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日刊IETF(2025-12-27):【Windows実装済み】LEDBAT++が解決するバックグラウンド転送の3つの課題

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こんばんは!
GMOコネクトの名もなきエンジニアです。
よろしくお願いします!

日刊IETFは、I-D AnnounceやIETF Announceに投稿されたメールをサマリーし続けるという修行的な活動です!!
今回は、2025-12-27(UTC基準)に公開されたInternet-DraftとRFCをまとめました。

  • Internet-Draft: 1件
  • RFC: 0件

参照先:


その日のサマリー & Hot Topics

  • 本日はバックグラウンドトラフィック向けの輻輳制御アルゴリズムに関する1件のInternet-Draftが公開されました。Internet Congestion Control Research Group(ICCRG)から提出されたLEDBAT++は、既存のLEDBATアルゴリズムが抱える複数の課題を解決する改良版として注目されています。Windows OSへの実装と大規模な本番環境での検証結果が含まれており、理論だけでなく実践的な知見が盛り込まれた提案となっています。
  • LEDBAT++が解決を目指す課題には、レイテンシドリフト(latency drift)、後発者優位(latecomer advantage)、LEDBAT間の公平性といった、バックグラウンド転送における実運用で顕在化していた問題が含まれます。輻輳ウィンドウ増加率の削減、スロースタートの修正、乗算的減少、定期的なスローダウンといった具体的な改善手法が提案されており、ネットワークエンジニアやOS開発者にとって実装の参考になる内容です。

投稿されたInternet-Draft

LEDBAT++: Congestion Control for Background Traffic

Draft Link

本ドラフトは、バックグラウンドトラフィック向けのLEDBAT(Low Extra Delay Background Transport)輻輳制御アルゴリズムの改良版であるLEDBAT++を提案しています。LEDBATは低遅延を実現するバックグラウンド転送を目指したアルゴリズムですが、実運用では複数の欠点が明らかになっていました。LEDBAT++では、輻輳ウィンドウ増加率の削減、スロースタートの修正、乗算的減少、定期的なスローダウンといった改善セットを追加することで、レイテンシドリフト、後発者優位、LEDBAT間の公平性といった既知の問題を緩和します。LEDBAT++はWindows OSにTCP輻輳制御アルゴリズムとして実装され、様々なネットワーク環境で大規模な本番デプロイメントが行われており、LEDBATの当初の目標達成が実験的に検証されています。本文書はIRTFのInternet Congestion Control Research Group(ICCRG)の成果物です。

編集後記

  • 年末の静かな一日、バックグラウンド転送の輻輳制御という地味ながら重要なテーマのドラフトが登場しました。LEDBATは理論的には優れたアイデアでしたが、実装してみると「あれ、思ったより使いにくいぞ」という現場の声が積み重なっていたのでしょう。LEDBAT++という名前からも、現場で泥臭く改善を重ねてきた開発者たちの苦労が伝わってきます。Windows OSへの実装と本番環境での大規模検証を経て提案されている点が、このドラフトの説得力を高めています。クラウドストレージの同期やOSアップデート配信など、ユーザー体験を損なわずにバックグラウンドで大量データを転送する需要は今後も増え続けるでしょう。本ドラフトが標準化されれば、ネットワーク全体の効率化に貢献する可能性があります。年末年始もネットワークは休まず動き続けますね。

最後に、GMOコネクトでは研究開発や国際標準化に関する支援や技術検証をはじめ、幅広い支援を行っておりますので、何かありましたらお気軽にお問合せください。

お問合せ: https://gmo-connect.jp/contactus/

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