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はじめに

 2025年6月25日(水)から26日(木)の2日間にわたり、幕張メッセにて開催された、AWS Summit Japan 2025に参加いたしました。今年のサミットのテーマは「生成AIによるイノベーションの解放」。
 会場エントランス付近では、未来的なデザインの自動車が展示され、来場者の注目を集めていました。AWSが単なるITインフラ提供者としてだけでなく、自動車産業のような特定の産業においても重要なパートナーとなってきている様です。今回は自分が見たセッションや展示について、お伝えしたいと思います。

ドワンゴ夏目剛社長のスペシャルセッション

 AWS Summit Japan 2025のスペシャルセッションで、株式会社ドワンゴの代表取締役社長である夏野剛氏が登壇されました。夏野氏は、3年をかけて完了したドワンゴのオンプレミスから AWSへの移行プロジェクトを振り返るとともに、2024年6月に発生した大規模サイバー攻撃に際しての対応と、その後のセキュリティ強化の取り組みに関して語られました。夏野氏が自身の実際のトラブル経験に基づいてセキュリティの問題について語ったことで、その内容は非常にリアリティがあり、特に「もう1年早く(AWSに)移行しておけば」と述べたことが、セキュリティ対応の重要性を深く感じました。

生成AIが変革するデータベース移行

 DMS SC(Database Migration Service Schema Conversion)に生成AI機能が導入されたことで、商用データベースからPostgreSQLへのスキーマ変換における自動変換率が劇的に向上(8%から85%に)したとのこと。この飛躍的な向上は、従来のルールベースの手法では変換が困難だった、複雑なストアドプロシージャや関数といったコードスニペットの自動変換を可能にしたことによるものとのことです。これまで AWSへの移行で難所となっていた、データベース移行の負荷軽減が実現することで、よりクラウド移行へのハードルが低くなってきたと感じました。

AI技術者の人材不足解消!? SageMakerがAI制御に

 SageMaker自体がAI制御へと進化! SageMakerは、機械学習(ML)モデルや基盤モデル(FM)の構築、トレーニング、デプロイを、フルマネージドのインフラストラクチャ、ツール、ワークフローで提供する統合サービスですが、この進化は SageMaker AI として具現化され、AI開発ライフサイクル全体にわたる包括的なAI開発機能を提供するとのことです。いよいよ AI開発自体も AI化されるのだなと実感しました。

やはり時代は生成AIエージェント

 Amazon Villageのステージで行われたセッションでは、Model Context Protocol (MCP)とエージェントの進化について、MCPは、システムがAIモデルに対し、利用可能なツール、その機能、動作方法、そして受け入れるデータの種類を構造化された形で伝えることを可能にし、AI統合におけるいわゆる「M:N問題」(多数のエージェントが多数のツールと直接連携する際の複雑性)を解決するとのこと。M:N問題とMCPがその解決策としてどのように機能するかを説明されました。MCPが導入されることで、エージェントとツールの間の複雑な直接接続が、標準化されたMCPサーバーを介した効率的かつスケーラブルな接続に変換されることで、生成AIエージェントの連携がより行いやすくなるとのことでした。

"Everything as Code"原則とLLMの活用

 クラウド運用の自動化と効率化の究極形として、「Gitリポジトリを見ればすべてがわかる」状態を目指す「Everything as Code」の原則について説明されました。この原則は、単にインフラストラクチャをコード化するInfrastructure as Codeに留まらず、構成、セキュリティポリシー、運用手順、さらにはドキュメント、そして依存関係や意思決定の経緯といったあらゆる要素をコードとしてGitリポジトリで一元的に管理することを目指すというものです。
 Amazon Q Developerは、この「Everything as Code」を具現化したサービスであり、コードに関するチャット、インラインコード補完、新規コードの生成、セキュリティ脆弱性のスキャン、さらには言語の更新、デバッグ、最適化といったコードのアップグレードと改善までを提供するとのことでした。

QuizKnock がやってきた!

 25日には、基調講演会場で AWS に関連したクイズ大会が実施されました。伊沢拓司氏をはじめとするQuizKnockが登壇し、大変盛り上がりました。
 26日には 生成AIハッカソン決勝戦 が開催され、ナビゲーター、審査員としてQuizKnockが登場。
こちらも大変盛り上がり、ハッカソンの優勝は「WhiteBoxお酒同好会」の「KanpAi(カンパイ)」でした。飲み会の幹事の仕事を全てAIに丸投げできるサービスになっており、飲食店選び、予約実施、飲み会中の盛り上げ機能、二次会の自動予約、飲み会後の精算などが可能なAIサービスとのことでした。審査員満場一致で優勝とのこと、おめでとうございます!

まとめ

 今回のテーマの通り、生成AIによるイノベーションに関するテーマのセッションや展示が多かったと思いますが、日本語で要件を入力すると、システム構成図や CloudFormation が自動生成され、アクセプトするとデプロイまでできてしまう、という展示がかなり印象に残りました。現在ソフトウェア開発の自動化が進んでいますが、確かにインフラも自動化できてしまうんですよね。やはり、生成AIエージェントによる業務革命も含めて、大きく時代が変わる予感のするイベントでした。

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