FRB実験ログ #57 — FRB Version進化概念構想
概要
前回の実験ログ #56 において、
私は、
「完全再現ではない疑似リアル」
を、
自分自身の中で許容した。
これはかなり大きな出来事に発展した。
これまで私は、
ステンレス擦りの振動を、
できるだけリアルに再現したいと思っていた。
しかし実際には、
完全再現できていない。
それでも、
「これはこれで良い振動だ」
と感じ始めていた。
そして、
ふと思った。
「だったら、MIDI音源を振動として感じたらどうなる?」
FRB_TheRock.mid 実験
そこで、
FRB実験ログ #45 で作成した
をスピーカーで再生し、
さらに、
スピーカーN4P2
→
ルアーニスト改
→
WCG平部(割りばしカーボングリップ平部)
経由で、
振動を感じる実験を行った。
すると――
かなり衝撃的だった。
「全部、答えが分かっている振動」
MIDIは、
構造が見えている。
- どの帯域を入れたか
- どのタイミングか
- どの強さか
- どのレイヤーか
全部分かっている。
つまり、
「答えが分かった状態」で振動を感じられる。
しかも、
FRB_TheRock.mid のログを見ると、
自動スイープ的な周波数追随まで、
手で感じ取れてしまった。
これはかなり大きい。
今までFFT画面で見ていた
- Sweep Trace
- PeakHz
- Band構造
を、
手が直接感じ始めた。
MIDIは「リアル再現」を求められない
ここで大きな気づきがあった。
FRB_purupuru_designer のような
「疑似リアル系」は、
どうしても
- 本物っぽさ
- 魚っぽさ
- 自然っぽさ
を期待されやすい。
つまり、
リアリティーとの戦い
になりやすい。
しかし、
MIDIは違う。
そもそも、
「リアルを再現しようとしていない」
のである。
これは、
かなり重要だった。
MIDIは、
自然界の再現ではなく、
「人間の脳が理解しやすい振動構造」
を作る方向へ進める。
「脳にとって理解しやすい振動」
ここから、
FRBの考え方が大きく整理された。
FRBには、
■ Benchmark層
と
■ Experience層
が存在する。
■ Benchmark層
目的:
比較可能にすること
ここでは、
- 分かりやすさ
- 再現性
- 構造性
- 差分の理解しやすさ
が重要となる。
つまり、
「脳にとって理解しやすい振動」
を基準にした方が良い。
ここでは、
必ずしもリアルである必要はない。
■ Experience層
一方、
Experience層では、
- 海っぽさ
- 生き物感
- リアリティー
- 違和感
- 偶然性
を深掘りしていけばよい。
つまり、
- Benchmark層 → 共通言語
- Experience層 → 体験文化
として、
役割分離できる。
「再現率」だけでは閉じる
さらに重要だったのはここ。
最初、
私は
「基準振動に対する再現率」
を考えた。
しかし、
すぐに違和感が出た。
再現率だけを評価すると、
最終的には、
「100%再現できたら終わり」
になる。
それでは、
進化が止まる。
CPUベンチマークとの共通点
私は、
CPUベンチマークに近い考え方をしたいと思っていた。
CPU性能は、
時代とともに進化する。
昔の最強CPUは、
今では普通である。
FRBも同じで良い。
つまり、
FRB V1では見えていなかったものが、
FRB V2では見える。
FRB V3では、
さらに新しい概念が追加される。
その結果、
FRBバージョンが異なれば、スコアが更新されてもよい。
例
FRB V1:
- 振動量
- 基本帯域
- 単純Bridge
のみ評価。
Score:70
FRB V2:
- Brain Pleasure(脳喜び度)
- Harmony
- Translation構造
などを追加。
Score:110
これは、
「過去が間違い」
なのではない。
人間の振動理解や規格構造が進化した
のである。
FRBは「進化する規格」である
ここで、
大きな整理ができた。
FRBには、
■ Phase
と
■ Version
の
2種類の拡張概念が存在させる。
■ Phase
Phaseとは、
測定対象の拡張
である。
例:
- Phase1
- Phase2
- Experience層
■ Version
Versionとは、
振動理解そのものの進化
である。
つまり、
- Bridge概念
- Brain Pleasure
- Translation
- Harmony
など、
新しい理解が追加されるたび、
FRBは進化する。
これは、
「未完成」
という話ではない。
FRBは、進化する規格である。
結論
今回、
私は、
MIDIを振動として感じることで、
FRBの未来構想が一段整理された気がした。
ロッドは、
単なる振動伝達装置ではない。
人間が理解しやすい振動構造へ翻訳する装置
なのかもしれない。
そしてFRBは、
固定された完成品ではなく、
人間の振動理解とともに更新され続ける規格
として、
進化していくのだと思う。
感度は分かち合って初めて本物になる
感度とは、人間が認識可能な構造として現れる振動の和音構造である。
感度とは、単純な振動の強さではない。
FRBは、ロッドの「優劣」を決めるためではない。
「基準振動」を用いて、ロッドごとの振動構造差分を比較・可視化し、選択と体験共有のための共通言語を目指している。