IBM Planning Analytics(以下、PA。現場ではIPAとも呼ばれます)の案件に入ると、最初の打ち合わせから次のような名前が飛び交います。
PA、TM1、PAW、PAfE、TM1 Web、Architect、Perspectives、Cloud版、Local版……
引き継ぎ資料には古い名前が残っていて、目の前の画面と一致しないこともよくあります。TM1/Cognos Express時代から10年以上TM1の開発に携わってきた立場から、これらの名前の関係を早見表で整理します。
IBM非公式の個人による記事です。各項目の経験談を含めた詳しい解説は、記事末尾のリンク先(note)にまとめています。
全体像:製品がPA、エンジンがTM1、入口が画面
| 名前 | 何か |
|---|---|
| IBM Planning Analytics(PA/IPA) | 予算・計画・分析のための製品全体の名前 |
| TM1 | 中核の多次元データベース(エンジン)。キューブ、ルール、TIはここ |
| PAW(Planning Analytics Workspace) | ブラウザーで使う今の中心の画面。開発用のモデリング・ワークベンチもここ |
| PAfE(Planning Analytics for Microsoft Excel) | Excelから使う今のアドオン |
| TM1 Web | 昔からあるWebの画面(Websheetなど)。PAWとは別のアプリケーション |
| Architect | 昔の開発用Windowsアプリ。今はPAWのモデリング・ワークベンチに移行 |
| Perspectives | 昔のExcelアドオン。今はPAfEに移行 |
なぜ今も「TM1」と呼ぶのか
製品名は TM1 → IBM Cognos TM1 → IBM Planning Analytics と変わってきました(中堅企業向けのIBM Cognos Expressにも、TM1がエンジンとして組み込まれていました)。それでも、エンジンの名前は今もTM1です。次のような場所に、今もTM1の名前が残っています。
- サーバーログ:
tm1server.log - 設定ファイル:
tm1s.cfg - TIのエラーログ:
TM1ProcessError_*.log - MDXの関数:
TM1SUBSETALL、TM1FILTERBYLEVELなど
「TM1は昔の名前だから関係ない」と思っていると、ログや技術資料が読めなくなります。
古い名前 → 今の名前の早見表
引き継ぎ資料や古い手順書を読むときに使えます。
| 役割 | 昔の主な名前 | 今の主な名前 |
|---|---|---|
| 製品全体 | TM1、Cognos TM1、Cognos Express | IBM Planning Analytics |
| エンジン | TM1 Server | TM1 Database(TM1サーバー) |
| 開発の画面 | Architect | PAWのモデリング・ワークベンチ |
| Webの利用画面 | TM1 Web | PAW(TM1 Webも残っている) |
| Excelアドオン | Perspectives | PAfE |
※ 役割で並べた目安です。機能が1対1で置き換わるわけではありません。
Local版とCloud版
| Local版 | Cloud版 | |
|---|---|---|
| サーバーの管理 | 自社(またはSIer) | IBM |
| サーバーへの入り方 | 直接ログインして作業できる | SSHなどで接続して操作する |
| バックアップ | Dataフォルダのバックアップなど、昔ながらのやり方が使える | 提供されている方法に合わせる |
| リソース | 自社で決めて増やせる | 契約の範囲の中で使う |
両方を担当してみると、資産の管理とリソースの扱いで、運用の意識をかなり切り替える必要があると感じます。
開発はArchitectからPAWへ
以前はArchitect(Windowsアプリ)とPerspectivesで開発していました。Architectは操作が軽い反面、ちょっとした操作ミスでディメンションのメンバー構成が崩れることがあり、環境の準備にも手間がかかりました。
今はPAWだけで開発しています。ブラウザーで開けるので環境準備のハードルが下がり、TIのエラーチェックなど開発を助ける機能も増えました。IBMも機能追加をPAW側に寄せています。
ExcelはPerspectivesからPAfEへ。ただし主流はWeb
PerspectivesからPAfEへの移行で、帳票を作る難しさが大きく変わった印象はありません。変わったのは運用の重心で、昔は「スライスしてExcelで分析」が中心でしたが、今はWeb(PAWのビュー)を中心に設計・開発するのが主流です。
問い合わせでは名前を書き分ける
「TM1が動きません」だけでは、調べる場所が決まりません。次の4つを書き分けておくと、問い合わせや引き継ぎがスムーズになります。
- 使っている画面:PAW/PAfE/TM1 Web(それぞれのバージョンも)
- 接続先:Local/Cloud、開発・検証・本番、TM1データベース名
- 操作の対象:ブック、ビュー、キューブ、TIプロセス、日課など
- 再現の条件:誰が、いつ、何をしたら、どうなったか
おわりに
名前の多さは、初心者が技術より先につまずくポイントです。まずは「製品がPA、エンジンがTM1、入口が画面」という3層で捉えると、会話がかなり追いやすくなります。
ArchitectからPAWへの移行で実際に感じたことなど、経験談を含めた詳しい解説はnoteにまとめています。
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