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【SAP】2027年問題って何? ~ハイキャリア・高単価が狙いやすいSAP技術者を目指す第1歩~

Last updated at Posted at 2025-06-05

はじめに

7年間SAPのECC6.0のシステムに関わってきました。
ちなみにモジュールは7年間HCM一筋です。
(SAPの中では一番マイナーなモジュールです。。。)
今回は2027年問題とSAP技術者不足について、
SAP技術者になるための第1歩について、書いてみようかと思います。
SAPに限らず、基幹システムに携わっていきたい方にも
参考になる部分もあるかもしれません。

2027年問題とは

SAP技術者を目指そうかなと思っている人や、SAPに何かしら関わったことがある人は、
知っている人も多いと思います。
知らない人向けに2027年問題とは、そもそも何なのか簡単に触れておきます。

SAP社が提供しているECC6.0(ERP6.0)は2027年末に保守期限を迎えます。
ECC6.0とは、SAP社が出しているERPパッケージです。(※1)
ECC6.0が保守期限切れとなる前に、後継製品(S/4 HANA 等)への移行が必要です。
SAP社のERPを導入している企業が、一斉に移行を迫られています。
巷ではこれを2027年問題と言っています。
ちなみに延長保守で少し延命ができるのですが、それを使っても2030年末までです。
(最近2031年以降も支援という話が出ています。それぐらい深刻なんですね。)
この2027年問題によって様々な問題が起きています。

(※1)ERPとは、基幹システムとも言われています。
主に財務会計・人事・製造等を一元管理できるシステムのことを言います。

2027年問題によって起きている様々問題とは?

2027年問題によって起きている問題が、色々ある訳ですが、その一部を紹介します。

  1. SAP技術者不足
  2. アドオン多用による移行コスト増(※2)
  3. レガシーシステム化による移行の困難化

細かいことを言い始めるときりがないので、超簡単に紹介します。

(※2)アドオンとは、パッケージの標準機能では、要件を実現できない場合に、
自前で機能等を、構築したものを指します。

SAP技術者不足

IT業界全体、むしろ日本全体で人手不足が、問題となっていますよね。
当然のことながらSAP技術者も同様です。
現行のECC6.0も保守しながら、後継製品への移行が必要です。
移行プロジェクトとなると、新システムを導入するのとほぼ同じような規模になります。
そんなプロジェクトが、SAPのECC6.0を使っている各企業で立ち上がる訳です。
技術者が不足することは、言わずもがなですね。これが問題となっています。

そのためSAP技術者の取り合い、単価上昇が起こっています。
元々SAPという少し特殊な技術を持ち合わせている点で、単価は高めでしたが
拍車がかかっています。

じゃあSAP技術者目指してみようかな、と思う人もいるかもしれませんので
SAP技術者を目指す第1歩目として何をやれば良いかを後述します。
ぜひ最後まで読んでいただければなと思います。

アドオン多用による移行コスト増

なぜアドオンが多くなってしまったのか。
ECC6.0は財務会計、生産管理、給与管理等、色々な目的で導入されています。
例えば私が、7年間携わってきたHCMの給与管理では、
国が決める税制部分は一緒ですが、各会社の就業規則・賃金規定がありますから
当然各会社で違う訳です。

もちろんSAP社もそれは認識していて、ある程度はカスタマイズ(システムの設定変更)
で対応できます。
ただどうしても対応できないときに、アドオンとしてその会社固有の機能を実装します。

日本では、業務フローや規程をSAP標準に合わせるのではなく、
システムを合わせにいく、という考え方が主流でした。
(fit to standardの考えが広まり、変わりつつあります)
そのためアドオンが、ものすごい数乱立してしまっているのが現状です。
このアドオン1つ1つに対して、移行の対応をする必要があるため、
移行コストを押し上げています。これが移行の妨げになっています。

レガシーシステム化による移行の困難化

ECC6.0は、2004年以降順次リリースされました。約20年前になります。
またECC6.0の前身のシステムから、移行している場合はもっと古いです。
ERPは基幹システムであり、企業活動に欠かせないシステムであるため、
古くから続くシステムが多くなっています。
当然ですが20年も経てば、当時導入したときのことを知っている人は、
ほとんどが居なくなっているでしょう。
最近は人材の流動化が進み、脱俗人化を目指して、
配置転換を積極的に行う会社が、増えていることも、1つの要因だと思います。
実際、私がこれまで入っていた案件も、ナレッジが貯まらず、
技術力の低下が問題視されていました。

ドキュメントが整備されていればまだ良いですが、そうでない場合が多いです。
ひどい場合は設計書すらなかったり、あっても粗々だったりします。
ましてや機能が作られた経緯や、その背景にはどんな業務があるのか、
といったところまでは、残っていないでしょう。
このブラックボックス化や、技術力の低下が、移行の難易度をさらに上げています。

SAP技術者を目指す第1歩

前述した通り、2027年問題もあり、SAP技術者の需要は、高い状況にあります。
私もADiXi(アディクシィ)に入社する前、SIerで要員の管理をしていたこともあるですが、
SAPの知見者が転がっていることはまずないです。
いても単価がものすごく高いです。
そもそもSAPに限らず基幹システムの経験があるエンジニアは、
重宝されることが多い印象です。

高単価だし、ハイキャリア狙いやすいし、SAP技術者に興味あるなって人もいると思います。
そんな人がSAP技術者になるには、何から始めれば良いか、私の経験からお話します。
これが答えではないので、あくまで参考にしていただければと思います。

SAP技術者になると、ERP(基幹システム)に携わっていくことになります。
色々な領域ありますが、それぞれ専門的な業務知識が必要です。

  • 財務会計であれば、簿記に出てくるような知識
  • 給与管理であれば、税制や給与に関する法制度の知識

と様々です。
まずは関わりたい領域に必要な業務知識を、一般的な本やネットに
転がっているようなところからで構いませんので、
習得していくところから始めるのが良い、と考えています。

「え?SAPって確か、ABAPっていう固有の言語を使ってるから、それを勉強すべきでは?」
「パッケージ固有の技術(Dymproとか内部テーブルとか)を勉強した方が、効果的では?」
って思った人もいるでしょう。
それもある意味正解だとは思います。
ただこれまでの経験からすると、いくらABAPできますって言っても、
業務知識がないと、敬遠されることが多い印象です。

例えばSAPでも会計領域しか経験のない人が、
他領域の案件に入ることも、あまりないイメージです。
業務知識のない人が、対応するには、かなり周りからのフォローが必要です。
ABAPは固有言語と言っても、プログラミング言語ですので、他の言語を知っている人であれば、
比較的短期間で、基本的な構文は、使えるようになると思います。
ですのでABAPを極めるより、業務知識の習得を優先する方が、ベストだと私は思います。
SAP固有の技術や、考え方を習得するのは、正直、独学では厳しいですが、
業務知識であれば、本やネット等で入手しやすいので、取り掛かりやすいという点でも、
第1歩としては、おすすめです。

SAPではなく、他のパッケージ、他の一般的な言語(Java等)のスクラッチシステムで、
SAPの領域の中で、狙いたいところの案件を経験することも、効果的だと思います。

最後に

今回はSAPの2027年問題について、簡単に綴ってみました。
今後もこれまで私が、経験してきたSAPに関すること、人事給与に関すること、
PJ管理やコンサルティングに関すること、等を書いていければと思っています。

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