この記事は ZOZO Advent Calendar 2025 シリーズ1 23日目 の記事です。
はじめに
最近、社内外のメンバーを巻き込んだプロジェクトにプロジェクトリーダーとしてアサインされる機会が増え、それに伴いミーティングで司会を務める場面も多くなってきました。
その中で、論点がずれて議論が脱線してしまう、タイムマネジメントに失敗する、うまく意見を引き出せないといった場面にたびたび直面してきました。
試行錯誤を重ねるうちに、「どうすれば効果的なミーティングを実現できるのか?」という自分なりの経験則が少しずつ蓄積されてきたため、本記事で改めて整理して言語化してみることにしました。
以下では、私がミーティングを司会する際に心がけているポイントを紹介します。
1. ミーティング前にシミュレーションをしておく
ミーティングは、準備によって進行が大きく変わります。私はいつも簡単にシミュレーションしてから臨むようにしています。
特に、次の点を整理しておくと、当日の議論がスムーズに進みます。
- 議題をどのようにメンバーへ説明するか
- 最終的に決めるべき事項は何か
- 結論に迷ったときの判断基準(ビジネス要件・コスト・セキュリティなど、何を優先するか)
- 議題の優先順位(必ず議論するもの、先送りできるもの)
こうした準備をしておくことでスコープが明確になり、論点がずれた際も軌道修正しやすくなります。
2. アイスブレイクを重視する
私はアイスブレイクをかなり重視する方だと思います。ミーティングの冒頭に時間をしっかり確保し、普段あまり発言しない人にも話すきっかけをつくるようにしています。ある案件の定例ミーティングでは、アイスブレイクの担当を参加メンバーでローテーションし、全員が順番に発言できるようにしていました。
話す内容には軽い失敗談や自虐ネタをあえて交えることで、互いに身構えず話しやすい隙が生まれるようにしていました。
3. 説明資料にあえて軽微な課題を記載しておく
キックオフミーティングなどでプロジェクトを説明する際、説明資料にあえて決めかねている軽微な事項を記載しておくことがあります。説明と並行して、その場で判断や認識合わせを行うためです。
たとえば、プロジェクト説明資料のスケジュール欄に次のように記載します。
ToDo: 定例を月曜にするか火曜にするか決める
ミーティング中に説明を進めながらメンバーに意見を聞き、その場で決定します。
この方法は、深い検討を必要としない小さな判断や、認識合わせだけで済む項目に適しています。結果として、後日あらためて全員にアンケートしたり調整する手間が減り、限られた時間の中でプロジェクトを進めやすくなります。
4. 議題は「議論できる状態」に整えてから進める
共有や報告はSlackなどの非同期コミュニケーションで対応できるため、報告だけで終わる内容は議題に含めないようにしています。リアルタイムで集まること自体に人的コストがかかるため、その時間に見合う議題を扱うようにしています。
また、議題を説明するときは、説明資料をそのまま読み上げるのではなく、メンバーの理解度や前提知識に合わせて補足したり、逆に省略したりして進めます。
メンバーが提起した議題についても、必要に応じて他のメンバーへ背景を補足説明したり、論点や決めるべき事項を明確にしてから議論に入るようにしています。たとえば、「これはつまり、どの方針で進めるかを確認したいという理解で合っていますか?」といった形で私のほうから確認を入れ、何を議論すべきかをメンバーに共有します。こうすることでコンテキストが揃い、議論に入りやすくなると思います。
5. 複数の解決案を用意しておく
議題で扱う課題には、あらかじめ複数の解決案や落とし所を用意しておくようにしています。その際、各案のメリット・デメリットや優先順位といった判断ポイントを整理しておくと、立場の異なるメンバーでも同じ判断基準で検討できるため、議論がぶれにくくなります。あとはミーティングでポイントを一つずつ確認して合意を取るだけにすれば、意思決定がスムーズになり、時間短縮にもつながります。
6. 問い詰めず、教えてもらう姿勢で意見を聞く
質問する際に「理由を説明してください」といった追及するような聞き方をすると、相手は無意識に防衛的になり発言が慎重になることがあります。私はなるべく「わからない点があるので教えてもらえますか?」といった教えを乞う聞き方をするようにしています。そのほうが相手は質問者に対して協力や貢献できるという意識が生まれやすく、不要な防衛反応も起こりにくくなると思っています。
7. 定期的に論点を確認し、結論が出ない場合は打ち切る
議論が脱線して意図しない方向へ進まないよう、ミーティングの途中で「改めて課題についてですが…」や「最初の話に戻すと…」といった形で、論点や目的を定期的に確認するようにしています。議題を明確にすることで、意図的に軌道修正やリセットを行います。
それでも結論が出ない場合は、無理に続けず早めに打ち切り、関係者を絞った個別ミーティングを実施することがあります。議題に直接関わりのないメンバーが参加している場合、全員が集まる場で議論を続けるよりも、そうしたメンバーの時間を有効に使えるためです。
8. 結論をNext Actionに落とし込み、全員に役割を割り振る
議論して満足して終わらないよう、結論は必ずNext Actionに落とし込み、タスク化・issue化して担当者をアサインします。
その際には、可能な限りミーティング参加者全員に何らかのタスクを合意のうえ割り振るようにしています。こうすることで、プロジェクトを自分ごととして捉えてもらい、主体性や責任感、貢献への実感が生まれるように促しています。
また、ミーティングの終盤には、決定事項やNext Action、担当者、期限をあらためて読み上げて確認し、認識のずれが生まれないようにしています。
9. 最後に「言い忘れたことがないか」を確認する
過去に自分自身、「言おうか迷ったけれどタイミングを逃した」「議論の流れを止めそうで言いづらかった」といった理由で、意見や質問を発言しないままミーティングが終わってしまうことがありました。
そのため、ミーティングの最後には「ほかに言い忘れたことや、確認しておきたいことはありませんか?」と問いかけるようにしています。
これによって、声を上げそびれていたメンバーから重要な指摘や補足が出てくることもあり、締めの確認は意外と効果が大きいと感じています。
10. ミーティング後にサマリを共有する
ミーティング後は、決定事項やNext Actionを簡単にまとめてSlackで共有するようにしています。リマインドになるだけでなく、口頭だと生じやすい認識のずれを防ぐことにも役立ちます。
特に、外部の協力会社などコミュニケーションの距離がある相手に対しては、こうしたサマリがエビデンスとしても機能し、共通理解を保ちやすくなります。
まとめ
内容を振り返ると、私がミーティングで心がけていることの本質は、「限られた時間の中で迅速に意思決定できる場をつくること」だと感じています。そのために、事前準備や論点整理、Next Actionの明確化といった工夫を積み重ねてきました。
どれも小さな取り組みですが、続けていくことでミーティングの質が変わると思います。
そして、AIの活用が当たり前になった今だからこそ、人が集まり対話する意味や価値をさらに高めていきたいと考えています。この記事が、皆さんのミーティングのヒントになれば幸いです。