※このシリーズは順番に読むと理解しやすくなっています
釣り竿の「感度」を数値化する話 - FRB(Fishing Rod Benchmark)宣言
FRB #10 割りばしカーボングリップ — 制御
振り返り。
前回「FRB #9 ロッドにカッターを入れた日 — 覚醒」で、
ロッドのEVAグリップとリールシート上部の除去により、
ロッド本来の振動を解放した。
ここで、1つ明確にしておきたいことがある。
この狂気的な改造に付き合ってくれている相棒の名前。
それは――
ダイワ ルアーニスト 86ML
である。
この物語では、
あえて伏せてきた。
だが、ここで告白する。
おれは、このロッドを愛している。
それも、こよなく。
ここまで読まれてきた方には、
もう理由の説明はいらないと思う。
今、ルアーニストはグリップが無い状態。
手に伝わる振動は、
これまでで一番、鮮明だった。
だが――
この状態は、
以前に経験したものとは
明らかに違っていた。
スイベルやミニリングで経験した
あの「鳴りすぎる世界」。
あれは、
振動が増えたのではなく、
ノイズが支配していた状態だった。
今、手の中にある振動は違う。
余計なものがない。
ただ、
ロッド本来の振動が、
そのまま手に届いている。
だが、
この状態には、まだ足りないものがあった。
それは――
扱いやすさだった。
このとき、初めて思った。
振動は、
増やすものではない。
扱うものだ。
いつものAIに相談した。
「バルサをカーボン板で挟むといいよ。」
簡単に言う。
しかも、面白くない。
もちろん、そのままやる気はなかった。
理由は単純だ。
面白くないからだ。
この時点で、私はまだ
「釣り竿の感度を数値化する」
そんな話に繋がるとは、
まったく思っていなかった。
ただ一つだけあったのは、
この感覚を、
誰かに伝えたい
という思いだった。
「バルサ」と聞いて、
最初に思いついた素材は、
発泡スチロールだった。
試した。
接着剤で溶けた。
知らなかった。
そこで思いついたのが、
「割りばし」
である。
AIから教わったことを、
ここで整理する。
高感度を逃さない基本は2つ。
・軽さ
・硬さ
つまり、
振動を減衰させない構造。
ここで、私はまだ気づいていなかった。
これは、
振動の「制御」の話だったということに。
私が考えた構造は、こうだ。
・割りばし(約8cm)を3本用意
・同サイズのカーボン板を6枚用意
・割りばしをカーボン板で挟み、薄く接着
・「割りばしカーボンセット」を3つ作成
・それをグリップ部に等間隔で配置
・隙間はカーボン板で封じる
※なお、本グリップの外観はかなり手作り感が強いため、
本記事ではあえて掲載していない。
(後日、検証が進んだ段階で公開予定)
これが、
「割りばしカーボングリップ」
である。
完成後、
いつものように床を擦る。
ブルルル…
「……違う」
このとき、私はまだ
言葉を持っていなかった。
だが、今なら分かる。
振動は、確かに伝わる。
だが、
特別に強いわけでもない。
弱いわけでもない。
抑えられているわけでもない。
ただ、
無駄に鳴り響くこともなく、
適切な振動が、
そのまま手に届いている。
そのとき、ふと思った。
これ、
ハイエンドロッドに、
勝てるんじゃないか?
根拠はない。
だが、
そう思った。
注記
本記事の内容は筆者個体および筆者の室内環境での体感に基づくものであり、同一モデルすべてに同様の特性があることを示すものではありません。