RockyLinuxインストール用USBメモリの作成
背景
頻繁に行う作業ではなく、もちろんWindows環境であればRufusをインストールしてOSインストール用のUSBメモリを作成しても良いのですが、さてMacではどうするかも考えてddコマンドで実行しました。
その際にコマンドを誤ると “致命的なこと” になるので、今回の作業記録をここに残しました。
※ 実際にあった(致命的ではないけれど)“やってしまった”失敗もまず記録しておきます。
・正常に動作したインストール用USBメモリがあったが、2.0のUSBだったので3.0のUSBメモリを使おうと思った。
・PCのisoファイルを再度コピーすれば良かったのに
・USB=>USBのコピーを実施 USBメモリ容量は同じ16G
・USBメモリのハッシュ値は一致しなかった ⇦ここで慌てる
・再度USB=>USBのコピーを実施した時に、inとoutを間違えてしまった
・USBが別メーカーなのでハッシュ値は一致しなくても良かったのかもしれない
というバタバタを経験しました。
0. isoのダウンロードとチェック
RockyLinuxのサイトから今回は既存サーバと合わせるため8.9(Rocky-8.9-x86_64-minimal.iso)をダウンロードした。
チェックサムの値(Rocky-8.9-x86_64-minimal.iso.CHECKSUM)もダウンロードして結果を比較しておく。
# ダウンロードしたisoファイルのチェックサムを取得
~/Downloads$ shasum Rocky-8.9-x86_64-minimal.iso
4a4663d44d058979a370174f9a59726e6cd6cd32 Rocky-8.9-x86_64-minimal.iso
USBメモリ書き込み作業手順(Mac)
1. デバイスの確認
USB 挿入前:
ls /dev | grep rdisk | sort | tail -n3
例:
rdisk1s5
rdisk1s5s1
rdisk1s6
USB 挿入後:
ls /dev | grep rdisk | sort | tail -n3
例:
rdisk1s6
rdisk2
rdisk2s2
新しく出てきたディスク番号が USB
例では rdisk2 が 書き込みように挿したUSBメモリ
2. USB のアンマウント(diskX を指定)
sudo diskutil unmountDisk force /dev/disk2
disk2 をアンマウント
GUI の「無視」だけでも dd は動作するが安全のためアンマウント推奨
3. ISO 書き込み(dd)
date;sudo dd if=Rocky-8.9-x86_64-minimal.iso of=/dev/rdisk2 bs=16m status=progress;date
status=progress で進捗表示
bs=16m で USB2.0 にも無理のないブロックサイズ
rdisk2 がコピー先、ISO ファイルがコピー元
Macでは、/dev/diskXではなく/dev/rdiskXを使用して高速化
| デバイス | 説明 | 特徴 | dd 使用時の影響 |
|---|---|---|---|
/dev/diskX |
標準のブロックデバイス | カーネルの I/O キャッシュ経由でアクセス | 書き込みや読み込みが 遅め(キャッシュ管理の分) |
/dev/rdiskX |
raw デバイス(直接 I/O) | キャッシュを経由せず直接読み書き | dd で 高速に読み書き可能(大きい bs を使うと効果大) |
実際の出力例:
2025年 12月 1日 月曜日 11時40分09秒 JST
2516582400 bytes (2517 MB, 2400 MiB) transferred 371.676s, 6771 kB/s
150+0 records in
150+0 records out
2516582400 bytes transferred in 372.163995 secs (6762025 bytes/sec)
2025年 12月 1日 月曜日 11時46分24秒 JST
※ dd 実行時のポイント
コピー先は アンマウント済みの diskX
コピー元は ISO ファイルなので安全
Mac の場合は rdiskX を指定すると高速化
USB の種類で LED 表示が違うので目安にすると安心
USB 書き込み作業手順(Windows 11 上の Ubuntu)
1. デバイスの確認
Ubuntu で USB を挿入後:
lsblk
出力例:
NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINT
sda 8:0 0 931.5G 0 disk
├─sda1 8:1 0 209M 0 part /boot
├─sda2 8:2 0 931.3G 0 part /
sdb 8:16 1 15.5G 0 disk
└─sdb1 8:17 1 15.5G 0 part /media/usb
挿した USB が sdb などとして認識される
サイズや RM フラグ(1 = リムーバブル)で確認
2. USB のアンマウント
sudo umount /dev/sdb1
Ubuntu では パーティション単位 でアンマウントする
/dev/sdb 全体をアンマウントする必要はないが、すべてのパーティションをアンマウントしておくと安全
3. ISO 書き込み(dd)
date;sudo dd if=Rocky-8.9-x86_64-minimal.iso of=/dev/sdb bs=16M status=progress;date
bs=16M で USB2.0 でも安定
/dev/sdb が USB 全体(コピー先)、ISO がコピー元
status=progress で進捗表示
出力例:
2025-12-01 11:40:09
2516582400 bytes (2.5 GB) copied, 372 s, 6.7 MB/s
2025-12-01 11:46:24