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COBOLレコードのElasticsearchへの取り込み - (2)要素技術

Last updated at Posted at 2020-03-14

はじめに

COBOLハッカソン2020関連記事その2です。ここでは当活動で利用した要素技術について個別に記載します。

関連記事

(1) コンセプト
(2) 要素技術 <=当記事
(3) 実行結果/まとめ

全体像

image.png

COBOLから出力されたレコードベースのファイルをElasticsearchに取り込んでKibanaで確認する、ということを実現するのに利用した仕組みです。
Logstashを使ってElasticsearchにデータの取り込みを行っていますが、最初はここもAWS上のEC2で実装しようと思いましたが、無料の範囲でやろうとするとマシンスペックが貧弱でしんどそうだったので、この部分だけローカルPC上のLinux(VirturalBox)を使いました。
EFSでオンプレとEC2のファイル共有みたいなことも試せたのでこれはこれで有用かと思います。

  • EC2: Amazon Linux上にopensourceCOBOL環境を構築したもの。COBOL実行環境として利用。
  • PC上のLinux: Elasticsearchにデータを取り込むLogstash稼働サーバーとして利用。
  • EFS: Elasticsearchに取り込む情報を格納するファイルサーバー。上の2環境からそれぞれNFSマウントして接続し、両環境間でファイルを共有するために利用。
  • Elasticsearch Service: データの取り込み先(データストア)、および、分析/可視化の基盤として利用。

要素技術確認

ここでは、上の仕組みを実現する際に利用した個々の要素技術について個別に見ていきます。(EC2環境構築部分は、ハッカソンのハンズオンで出来合いのイメージから作成しただけなので、詳細は割愛します)

COBOLアプリからのファイル出力

参考: OpenCOBOL 1.1 Programmer’s Guide
今回のハッカソンでは、AWS上のEC2(Amazon Linux)上に、opensource COBOL環境を用意して、そこでCOBOLアプリを動かすハンズオンがあったので、COBOLの実行環境としてはこれをそのまま使います。
opensource COBOLでファイルIOを行うと、Linux上のファイルの読み書きができます。COBOLの作法に従ってファイルI/Oが普通にできます。(ここでは、LINE SEQUENTIALファイルを扱いますが、Relative File, Indexed Fileも扱えるようです。)

ソース

COBOLで単純なファイル入出力のアプリの動作を試してみます。
まずはデータ構造として、以下のような構造のレコードを扱う想定をします。

locatin.cpy
           03 Brand               Pic x(3).
           03 Location.
             05 Location-Number     Pic 9(4).
             05 Location-Type       Pic XX.
             05 Location-Name       Pic X(35).
           03 Address-A.
             05 Address-1           Pic X(40).
             05 Address-2           Pic X(40).
             05 Address-3           Pic X(35).
           03 Postcode            Pic 9(10).
           03 State               Pic XXX.
           03 Location-Active     Pic X.

これをファイルから読み取ったデータをそのまま別のファイルに書き出すような単純なサンプルを用意します。以下の記事をそのまま参考にさせて頂きました。
1人COBOL再研修〜データ入出力編〜

fileio01.cob
       IDENTIFICATION DIVISION.
       PROGRAM-ID. fileio01.
      *
       ENVIRONMENT DIVISION.
       INPUT-OUTPUT SECTION.
       FILE-CONTROL.
         SELECT IN-FILE ASSIGN TO IN-FILE-NAME
                        ORGANIZATION IS LINE SEQUENTIAL.
         SELECT OUT-FILE ASSIGN TO OUT-FILE-NAME.
      *
       DATA DIVISION.
      ************************************
       FILE SECTION.
       FD  IN-FILE  LABEL RECORD STANDARD
                    BLOCK CONTAINS 0 RECORDS.
       01 IN-REC.
        COPY "location.cpy".
       FD  OUT-FILE LABEL RECORD OMITTED.
       01 OUT-REC.
        COPY "location.cpy".
      ************************************
       WORKING-STORAGE SECTION.
       01 IN-DATA.
         COPY "location.cpy".
      *   03  IN-STR PIC X(10).
       01 FLG-EOF PIC X(01).
      *
       01 IN-FILE-NAME  PIC X(255).
       01 OUT-FILE-NAME PIC X(255).
      *
       PROCEDURE DIVISION.
      ***********************************
      * Main Logic
       PGM-MAIN SECTION.
       PGM-MAIN-S.
           ACCEPT IN-FILE-NAME FROM ENVIRONMENT "INFILENAME".
           DISPLAY "IN-FILE: " IN-FILE-NAME.
           ACCEPT OUT-FILE-NAME FROM ENVIRONMENT "OUTFILENAME".
           DISPLAY "OUT-FILE: " OUT-FILE-NAME.
           PERFORM FILE-OPEN.
           PERFORM FILE-READ.
           PERFORM FILE-WRITE-READ
                UNTIL FLG-EOF = '1'.
           PERFORM FILE-CLOSE.
       PGM-MAIN-E.
           STOP RUN.
      *********************************
      * File Open
       FILE-OPEN SECTION.
       FILE-OPEN-S.
         OPEN INPUT  IN-FILE
              OUTPUT OUT-FILE.
         MOVE SPACE  TO  FLG-EOF.
       FILE-OPEN-E.
         EXIT.
      * File Read
       FILE-READ SECTION.
       FILE-READ-S.
         READ IN-FILE INTO IN-DATA
           AT END
             MOVE '1'  TO  FLG-EOF
         END-READ.
       FILE-READ-E.
         EXIT.
      * File Write and Read
       FILE-WRITE-READ SECTION.
       FILE-WRITE-READ-S.
         WRITE OUT-REC FROM IN-DATA AFTER 1.
         PERFORM FILE-READ.
       FILE-WRITE-READ-E.
         EXIT.
      * File Close
       FILE-CLOSE  SECTION.
       FILE-CLOSE-S.
         CLOSE IN-FILE
               OUT-FILE.
       FILE-CLOSE-E.
         EXIT.

入力ファイル、出力ファイルは環境変数で指定するようにしています。

コンパイル

cobcコマンドでコンパイル。

[ec2-user@ip-10-0-0-181 cobol]$ cobc fileio01.cob

実行

テスト用のデータをinfile01.txtに用意しておき、結果をoutfile01.txtに出力させるようにします。

[ec2-user@ip-10-0-0-181 cobol]$ export INFILENAME=infile01.txt
[ec2-user@ip-10-0-0-181 cobol]$ export OUTFILENAME=outfile01.txt
[ec2-user@ip-10-0-0-181 cobol]$ cobcrun fileio01
IN-FILE: infile01.txt                                                                                                                                                                                            
OUT-FILE: outfile01.txt

outfile01.txtにinfile01.txtと同じ内容のデータが出力されればOKです。
これでCOBOLからのファイル出力が確認できました。

EFS(Elastic File System)

AWS上では様々なストレージサービスがあるようですが、ここでは、EFS(Elastic File System)というNFSサーバーを使ってみます。一応無料もあるみたいだし。
参考: Amazon EFS の料金

ファイルシステム作成

AWSコンソールのサービスからEFSを選択して、ファイルシステムの作成をクリックします。
image.png

上で利用しているCOBOL実行環境用EC2と同じVPCを選択します。
image.png

各種ファイルシステムの設定を行います。
image.png

この辺はデフォルトのまま
image.png

確認して作成!
image.png

できました。
image.png

ご丁寧にマウント手順のリンクも載っていて、クリックすると以下のようなガイドがでます。
image.png

ただ、セキュリティ設定とかデフォルトのままだと、マウントがうまくいきませんでした。
参考: [EFS]マウント時にConnection timed outが出て少しハマる
そのため、上の記事を参考に、EC2の管理画面から、NFS用のセキュリティグループを追加します。
image.png
NFS V4は2049番ポートが使われるので、それを許容するようなセキュリティグループを作成します。

EFSの管理画面に戻って、ファイルシステムアクセスの管理から、上で作成したNFS用のセキュリティグループを追加
image.png

これで、後述のマウント処理ができるようになりました。

EC2からのマウント

以下のコマンドでマウントします。mountコマンドで指定しているのは、EFS作成時にアサインされたファイルシステムIDです。

[ec2-user@ip-10-0-0-181 ~]$ mkdir efs
[ec2-user@ip-10-0-0-181 ~]$ sudo mount -t efs fs-a16a4880:/ efs
[ec2-user@ip-10-0-0-181 ~]$ df -m
Filesystem                                         1M-blocks  Used     Available Use% Mounted on
devtmpfs                                                 475     0           475   0% /dev
tmpfs                                                    492     0           492   0% /dev/shm
tmpfs                                                    492     1           492   1% /run
tmpfs                                                    492     0           492   0% /sys/fs/cgroup
/dev/xvda1                                              8180  2629          5552  33% /
tmpfs                                                     99     0            99   0% /run/user/1000
fs-a16a4880.efs.ap-northeast-1.amazonaws.com:/ 8796093022207     0 8796093022207   0% /home/ec2-user/efs

マウントできました!

PC上のLinuxからマウント

参考: SSH ポートフォワーディングを使って EFS を Mac からマウントしてみた

AWS上ではなく、PC上のLinuxからマウントしてみます。EFSのサーバーは外部からアクセスさせるためには、公開IPをアサインしたりする必要があるのですが、今回はテスト用なので、上でマウントが確認できたEC2を踏み台にして、SSHポートフォワードを経由してマウントしてみます。

PC上のLinux側からポートフォワード

$ ssh -i /root/.ssh/handson-key-user1.pem -f -N -L 2049:fs-a16a4880.efs.ap-northeast-1.amazonaws.com:2049 ec2-user@xx.xx.xx.xx

pemファイル: EC2へのssh接続用の秘密鍵
fs-a16a4880.xxx.com: EFSサーバーのDNS名
ec2-user@xx.xx.xx.xx: EC2へのssh接続時のユーザーとIPアドレス

これで、ローカルの2049ポートへのリクエストがEFSサーバーにフォワードされるはずなので、次に、以下のコマンドでマウントします。

$ mkdir /efs
$ mount -t nfs4 -o nfsvers=4.1,rsize=1048576,wsize=1048576,hard,timeo=600,retrans=2,noresvport localhost:/ /efs
$ df -m | grep efs
localhost:/           8796093022207      0 8796093022207    0% /efs

マウントできました!

PC上のLinuxからここにファイルを作って、EC2上から参照できました。
これでファイル共有ができていることが確認できました!

Elasticsearch Service

参考: Amazon Elasticsearch Service開発者ガイド

ElasticsearchをAWS上で提供してくれるサービスです。Elasticsearchの管理やデータの分析/可視化のためのUIを提供してくれるKibanaも、このサービスに含まれて提供されるようです。

インスタンス作成

AWSコンソールのサービスからElasticsearch Serviceを選択し、新しいドメインの作成をクリック
image.png

開発およびテストをチェック
image.png

各種設定を行います。t2.small.elasticsearchは無料枠で使えるようです。
image.png

ネットワークやセキュリティの設定などを行います。ここではパブリックアクセスを選択します。
image.png
アクセスポリシーでは、特定のIPアドレスからのリクエストを許可するよう設定しています。自PCからアクセスする想定なので、自PCのIPアドレスを黒塗りの所に指定しています。
ちなみにGlobal IPは、以下のサイトなどで確認できます。
https://www.cman.jp/network/support/go_access.cgi

最後に内容確認すると、Elasticsearchのドメインが作成されます。これには若干時間がかかって、10~15分くらい待たされました。
image.png

黒塗りされている所がElasticsearch, Kibanaのアクセスポイントです。
Kibanaのリンクをクリックすると、Kibanaのコンソールにアクセスできました!
image.png

レコードベースのデータの取り込み(1)

COBOLとElasticsearch周辺の環境が出来てきたので、あとはこの間をつなぐ部分です。
Elasticsearchにデータを取り込むための仕組みとしては、Logstashやらfluentdやらembulkやら色々ありそうですが、いずれもさすがにCOBOLのCopybookを元にフォーマットするようなものは無さそうです。
色々調べていると、以下のようなCopybookを元にJSONに変換するユーティリティーがありました。
https://sourceforge.net/projects/coboltojson/
JSON変換できれば取り込みもだいぶ楽なので、とりあえずはこれを利用してみることにします。
また、データ転送には、Elasticsearchとセットで使われることも多いLogstashを使うことにします。

Copybookを元にしたレコードからJSONへの変換

上のcoboltojsonユーティリティーでは、Javaで実装されたコンバーターが提供されています。レコードファイルと、そのフォーマットを示すCopybookを入力として指定すると、JSON形式のファイルを生成してくれます。使いやすいようにCobol2Json.shというスクリプトも提供してくれています。

location_message.cpy
     01 message.
           03 Brand               Pic x(3).
           03 Location.
             05 Location-Number     Pic 9(4).
             05 Location-Type       Pic XX.
             05 Location-Name       Pic X(35).
           03 Address-A.
             05 Address-1           Pic X(40).
             05 Address-2           Pic X(40).
             05 Address-3           Pic X(35).
           03 Postcode            Pic 9(10).
           03 State               Pic XXX.
           03 Location-Active     Pic X.

後々加工しやすいように、01レベルに「message」という固定の名前を付けるようにしておきます。

入力となるレコードはこんな感じ

infile01.txt
TAR5015STBankstown                          Bankstown                               Unit 2, 39-41 Allingham Street          Condell Park                       2200      NSWA
TAR5019STPenrith                            Penrith                                 58 Leland Street                        Penrith                            2750      NSWA
TAR5033STBlacktown                          Marayong                                Dock 2, 11 Melissa Place                Marayong                           2148      NSWA
TAR5035STRockdale                           Building B,  Portside DC                2-8 Mc Pherson Street                   Botany                             2019      NSWA
TAR5037STMiranda                            Westfield Shoppingtown                  Cnr. Urunga Pde & The Kingsway          Miranda                            2228      NSWA
TAR5052STEastwood                           Marayong Offsite Reserve                11 Melissa Place                        Marayong                           2148      NSWA
TAR5055STLeichhardt                         Marketown                               Marion Street                           Leichhardt                         2040      NSWA
TAR5060STSt Marys                           St. Mary's                              Charles Hackett Drive                   St Mary's                          2760      NSWA
TAR5070STBass Hill                          Bass Hill Plaza                         753 Hume Highway                        Bass Hill                          2197      NSWA
TAR5074STCampbelltown                       Campbelltown Mall                       303 Queen Street                        Campbelltown                       2560      NSWA
TAR5078STWarringah Mall                     Frenchs Forest                          Units 2-3, 14 Aquatic Drive             Frenchs Forest                     2086      NSWA
TAR5081STAshfield                           Ashfield Mall                           Knox Street                             Ashfield                           2131      NSWA
TAR5085STRoselands                          Condell park                            Unit 2, 39-41 Allingham Street          Condell Park                       2200      NSWA

実行してみます。

実行
[ec2-user@ip-10-0-0-181 cobol]$ /home/ec2-user/c2j/lib/Cobol2Json.sh -cobol location.cpy -fileOrganisation Text -input infile01.txt -output outfile01.json

作成されたoutfile01.jsonファイルを確認してみます。

outfile01.json
{
  "message" : [ {
    "Brand" : "TAR",
    "Location" : {
      "Location-Number" : 5015,
      "Location-Type" : "ST",
      "Location-Name" : "Bankstown"
    },
    "Address-A" : {
      "Address-1" : "Bankstown",
      "Address-2" : "Unit 2, 39-41 Allingham Street",
      "Address-3" : "Condell Park"
    },
    "Postcode" : 2200,
    "State" : "NSW",
    "Location-Active" : "A"
  }, {
    "Brand" : "TAR",
    "Location" : {
      "Location-Number" : 5019,
      "Location-Type" : "ST",
      "Location-Name" : "Penrith"
    },
    "Address-A" : {
      "Address-1" : "Penrith",
      "Address-2" : "58 Leland Street",
      "Address-3" : "Penrith"
    },
    "Postcode" : 2750,
    "State" : "NSW",
    "Location-Active" : "A"
...

01レベルで指定した"message"という項目に、配列で各レコードのデータが設定される構造になっています。

このように、Copybookの構造に従ってJSON形式に変換されることが確認できました!
※上の例でははLinuxファイルで日本語無しのテキスト(UTF-8≒ASCII)しか扱っていませんが、このユーティリティはなかなか優秀なようで、文字コードの明示指定も可能です。後述の記事のシナリオではSJISベースの日本語を含んだデータでも試しています。コード変換にはJavaのコンバーターが使われているようなので、ホストから転送してきたデータを直接ハンドリングする、というような応用もききそうです(IBM Javaを利用すれば、EBCDICのコンバーターも提供されます)。

LogstashからElasticsearchへの出力

参考: Logstash tutorial: A quick start guide
LogstashからAWS上のElasticsearch Serviceへデータを送信する際は専用のプラグインが必要のようです。(通常、Elasticsearchにデータを出力する際は、標準のelasticsearch output pluginを使えばよいのですが、それではAWS上のサービスには接続できずにハマりました。)
AWS上のElasticsearch用のプラグインをLogstashに追加します。

$ /usr/share/logstash/bin/logstash-plugin install logstash-output-amazon_es
Validating logstash-output-amazon_es
Found logstash-output-amazon_es (6.4.1), but was for platform x86_64-linux
Installing logstash-output-amazon_es
Installation successful

次に、Elasticsearchアクセス用のユーザーを作成します。
AWSコンソールのサービスから、IAMを選択します。左側のメニューからユーザーを選択し、ユーザーを追加をクリックします。
ユーザー名を指定して、プログラムによるアクセスをチェックします。
image.png

既存のポリシーを直接アタッチを選択して、AmazonESFullAccessにチェックします。
image.png

タグの追加はなにもせずそのまま。

確認してユーザーの作成をクリック
image.png

すると、以下のようにユーザーが作成されて、アクセスキーIDとシークレットアクセスキーがアサインされます。
image.png

Logstash側に戻って、Logstashの構成ファイルを以下のように作成します。

test.conf
input {
        stdin{}
}

output {
        amazon_es {
                hosts => ["search-elastictest01-xxxx.ap-northeast-1.es.amazonaws.com"]
                region => "ap-northeast-1"
                aws_access_key_id => 'Axxxxxxxxxxxxxxxx4'
                aws_secret_access_key => 'fxxxxxxxxxxxxxxxxxxxl'
                index => "test-%{+YYYY.MM.dd}"
        }
}

テスト用なので、stdinのデータをそのままelasticsearchに入れるような設定にしています。
aws_access_key_id, aws_secret_access_keyは上でユーザーを作成した際にアサインされたものを指定します。

Logstash起動してstdinから入力したデータがElasticsearchに取り込まれるはずなので、Kibanaで確認します。
test-xxxというindexを作成するようにしているので、Kibana上でtest-*というindex pattern作成してDiscoverで見てみるとデータが投入されていることが確認できました!
image.png

LogstashによるJSONファイルのElasticsearchへの取り込み

レコードファイルから変換されたJSONファイルをLogstash経由でElasticsearchに取り込んで見ます。

構成ファイルは

file_elastic.conf
input {
        file{
                path => "/efs/outfile*.json"
                mode => "read"
                file_completed_action => "log"
                file_completed_log_path => "/efs/file_completed.txt"
                sincedb_path => "/efs/temp.sincedb"
        }
}

filter {
        json {
                source => "message"
        }

        split { }

}
output {
        amazon_es {
                hosts => ["search-elastictest01-xxxx.ap-northeast-1.es.amazonaws.com"]
                region => "ap-northeast-1"
                aws_access_key_id => 'Axxxxxxxxxxxxxx4'
                aws_secret_access_key => 'fxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxl'
                index => "cob-location-%{+YYYY.MM.dd}"
        }
}

/efs/outfile*jsonというファイルを取り込んでElasticsearchに取り込む想定です。
/efsにこのネーミングルールにそったJSONを含むファイルを配置して、Elasticsearchに取り込まれればOKです!

レコードベースのデータの取り込み(2)

上の例では、業務データとして扱われているレコードを想定していました。そういうレコードの場合データ構造は複雑になりがちですし、アプリやデータの種類によって構造も異なります。そのため、上の例のようにCopybookから構造をマッピングさせる必要があります。
一方、アプリケーションの稼働状況などを出力するような、いわゆるアプリケーション・ログについては、フォーマットも単純である程度固定になると思います。そういうものは、Copybookとマッピングさせて構造を判断させなくても、正規表現などを用いて手動で構造を記述してしまった方が早いです。
例えば、以下のような構造のアプリ・ログを出力することを想定します。

apl_log.cpy
       01 APL-LOG.
          03 AL-YEAR    PIC 9(4).
          03 FILLER     PIC X(1) VALUE "/".
          03 AL-MONTH   PIC 9(2).
          03 FILLER     PIC X(1) VALUE "/".
          03 AL-DAY     PIC 9(2).
          03 FILLER     PIC X(1) VALUE "-".
          03 Al-HOURS   PIC 9(2).
          03 FILLER     PIC X(1) VALUE ":".
          03 AL-MINUTES PIC 9(2).
          03 FILLER     PIC X(1) VALUE ":".
          03 AL-SECONDS PIC 9(2).
          03 FILLER     PIC X(1) VALUE ".".
          03 AL-10MSEC  PIC 9(2).
          03 FILLER     PIC X(1) VALUE " ".
          03 AL-BATID   PIC X(8) VALUE "BATCH001".
          03 FILLER     PIC X(1) VALUE " ".
          03 AL-MSGID   PIC X(8).
          03 FILLER     PIC X(2) VALUE ": ".
          03 AL-MSGTXT  PIC X(100).

この構造を元に出力されるメッセージ例としては以下のイメージになります。

2020/03/03-19:27:25.76 BATCH001 MSGID001: Begin Program
2020/03/03-19:27:25.76 BATCH001 MSGID003: Read 1 record from file.
2020/03/03-19:27:32.00 BATCH001 MSGID004: Write 1 record to file.
2020/03/03-19:27:32.00 BATCH001 MSGID003: Read 1 record from file.
2020/03/03-19:27:38.20 BATCH001 MSGID004: Write 1 record to file.
...
2020/03/03-19:28:47.46 BATCH001 MSGID002: End Program

Logstashでは、メッセージのフォーマットを正規表現で表してフィールドにマッピングすることができますので、上の構造をハンドリングするための正規表現を作成します。

DATETIME [0-9]{4,4}\/[0-9]{2,2}\/[0-9]{2,2}-[0-9]{2,2}:[0-9]{2,2}:[0-9]{2,2}\.[0-9]{2,2}
BATCHID .{8,8}
MSGID .{8,8}
PATTERN01 %{DATETIME:date_time} %{BATCHID:batch_id} %{MSGID:msg_id}: %{GREEDYDATA:msg_txt}

上のPATTERN01というのがアプリ・ログの全体を表すことになります。

アプリ・ログのファイルを読み取って、上の正規表現を元に解釈し、Elasticsearchに取り込む、という一連のPipelineを設定すると、構成ファイルはこんな感じになります。

input {
        file{
                path => "/efs/cob*.log"
                start_position => "beginning"
                sincedb_path => "/efs/log_temp.sincedb"
        }
}

filter {
        grok {
                patterns_dir => ["/etc/logstash/config_cobol/patterns.d"]
                match => {"message" => "%{PATTERN01}"}
        }

    if ![batch_id] {
        drop{}
    }

        date {
                match => [ "date_time", "yyyy/MM/dd-HH:mm:ss.SS" ]
                target => "@timestamp"
        }

}
output {
        amazon_es {
                hosts => ["search-elastictest01-xxxxx.ap-northeast-1.es.amazonaws.com"]
                region => "ap-northeast-1"
                aws_access_key_id => 'Axxxxxxxxxx4'
                aws_secret_access_key => 'fxxxxxxxxxxxl'
                index => "cob-log-%{+YYYY.MM.dd}"
        }
}

これでアプリ・ログがElasticsearchに取り込めるようになります。
Logstash稼働させて、設定に従ったファイルにアプリ・ログを出力して、Elasticsearchに取り込まれたことを確認できればOKです。

その他

Timezone

アプリ・ログのためにCOBOLアプリ中で稼働時のタイムスタンプを取得する場合、取得された時刻は稼働環境のTimizoneに依存してしまいます。EC2のTimezoneを日本時間にしておきたいので、以下のコマンドでTimezoneをAsia/Tokyoに変更しておきました。

[ec2-user@ip-10-0-0-181 ~]$ sudo ln -sf /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime

[ec2-user@ip-10-0-0-181 ~]$ date
Tue Mar  3 19:20:12 JST 2020

これで時刻がJSTで返されるようになりました。
(Logstash稼働環境もJSTにしておく)

SJISロケール

EC2環境にSJISのロケールが無かったので、追加してみました。

[ec2-user@ip-10-0-0-181 cobol]$ locale -a | grep ja
ja_JP
ja_JP.eucjp
ja_JP.ujis
ja_JP.utf8
japanese
japanese.euc

[ec2-user@ip-10-0-0-181 cobol]$ sudo localedef -f SHIFT_JIS -i ja_JP ja_JP.sjis
character map `SHIFT_JIS' is not ASCII compatible, locale not ISO C compliant

[ec2-user@ip-10-0-0-181 cobol]$ locale -a | grep ja
ja_JP
ja_JP.eucjp
ja_JP.sjis
ja_JP.ujis
ja_JP.utf8
japanese
japanese.euc

変更

[ec2-user@ip-10-0-0-181 scenario01]$ export LANG=ja_JP.sjis
[ec2-user@ip-10-0-0-181 scenario01]$ locale
LANG=ja_JP.sjis
LC_CTYPE="ja_JP.sjis"
LC_NUMERIC="ja_JP.sjis"
LC_TIME="ja_JP.sjis"
LC_COLLATE="ja_JP.sjis"
LC_MONETARY="ja_JP.sjis"
LC_MESSAGES="ja_JP.sjis"
LC_PAPER="ja_JP.sjis"
LC_NAME="ja_JP.sjis"
LC_ADDRESS="ja_JP.sjis"
LC_TELEPHONE="ja_JP.sjis"
LC_MEASUREMENT="ja_JP.sjis"
LC_IDENTIFICATION="ja_JP.sjis"
LC_ALL=

課金

AWSはアカウント作成後12か月は無料枠があって、多くのサービスを無料で利用できます。
参考: [AWS 無料利用枠](https://aws.amazon.com/jp/free/?all-free-tier.sort-by=item.additionalFields.SortRank&all-free-tier.sort-order=asc
基本、この枠内で実施しているつもりだったのですが、2月分として$2.72課金された旨のメールが飛んできてしまいました。
なんで???
AWSコンソールからサービス-billingで課金の状況など詳細が確認できるので、そこから請求書の詳細見てみると...
image.png

コレが原因でした。

$0.005 per Elastic IP address not attached to a running instance per hour (prorated)

稼働中のインスタンスにアサインされていないElastic IP(外部公開用のIP)は、課金対象になるようです。
EC2にElastic IP割り当てていて、そのEC2を停止させていると課金されていくってことですね。無料枠があればむしろEC2上げっぱなしにしていた方が課金されないという...
うーん分かりにくい。

調べてみるとAWSでは昔からの"あるある"のようですね。
https://www.mogumagu.com/wp/wordpress/archives/1762
不要なElastic IPは早々に開放しましょう。


次は、ここで示した要素技術を組み合わせて具体的なシナリオを流してみます。

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