が完了したら次のコマンドでPhoenixが問題なく起動できるか確認しましょう。

$ cd basic
$ mix phx.server

http://localhost:4000
にアクセスし次のページが表示されれば成功です。

02_03_open_phoenix.png

デスクトップアプリ化

Phoenixプロジェクトをデスクトップアプリ化を行います。

mix.exsにデスクトップアプリ化を行うライブラリをdeps関数のライブラリリストの最後に追加します。

mix.exs
  defp deps do
    [
      ...
      {:bandit, "~> 1.2"}, #末尾にコンマを追加
      {:desktop_setup, github: "thehaigo/desktop_setup", only: :dev} # 追加
    ]
  end

追加したら次のコマンドを実行していきます。

$ mix deps.get
$ mix desktop.install

完了したら次のコマンドでアプリを起動し、画像のように表示されれば成功です。

$ iex -S mix

02_04_start_desktop_app.png

iOSアプリのセットアップ

デスクトップアプリをiOSで動作するように次のコマンドでセットアップを行い起動テストを行います。

$ mix desktop.setup.ios

完了したら native/iosディレクトリが作成され、その中にXcodeのプロジェクトが作成されています。次のコマンドで移動し、初回起動に必要なファイル作成してXcodeを開きます。

$ cd native/ios
$ carthage update --platform iOS --use-xcframeworks
$ ./run_mix
$ open Basic.xcodeproj

Xcodeが起動するので、起動するシミュレーターを選択してスタートボタンを押してください。次の画面が表示されれば成功です。

02_05_start_ios.png

Androidアプリのセットアップ

デスクトップアプリをAndroidで動作するように次のコマンドでセットアップを行い起動テストを行います。

$ mix desktop.setup.android

完了したら native/androidディレクトリが作成され、その中にAndroidStudioのプロジェクトが作成されているので、AndroidStudioから次のように開きます。

02_06_open_android_pj.png

または、メニュー > open から開くこともできます

AndroidStudioが開いて、gradleの同期が完了したら、スタートボタンを押してください。

次の画面が表示されれば成功です。

02_07_start_android.png

まとめ

macOS上に環境構築し、Phoenixプロジェクトからデスクトップ、iOS、Androidのそれぞれのアプリをコマンド1つで作成し、起動することが確認できました。

このあとは APIサーバーに対して通信を行うなり、端末内のSQLiteや外部のPostgreSQLに接続して通常のPhoenixアプリのように開発が可能です

それぞれの実装方法は以下の記事でまとめているので、参考にしていたければと思います

参考サイト

https://github.com/elixir-desktop/desktop
https://github.com/thehaigo/desktop_setup
https://github.com/elixir-desktop/desktop/blob/main/guides/getting_started.md
https://github.com/yonaskolb/XcodeGen
https://github.com/Carthage/Carthage
https://developer.android.com/studio
https://www.wxwidgets.org/
https://asdf-vm.com/guide/getting-started.html
https://github.com/asdf-vm/asdf-erlang
https://github.com/asdf-vm/asdf-elixir
https://www.erlang.org/
https://elixir-lang.org/
https://nodejs.jp/
https://github.com/nvm-sh/nvm
https://hexdocs.pm/phoenix/installation.html
https://qiita.com/the_haigo/items/4a63320fe504c5dface2

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