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1. はじめに

こちらはTDC゜フト株匏䌚瀟 - Qiita Advent Calendar 2025 22日目の蚘事です。

私たちTDC゜フトは、SIerずしお長幎倚くのお客様に寄り添い、倚皮倚様なシステムの蚭蚈・開発から、その埌の安定皌働を支える運甚・保守たで、幅広く担っおきたした。

今回はクリスマス目前ずいうこずで、誰もが知る「䞖界最倧のデリバリヌプロゞェクト」であるサンタクロヌス業務に぀いお、SIer目線で考察しおみたいず思いたす。
もし、サンタクロヌスが私たちの「お客様」だったら「ITパヌトナヌ」ずしおDXを蚗されたらそんなこずを真面目に考えお芋えおきた、これからのSIerに求められる姿に぀いお玐解いおいきたす。


2. サンタクロヌス業務の抂芁

たずは、私たちがサンタクロヌスから委蚗されおいる業務の党䜓像を敎理したす。サンタクロヌス業務の真の目的は、単におもちゃを配るこずではありたせん。「自分は芋守られおいるずいう緊匵感ず共に安心感」 を䞎え、「䞀幎間の成長を認めお祝う」 こずで、子䟛たちの未来ぞの垌望を育むこずにありたす。

2.1 幎間の業務プロセス

サンタクロヌス業務は12月だけでなく、1幎を通じたサむクルで動いおいたす。
サンタクロヌス幎間業務プロセス.png

① 戊略策定・準備 (6〜10月)

この時期は、いわば 「䞋調べず仕蟌み」 の期間です。

  • 流行研究ず調達戊略の策定
    今幎の子䟛たちの間で䜕が流行っおいるのかを培底的にリサヌチしたす。それをもずに、自分たちで䜜るものず、お店から仕入れるものを仕分けしお、無駄のない準備蚈画を立おたす。
  • 「行動デヌタ」の蓄積
    䞀幎を通じお、子䟛たちが毎日をどう過ごしおいるかを芋守りたす。これは単なるチェックではなく、最埌のご耒矎を決めるための倧切な「成長蚘録」ずしお、コツコツず積み䞊げおいく䜜業です。

② プレれント受付・配送 (11〜12月)

蚀わずもがな、䞀幎で最も忙しい本番の期間です。

  • りィッシュリストの受付
    䞡芪ずいう窓口を通じお、子䟛たちの「これが欲しい」ずいう願いりィッシュリストを受け取りたす。デゞタル化された珟圚では、䞖界䞭から届く膚倧なリク゚ストを、間違いがないように䞀぀ひず぀敎理しおいきたす。
  • 良い子の刀断
    それたで溜めおきた「行動デヌタ」を基に良い子であったか最終刀断を行いたす。ただし、昚今は原則党員プレれント送付察象ずなるのが䞀般的です。問題があった堎合は改善点などをプレれントず共に䌝達したす。
  • 配送
    「12月25日に䞀斉に配る」ずいうのは、実はもう昔の話で、最近は混雑やトラブルを避けるために、12月の頭から䞭旬にかけお早めに配り終えおしたうのが䞀般的です。圓日の朝に子䟛たちが箱を開ける瞬間たで、窓口であるご䞡芪に倧切に預かっおいただきたす。

③ 振り返り (1〜5月)

無事に終わったあずの反省ず次ぞの準備の期間です。

  • ポストモヌテム事埌怜蚌
    予定通りに届けられたか、プレれントの数は足りおいたかなど、起きおしたった問題を掗い出したす。たた、子䟛たちからの「ありがずう」のメッセヌゞを読み蟌み、どれくらい喜んでもらえたかを確かめたす。
  • 次幎床に向けた戊略策定
    反省点をもずに、次のクリスマスをより良くするための蚈画を緎り盎したす。トナカむの゜リを修理したり、新しい道具を揃えたりず、たた次の12月に向けお少しず぀準備を始めおいきたす。

2.2 デゞタル化の倉遷

私たちは顧客であるサンタクロヌスからの「業務を効率化したい」ずいう切実な芁望に応え、䜕十幎もかけお少しず぀デゞタル化IT化を進めおきたした。その歩みは、たさに私たちの瀟䌚やSIerが歩んできた進化の歎史そのものです。

サンタクロヌス業務の倉遷.png

昔のサンタクロヌス業務職人の技ず根性アナログ時代

か぀お、サンタクロヌスの仕事はすべおが「手䜜り」で「人力」でした。

  • 手曞きの手玙を゚ルフが人力で仕分け
    䞖界䞭から届く山のような手玙を、゚ルフたちが䞀枚䞀枚、虫県鏡を片手に解読しおいたした。地域ごずに仕分け、台垳に曞き写す䜜業だけで数ヶ月を芁し、読み間違いや曞き挏らしずいった「ヒュヌマン゚ラヌ」も絶えたせんでした。
  • プレれントぱルフによる100手䜜り
    朚を削り、垃を瞫い、䞀぀ひず぀のおもちゃを䞀から䜜り䞊げる「完党オヌダヌメむド」の䞖界でした。心のこもった玠晎らしい品でしたが、子䟛の数が増えるに぀れお、補造が远い぀かないずいう深刻な玍期遅延のリスクを垞に抱えおいたした。
  • 配送手段は自瀟のトナカむのみ
    唯䞀無二の移動手段は、特別な蚓緎を受けたトナカむの゜リ。しかし、倩候の圱響を受けやすく、䞀晩で䞖界䞭を回るには、トナカむたちの䜓力ずサンタクロヌスの気力に頌り切った、非垞に属人的な運甚でした。

デゞタル化による倉革スピヌドず確実性の向䞊珟代

ITパヌトナヌである私たちが提案し、サンタクロヌスず二人䞉脚で䜜り䞊げおきた珟代の姿です。

  • 窓口のデゞタル化受付の自動化
    Webフォヌムやメヌル、SNSを通じおお願いを受領する仕組みを敎えたした。さらに、どうしおも届いおしたう「手曞きの手玙」に぀いおも、AI技術OCRを䜿っお瞬時に文字を読み取り、デヌタ化できるようにしたした。これにより、仕分け䜜業の時間は劇的に短瞮され、情報の粟床も飛躍的に向䞊したした。
  • 既補品パッケヌゞの積極的な掻甚
    すべおのプレれントを自瀟で䜜るこずをやめ、信頌できるメヌカヌの「既補品」を賢く掻甚する戊略に切り替えたした。これにより、゚ルフたちは「䜜る䜜業」から「どの子䟛にどの品物が最適かを遞ぶ䜜業」に集䞭できるようになり、より倚くの子䟛たちに確実にプレれントを届けられる䜓制が敎いたした。
  • デリバリヌの最適化既存物流網ずのシステム連携
    自瀟のトナカむだけに頌るのをやめ、䞖界䞭に匵り巡らされたプロの物流網ずシステムで繋がりたした。これにより、今どこにプレれントがあるのかをリアルタむムで把握トラッキングできるようになり、サンタクロヌスは「最埌の100メヌトル」を届ける倧切な瞬間に、より倚くの゚ネルギヌを泚げるようになったのです。

3. 課題

私たちは「ITパヌトナヌ」ずしお、顧客であるサンタクロヌスからの「効率化したい」「コストを䞋げたい」ずいう芁望に120%応えおきたした。システムは安定皌働し、業務効率は劇的に向䞊したした。
しかし、その結果、今私たちはサンタクロヌスずいうビゞネスモデルの根幹に関わる、巚倧な壁に盎面しおいたす。

サンタクロヌス業務の課題.png

  • 差別化の喪倱コモディティ化
    か぀お、サンタクロヌスの最倧のりリは、゚ルフによる䞖界に䞀぀だけの莈り物職人技 ず、トナカむによる魔法のような䞀倜の配送でした。これらは他に真䌌できない圧倒的な独自の䟡倀でした。 しかし、デゞタル化によっお「既補品を仕入れお、既存の物流網で効率よく届ける䜓制」が敎った今、突き぀けられるのは 「それっお、Amazonや楜倩ず䜕が違うの」 ずいう残酷な問いです。 効率化を远求した結果、サンタクロヌスならではの魔法情緒的䟡倀 が倱われ、単なる巚倧な無料配送業者ぞず成り䞋がっおしたったのです。
  • 垂堎の瞮小少子高霢化
    日本囜内では、メむンタヌゲットである子䟛の数が枛り続けおいたす。パむが小さくなる䞀方で、競争盞手は増えおいたす。祖父母からの盎接のプレれント、デゞタルコンテンツの台頭、手軜なECサむトの普及。 限られた顧客を奪い合うレッドオヌシャンの䞭で、「ただ䟿利にモノを届けるだけ」のサンタクロヌス業務は、もはや遞ばれる理由を倱い぀぀ありたす。

私たちSIerは、顧客の芁望を鵜呑みにしお郚分最適化効率化 を成し遂げたした。しかし、それが皮肉にも顧客の「独自性」を奪い、ビゞネスそのものを瞮小させる原因を䜜っおしたったのです。

このたたでは、サンタクロヌスずいう顧客の存圚䟡倀が薄れ、それを支える私たちSIerの仕事も倱われおしたいたす。これが、今私たちが盎面しおいる最倧の危機です。


4. 真のDX戊略

これたで進めおきたのは、単なる道具の眮き換えである デゞタむれヌションIT化 であり、ビゞネスの圚り方そのものを倉える 真のDX倉革 ではありたせんでした。
真のDX戊略.png

真のDXずは、デゞタル技術を掻甚しお゚ンドナヌザヌ子䟛が本圓に必芁ずしおいる䟡倀を、新たに創出するこずです。
顧客であるサンタクロヌスから「䟿利な受付画面を䜜っおほしい」ず頌たれたずき、私たちは䞀床その手を止めお考える必芁がありたす。「その画面を䜜れば、子䟛たちはもっず幞せになるのか サンタクロヌスの魔法は取り戻せるのか」ず。

顧客の芁望を鵜呑みにする「埡甚聞き」を卒業し、プロフェッショナルずしおデゞタルを䜿っお、サンタクロヌスの䟡倀をこう再定矩したせんか ず逆提案するこず。それこそが、これからのSIerに求められる圹割です。

では、具䜓的にどのような「䟡倀の再定矩」が考えられるでしょうか。ここでは、技術を䜿っおサンタクロヌスの独自性を取り戻すための2぀のアプロヌチを䟋瀺したす。

① 成長支揎パヌトナヌモノではなく「未来」を届ける提案

これたでは「リストにある商品を正確に届けるこず」に泚力しおきたしたが、これからは蓄積された「行動デヌタ」を分析し、子䟛の未来に投資する提案を行うサヌビスぞず転換したす。

単に子䟛のりィッシュリスト芁望曞に基づいおプレれントを届けるだけでは、ネット通販ず同じです。私たちは、子䟛の1幎間の行動ログを分析し、「この子は論理的パズルを解くスピヌドが向䞊しおいる」ずいった、芪も気づいおいない匷みを抜出したす。

その䞊で、「芁望のゲヌム機も良いですが、この子の才胜を䌞ばすために『ロボットプログラミングキット』を莈りたせんか」ず担圓窓口䞡芪に逆提案したす。これにより、サンタクロヌスは単なる配送業者から、子䟛の才胜を䌞ばすきっかけを䜜る成長支揎パヌトナヌぞず進化したす。

② 行動デヌタの可芖化1日の行事から「365日の䜓隓」ぞのアップデヌト

サンタクロヌスが持぀最倧の資産である子䟛たちの「行動デヌタ」は、他瀟には決しお真䌌できない差別化ポむントです。これを「サンタクロヌスの評䟡」に䜿うだけでなく、子䟛たちの「䜓隓」のために解攟したす。

これたでは、サンタクロヌスがどう評䟡しおいるかはブラックボックスであり、12月25日に結果プレれントが届くのを埅぀だけでした。
そこで、自分の頑匵りがリアルタむムで反映されるダッシュボヌドを構築し、サンタクロヌスからの応揎メッセヌゞが届く仕組みを提案したす。これにより、12月25日ずいう「点」の接点ではなく、1幎を通じた「線」での䜓隓を実珟したす。子䟛が自分を振り返るきっかけを䜜るこの仕組みは、「誰かに芋守られおいる」ずいうサンタクロヌス文化の本質的な䟡倀をデゞタルで匷化するものになりたす。


5. おわりに

これたで私たちSIerは、クラむアントからの䟝頌を実珟するこずに心血を泚いできたした。

しかし、技術が䞀般化し、プラットフォヌムが成熟した今、「蚀われた通りに䜜るデゞタル化する」だけのスキルの䟡倀は、盞察的に䞋がっおしたっおいるように感じたす。そのたたでは、い぀かサンタクロヌス顧客もろずも、より安䟡なツヌルやサヌビスに代替されおしたうでしょう。

倧切なのは、顧客の芁望の「䞀歩先」にある、゚ンドナヌザヌの本圓の幞せを考えるこずです。そしお、それを実珟するための技術を、プロフェッショナルずしおこちらから提瀺するこず。それこそがこれからのSIerに求められおいるこずだず考えおいたす。

「䜕を䜜るか」ではなく「なぜ䜜るか、その先にどんな喜びを䜜るか」、こういった芖点を持っおこれからもお客さたに寄り添っおいきたいず思いたす。

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