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pandas1.0.0から,read_pickle()とto_pickle()でS3/GCSのURLを指定できるようになった!

Last updated at Posted at 2020-02-02

pandas1.0.0がリリースされましたね。

新しい機能として,

  • 異なる型の欠損値を統一的に扱うpandas.NAが試験導入された
  • rolling.apply()をNumbaで高速化できるオプションが加わった
  • データフレームをMarkdown記法で出力できるto_markdown()メソッドが追加された

といった点が目を惹きますが,個人的には上掲リリースノートの'Other enhancements'の一番最後にさりげなく書かれた記述に目が留まりました:

DataFrame.to_pickle() and read_pickle() now accept URL (GH30163)

これ,クラウドストレージ上にpickleで固めたデータを直接保存して読み出しできるってこと!?

てな訳でやってみました:

実演

次のような適当なDataFrameを作成します。

df = pd.DataFrame({'hoge': [1, 2, 3], 'fuga': [4, 5, 6], 'piyo': [7, 8, 9]})

こうすることで,

hoge fuga piyo
0 1 4 7
1 2 5 8
2 3 6 9

という表できました。1

こいつを,あらかじめ作成しておいたAWS S3のバケット's3://tatamiya-test/に保存し,読み出します。23

pandas0.25.3の場合

.csv形式での保存・読み出しであれば,従来のバージョンでも可能でした。

pd.__version__
# >> '0.25.3'

df.to_csv('s3://tatamiya-test/test.csv', index=None)

pd.read_csv('s3://tatamiya-test/test.csv')
# >> hoge	fuga	piyo
# >> 0	1	4	7
# >> 1	2	5	8
# >> 2	3	6	9

ところがpickleの場合,同様の操作ではPATHが認識されませんでした。

pd.__version__
# >> '0.25.3'

df.to_pickle('s3://tatamiya-test/test.pkl')
# >> FileNotFoundError: [Errno 2] No such file or directory: 's3://tatamiya-test/test.pkl'

pd.read_pickle('s3://tatamiya-test/test.pkl')
# >> FileNotFoundError: [Errno 2] No such file or directory: 's3://tatamiya-test/test.pkl'

pandas1.0.0の場合

さて,最新Versionの1.0.0で試してみましょう。

pd.__version__
# >> '1.0.0'

df.to_pickle('s3://tatamiya-test/test.pkl')

pd.read_pickle('s3://tatamiya-test/test.pkl')
# >> hoge	fuga	piyo
# >> 0	1	4	7
# >> 1	2	5	8
# >> 2	3	6	9

きちんと保存・読み出しができることが確認できました!

終わりに

クラウド上でpandasを使ってデータ加工を行う際,データソースがS3やGCS上にある場合もcsv形式ファイルであればto_csv()で直接URLを指定して読み込むことができました。

しかし,整形・加工後の中間データを一旦保存しておく際には,DataFrameやSeriesをPythonオブジェクトのままバイト列に変換し保存した方が

  • 容量が小さくて済む
  • 再読み込みが速い
  • 型指定をやり直す必要がない

といったメリットがあったため,to_pickle(), read_pickle()が重宝していました。

ただ,前述の通り従来はこのときの保存先にS3/GCSのURLを指定できず,

  • クライアントライブラリを使う
  • 一旦ローカル保存してからコマンドラインツールで飛ばす
  • あらかじめ対象バケットをVMインスタンスにマウントしておく

といったように少し手間をかけなくてはいけませんでした。

そんなわけで,今回のアップデートは,地味ながら個人的には非常にありがたいものでした!

(ただ後方互換性が保証されないから今までコードそのままに1.0.0導入ともいかないのだよな。。。)

  1. ちなみに,この表は同じくpandas1.0.0から追加されたdf.to_markdown()を使用して出力しました。便利。

  2. IAMやcredentialキーの設定方法などについては割愛します。

  3. 確認はしていませんが,GCSでもいけるはずです。

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