IBM Planning Analytics(TM1)の2.0系を使い続けている環境向けに、2026年10月29日時点のIBMの公式情報から、脆弱性とサポート期限の状況、2.1への移行の要点をまとめます。
IBMの製品ライフサイクルのページでは、2.0.9の延長サポートのうち重大な修正(critical fixes)が含まれるのは最初の1年とされています。延長サポートの開始は2025年10月31日なので、2026年10月31日までと読み取れます。延長サポートの正確な範囲は、契約の内容とあわせてIBMに確認してください。
IBM非公式の個人による記事です。イントラ運用のリスクの考え方や、上げられないときのつなぎの対策は、記事末尾のリンク先(note)で詳しくまとめています。
2.0系の現状
| 項目 | 内容(IBMの公式情報) |
|---|---|
| 通常のサポート | 2025年10月31日に終了 |
| 延長サポート(別途購入) | 2029年10月31日まで。最初の1年は重大な修正を含み、その後3年は使い方と既知の不具合への対応 |
| 2.1.24で修正された脆弱性 | 対象製品に2.0と2.1の両方。修正の案内は2.1(2.1.0〜2.1.23→2.1.24)のみ。回避策は「None」 |
| 主な脆弱性 | CVE-2026-19620(管理者の権限を不正に得られるおそれ、8.8)、CVE-2026-85457(任意のコード実行のおそれ、8.1) |
| 2.1の最新版 | 2.1.25(2026年10月26日にFix Centralで公開) |
イントラだけの運用なら大丈夫?
リスクは下がりますが、0にはなりません。
- 上の2件はどちらも、ネットワーク経由で、低い権限のアカウントで悪用されうると評価されています(CVSSのPR:L)
- 社内のPCが乗っ取られれば、攻撃者は社内ネットワークからPAに届きます
- VPNや外部との連携で、「イントラだけ」の境界は意外にあいまいです
2.0から2.1への移行の要点(IBM Docsより)
| 対象 | 2.0→2.1の上げ方 |
|---|---|
| 全体 | 2.0からの直接のアップグレード。TM1のデータベース、PAWのコンテンツ、PAfEのレポート、Webシートの変更は不要 |
| TM1 Server(Windows) | 2.0をアンインストールしてから2.1をインストール(上書き不可) |
| PAW、PAfE | 2.0の中で上げるときと同じ手順 |
| Spreadsheet Services(TM1 Web) | 2.0の上に直接インストールできる |
| 2.1に含まれないもの | TM1 Architect、TM1 Perspectives、TM1 Applications、Performance Modeler、Cognos Insight |
インストールそのものより、ArchitectやPerspectivesの置き換え(PAWのワークベンチ、PAfEへ)が一番の作業になります。今すぐ上げられなくても、利用状況の棚卸しと置き換え範囲の見積もりは先に始めておくのがおすすめです。
もっと詳しく
「2.0のままで問題ないのか」「イントラ運用でも当てたほうがいい理由」「上げられないときのつなぎの対策」「2.1への移行の6段階の流れ」と、今やることのチェックリストは、noteにまとめています。