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ブロードキャストストームを起こしてみた。

Last updated at Posted at 2018-03-02

##■はじめに
ブロードキャストストームがどのようにして起こるのか、wire sharkでキャプチャーしながら確認をしてみました。

シミュレートはGNS3を使用しています。
##■レイヤー2の基本的な動き
ブロードキャストストームとは、レイヤー2でARP要求パケットがループして輻輳する現象になります。
まずは、レイヤー2における基本的な挙動を見ていこうと思います。

【各PCの情報】

NAME IP/MASK MAC
PC-1 192.168.1.1/24 00:50:79:66:68:00
PC-2 192.168.1.2/24 00:50:79:66:68:01
PC-3 192.168.1.3/24 00:50:79:66:68:02

topology1.png

①上記構成で、PC-1からPC-2へpingを飛ばしてみます。

PC-1> ping 192.168.1.2
84 bytes from 192.168.1.2 icmp_seq=1 ttl=64 time=2.005 ms
84 bytes from 192.168.1.2 icmp_seq=2 ttl=64 time=5.014 ms
84 bytes from 192.168.1.2 icmp_seq=3 ttl=64 time=0.972 ms
84 bytes from 192.168.1.2 icmp_seq=4 ttl=64 time=1.688 ms
84 bytes from 192.168.1.2 icmp_seq=5 ttl=64 time=1.672 ms

②wire sharkでキャプチャ
・1行目
PC-1(MAC 66:68:00)より、ブロードキャストでARP要求を送っており、同一セグメント192.168.1.0/24のすべてのノードに対して発信しています。
wire1.png

・2行目
192.168.1.2のIPを持っている、PC-2から自分が持っているよ~、と言うARP応答になります。
PC-2(MAC 66:68:01) → PC-1(MAC 66:68:00)
wire2.png

・3行目、4行目以降
ICMPのrequestとreplyになり、計5回ICMPを送っているため、行きと帰りの通信で計10回記録されています。

wire3.png

このように、ある宛先に対して通信をする時に、事前にARPをブロードキャスト投げていることが分かります。

##■実際にブロードキャストストームを起こしてみる。
ケーブルを一本追加して、ループ構成にしました。
パケットキャプチャはwire sharkを利用して、赤〇で囲った上段のポートをキャプチャしています。

【各PCの情報】

NAME IP/MASK MAC
PC-1 192.168.1.1/24 00:50:79:66:68:00
PC-2 192.168.1.2/24 00:50:79:66:68:01
PC-3 192.168.1.3/24 00:50:79:66:68:02

topology2.png

〆この状態で、pingを送るとどうなるでしょうか?
PC-3からPC-1へpingを送ってみましょう。

PC-3> ping 192.168.1.1
192.168.1.1 icmp_seq=1 timeout
192.168.1.1 icmp_seq=2 timeout
192.168.1.1 icmp_seq=3 timeout
192.168.1.1 icmp_seq=4 timeout
192.168.1.1 icmp_seq=5 timeout

タイムアウトをして、疎通確認がとれません。

〆PC-1からPC-3へもpingを試して見たいと思います。

PC-1>
PC-1> 
プロンプトが固まって動かなくなりました。

〆実際にwire sharkでどのような通信がされているか見てみます。

2018-03-02 (6).png

PC-3からのブロードキャストでのARP要求が次々と続いています。
PC-1に関しても、次々にくるARP要求に対してARP応答をPC-3へ返しています。

##■ARPの挙動
イメージ①
PC-3からPC-1へARP要求を送る時に、ブロードキャストで受信ポート以外のすべてのポートからARP要求パケットを送信をします。

スライド1.JPG

イメージ②
Ethernetswitch-1の上段ポートに流れてきたARP要求パケットは、PC-1側のポートと下段のポートへARP要求パケットを出力します。
Ethernetswitch-1の下段のポートに流れてきたARP要求パケットは、PC-1側のポートと上段のポートへARP要求パケットを出力します。

スライド2.JPG

イメージ③
Ethernetswitch-2の上段ポートに流れてきたARP要求パケットは、PC-2、PC-3側のポートとEthernetswitch-2左側の下段のポートへARP要求パケットを出力します。
Ethernetswitch-2の下段のポートに流れてきたARP要求パケットは、PC-2、PC-3側のポートとEthernetswitch-2左側の上段のポートへARP要求パケットを出力します。

スライド3.JPG

イメージ②とイメージ③が繰り返されることで、ブロードキャストストームが発生します。
帯域は、ループしているARP要求で埋め尽くされ、PC-1は次々にくるARP要求へのARP応答をPC-3へ返します。
PC2に関してもは、次々に来るARP要求を破棄する挙動をします。

対応としては、ループ構成となっている結線を抜栓する事で収束していきます。

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