##はじめに
SAPのバックエンド(ERPなど)からデータを抽出するODataサービスを作るとき、SAP Netweaver Gatewayというサーバが必要になります。
今回の記事では、SAP Netweaver Gatewayの概要についての説明と、SAP Netweaver Gatewayの導入パターンについて説明します。
※OData関連の投稿一覧は以下の記事をご参照ください。
【SAPUI5】OData(1) ODataとは
##SAP Netweaver Gatewayとは
SAP Netweaver Gatewayは、SAPシステムと他のシステムを接続する際のハブとなるシステムです。
ODataの開発、生成用のツールをはじめ様々な開発用ツールを持っています。
ODataサービスを連携先に公開することで、連携先はプログラミング言語に依存せずに開発ができます。
SAP Gateway Foundation (SAP_GWFND)より引用
##SAP Netweaver Gatewayの導入パターン
SAP Netweaver Gatewayの導入パターンには以下の3種類があります。
※SAP HANA Cloud PlatformでODataサービスを公開するクラウドのパターンもありますが、今回は割愛します。
###1. Hub Deployment:バックエンドで開発
SAP Netweaver Gatewayを独立したサーバにインストールし、SAP Netweaver Gatewayがシステム間連携のハブになります。
バックエンドシステムにもGatewayのコンポーネント(NetWeaverのバージョンにより、IW_BEPまたはSAP_GWFND)をインストールする必要があります。
ODataサービスの開発はバックエンドで行い、SAP Netweaver Gatewayから公開されます。
OData – Everything that you need to know (Part 5)より引用
####メリット
- バックエンドシステムへはSAP Netweaver Gatewayを介して接続するので、安全性が高い
- バックエンド側のDDIC(構造など)やクラスを参照して開発ができる
###2. Hub Deployment:HUBで開発
1.と似た構成ですが、ODataサービスの開発をSAP Netweaver Gatewayで行います。
####メリット
- バックエンドシステムにGatewayのコンポーネントをインストールする必要がない
####デメリット
- バックエンドのデータソースへのアクセスは、BAPIやRFCを使ってのみ可能(テーブルに直接アクセスできない)
- バックエンドのDDIC(構造など)やクラスを直接参照することができない
###3. Embedded Deployment
SAP Netweaver Gatewayを独立したサーバにインストールするのではなく、バックエンドシステムのアドオンとしてインストールする構成です。
ODataの開発と公開はバックエンドで行います。
####メリット
- SAP Netweaver Gateway用のサーバの費用がかからない
- 上記2つの構成と比べてサーバ間の連携が減るのでオーバーヘッドが少ない
####デメリット
- 複数のバックエンドシステムがある場合、それぞれにSAP Netweaver Gatewayをインストールする必要がある
- バックエンドシステムのアップグレードサイクルとSAP Netweaver Gatewayアップグレードサイクルが異なる可能性がある(SAP Netweaver Gatewayをインストールしたものの、バックエンドをアップグレードしなければならなくなった、など)
- 外部システムからバックエンドに直接アクセスする構成となるため、追加のセキュリティ対策が必要
##参考
OData – Everything that you need to know (Part 4)
OData – Everything that you need to know (Part 5)
SAP NetWeaver - Gateway
Deployment options with SAP Gateway
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OData(5) SAPでのODataサービスの作り方 開発編-1