はじめに
世界のモバイルゲーム市場は右肩上がりに成長を続けており、スマートフォンアプリを海外向けに配信されているデベロッパーの方も増加傾向にあるかと思います。
弊社も海外展開は積極的に行っているのですが、その際の悩みの一つとして、海外版アプリの実課金検証があります。
今回は最近の各PFにおける国判定の実情をもとに、日本に住んでいるデベロッパーが海外でアプリを配信する際の実課金についての情報を共有したいと思います。
この記事のターゲット
海外のAppストア、Playストアでスマートフォンアプリをリリースする際、実課金検証ってどうやればいいんだっけ?と思った方
海外版アプリの実課金
最適解
海外版アプリの実課金を行う際の最適解は、 現地で課金を行う ことです。
現地にスタジオを持つ検証会社等に依頼をして、現地で対応をしてもらうのがベストです。
何らかの理由で現地で課金が行えない場合の対応手段
海外版のストアアカウントを所有していることが前提ですが、国内にいても海外版アプリに実課金が行える手段がいくつか存在しています。
なお、海外版ストアアカウントの作成方法やVPNの利用方法はこちらの記事で詳しくまとめてくださっているので、よろしければご参照ください。
Appleで日本から海外版アプリへの実課金を行う方法
Appleについては、海外発行のクレジットカードか海外版のiTunesカードがあればシンプルな手順で実課金を行うことが可能です。
必要なもの
・海外のAppleID
・海外版Apple Gift Card or 海外発行のクレジットカード
手順
- 海外のAppleIDを用意する
- 海外の決済方法を用意する
a. AppleIDの国設定と同じ国で発行したクレジットカードを紐づける
b. AppleIDの国設定と同じ国のプリペイドカードを登録する - 決済を行う
Googleで日本から海外版アプリへの実課金を行う方法
必要なもの
・VPN
・海外で発行したクレジットカード or 海外版決済サービスアカウント
※海外のGoogle Playカードは使用できない場合があるのでここでは除外しています。(詳細は後述します)
手順
- 海外のGoogleIDを用意する
※GoogleアカウントはIPアドレス/決済手段から自動的に国が判別される - 海外の決済方法を用意する
a. Googleアカウントの国設定と同じ国で発行したクレジットカードを紐づける
b. paypal等の決済手段を紐づける - 決済を行う
Googleにおける海外版アプリ実課金の際の注意事項
Googleでは国判定がシビアになっており、以下決済手段の場合は注意が必要です。
国内発行のクレジットカード
国内で発行したクレジットカードでも海外アカウントに紐づけることは可能ですが、決済時にエラーが発生する可能性があります。
Googleに問い合わせることでエラーが解消するケースもあるようですが、確実ではないため注意が必要です。
海外発行のプリペイドカード
通販サイト等で購入した海外のプリペイドカードは、他の国で使用するとアクティベートに失敗することがあります。
この場合問い合わせを行っても解消されないため、この方法は避けることを推奨します。
その他決済サービス
国ごとに使用できる決済方法は以下ページに記載されています。
Google Play でご利用いただけるお支払い方法
各国のpaypalや、香港のAlipayHKは日本国内からも利用が可能です。
ただし、アカウント作成時に各国の電話番号によるSMS認証が必要なので注意してください。
(電話番号を取得できるwebサービスがあるが、IP電話の番号だとSMS認証を受け取れない場合がある)
米国や香港の電話番号を持っている場合はこの方法でのテスト課金が可能です。
おわりに
今回は海外版アプリの課金について記載しました。
先述の通り、基本的には現地を利用することがベストではありつつ、国を跨ぐとリードタイムも大きいことが多いので、急遽国内から確認したいタイミングは今後もあるかなと思っています。
各PFの仕様(挙動?)は変更されることも多いため、また動きがあれば追記していきたいと思います。