※以下の企画です
今回は「情報の広がりと消費者行動」についての内容です。
それでは頑張ります〜
メディアの「影響力」とパニック
火星からの侵入(Cantril, 1940)
1938年のハロウィン、アメリカで起きた有名な事件をご存知でしょうか。
オーソン・ウェルズがラジオドラマで『宇宙戦争(The War of the Worlds)』を放送したところ、「本当に火星人が攻めてきた!」と勘違いした市民がパニックに陥り、避難騒ぎまで発展したという事件です。
ハドリー・キャントリル(Hadley Cantril)は、この「火星からの侵入」事件を調査し、なぜ人々はラジオドラマを現実と誤認したのかを研究しました。
なぜパニックは起きたのか
研究によると、パニックに陥った人々には以下の特徴があったそうです。
-
番組の途中から聴き始めた
- 冒頭の「これはドラマです」という注釈(Header)を読み飛ばしてしまった。
-
他の情報源で確認しなかった
- 新聞や他のラジオ局を確認する(Cross Validation)という例外処理を行わず、入力情報をそのまま真実として受け取ってしまった。
-
「臨時ニュース」という形式(Format)に弱かった
- 当時は戦時色が強まりつつあり、「緊急放送=重大な真実」というメンタルモデルが形成されていた。
人間は、情報の「中身」よりも「形式(ニュース速報のジングルなど)」や「タイミング(情勢不安)」によって、容易に誤ったデータ型で処理を実行してしまうという、強烈な事例です。
フェイクニュースが拡散されるメカニズムも、基本的にはこれと同じ脆弱性を突いていると言えそうです。
コミュニケーションの二段階流れ
では、情報はマスメディアから個人へ「直接」届いて、全員を洗脳するのでしょうか?
かつては「弾丸理論(マスメディア=最強)」と思われていましたが、それを否定したのがカッツとラザースフェルドです。
オピニオンリーダーの存在(Katz & Lazarsfeld, 1955)
彼らは、情報の流れには 「2つのステップ(Two-Step Flow)」 があることを提唱しました。
- Step 1: マスメディアからオピニオンリーダーへ情報が届く
- Step 2: オピニオンリーダーから一般の人々(フォロワー) へ、解釈や評価を添えて伝わる
つまり、マスメディア(公式ドキュメント)を直接読んで理解して動く人は少数派で、多くの人は「詳しい人(オピニオンリーダー)」の解釈を聞いてから意思決定をしているということです。
まとめ
今回は「情報の広がり」についてまとめました。
- 人間は形式に騙される(火星からの侵入):情報のヘッダ(文脈)を確認しないとバグる
- 情報は2段階で流れる(二段階流れ説):多くの人は「メディア」ではなく「リーダー」を信じる
「Step 1(一次情報)」にアクセスする能力(リテラシー)は、消費者にとっては重要そうです。
それでは、また明日!