すでにn番煎じになってしまいましたが、標記受験してみましたので記録です。
TL;DR
2025年11月、AWSから新しい認証プログラム「AWS Microcredentials」がリリースされた。従来のAWS認定試験とは異なり、実際にAWSマネジメントコンソールを操作して課題を解決する実技試験である。2025年12月時点でサーバーレス、AIエージェントを主題にした2種類の試験が提供されており、両方を受験した。
Skill BuilderというAWS公式の学習プラットフォームから受験することができる。Skill Builderの月額29ドルまたは年額449ドルの有料プランをSubscribeしておく必要がある(それ以外に追加費用はかからない)。AWSサービスの学習コンテンツが豊富に提供されているので、日々の学習や通常のAWS認定試験の予習にも役立つ。
AWS Microcredentials とは?
そもそも Microcredential は、特定のスキルや知識を小さな単位で認証するための仕組みで、教育分野で広く使われている用語である。参考: https://ecampus.oregonstate.edu/news/what-is-a-microcredential/
AWS Microcredentialsは、2025年11月にリリースされたAWS認定の1種である。従来の選択式問題ではなく、Skill Builderという学習プラットフォームを用いた専用のAWSアカウントが発行され、制限時間内にマネジメントコンソールを操作して複数の課題を解決する実技試験となっている。他のAWS認定と同様、合格すればCredlyでデジタルバッジを入手することができる。
従来の認定試験が 知識 を証明する目的であるのに対して、Microcredentials は 実践能力 を証明することが目的になっている。このため、課題解決のため時間内にAWSサービスを的確に操作できるかどうかが問われる。
引用: https://aws.amazon.com/jp/training/skills/
上図のように、試験画面は左側に設問、右側に試験内容と関連するアーキテクチャ図が表示される。各タスクをクリックすると問題文が表示され、該当箇所がアーキテクチャ図で強調表示される。「Open AWS Console」ボタンで別タブにマネジメントコンソールが開き、設問内容に示された課題を解決する作業を行う(例: エラーが頻発しているLambda関数のログを確認し、コードを修正する、など)
作業完了後は「Check」ボタンで結果が判定される。もしCheckが通らない場合、作業をやり直してもう一度Checkすることが可能。
AWS JamやAWS GameDayといったゲーミフィケーションイベントに近いイメージだが、それらよりも設問には明確な課題が記載されている印象。
現在受験できるMicrocredentialの種類
2025年12月時点で受験可能なMicrocredentialは以下の通りである。
| 種類 | 概要 | 主な出題内容 |
|---|---|---|
| AWS Serverless Demonstrated | サーバーレスアーキテクチャに関する実践スキルを検証 | Step Functionsの修正、CloudFrontのトラブルシューティング、S3静的ホスティング、API Gateway・Lambda統合、DynamoDB設定など |
| AWS Agentic AI Demonstrated | 生成AIとエージェント構築に関する実践スキルを検証 | Amazon Bedrockの設定とトラブルシューティング、Guardrails設定、スーパーバイザーエージェントとタスクエージェントの設定など |
設問はランダム化されており、再受験時には異なるシナリオが出題される可能性がある。
また、上記とは別に30分のお試し版が用意されており、試験形式を事前に体験できる。このお試し版ではバッジは獲得できない。
受験方法と料金
受験はオンラインのみで、AWS Skill Builderから好きなタイミングで受験可能である。テストセンターへの来場や特定日時の予約は不要である。
料金体系
- AWS Skill Builder有料プラン(個人): 月額29ドル、または年額449ドル
- 無料プランでは受験不可(30分のお試し版は受験可能)
受験制限
- 制限時間: 90分
- 不合格の場合: 25日後から再受験可能
その他
- Skill Builderから受験したいMicrocredentialを開き、「登録」ボタンをクリックして画面の指示に従い進めていく。言語は日本語にも切り替え可能
- AWS公式ドキュメント、Google検索、ChatGPTなど外部リソースの参照は可能(ただし、調べながら操作を進める程度の理解では、時間不足になる印象)
受験記録
結果
今回2つとも受験してみた結果、いずれも時間内に解き切り満点を獲得できた。いずれも1時間ほどで回答し、30分ほど余して終了している。
出題内容
難易度は Agentic AI > Serverless になると思う。Agentic AIもLambdaやDynamoDB、CloudWatch LogsといったServerlessでも登場するサービスを操作することになり、生成AIのみならずやや求められる知識が幅広くなる。また解法のヒントがAgentic AIではあまり無かったように思う。
筆者は少なくとも5年はAWSを使ったWebアプリケーション開発・運用に従事してきており、今回の受験対策はしていない(re:Inventに行ったメンバーからこんな認定出てました!と触発されてトライした)。Serverlessについては迷いなく解き切ることができた。一方でAgentic AIはBedrockの利用経験が少なく、やや操作に手間取る場面があったものの、おおよそ操作方法を推測して進めることができた。
実際の業務でも体験するような操作が多分に含まれており、たとえ合格できないとしても、勉強目的で一度受けてみる価値はあるように思う。Skill Builderのライセンスがあればすぐ受験し直せるし、他の学習コンテンツを使って不足する知識を補強できるのであまり身構えなくても良さそう。
つまづきポイント
中には「IAM関連のエラーは無視して進めて良い」という注記がある設問も含まれる。これを読み落とした状態で進めていたので、エラーを解消できず手が止まってしまう場面があった。サンドボックス環境でのテストになるため、原則IAM周りの操作はできないし不要であることは念頭に入れておくと良い。(実運用では、IAMの権限をどれだけ絞れるかどうかも大事な要素であると思うのだけど…)
すでに受験された方の記事によると、日本語訳が怪しかったり日本語になっていない設問があったりしたそうだが、私が受験した時点では未訳と思われる箇所は無かった。確かに翻訳が分かりづらい部分はありそうなので、必要に応じて英語に切り替えると良い。
合格後
受験後は、Credlyで上図の通りバッジを入手できる。もしかするとAWS Summitやre:Inventの認定者ラウンジにもこれで入れるのかもしれない。まだ認定持ってないよ!という人のイベント参加前の駆け込み寺にもなりそう。
もし事前に対策するなら?
普段の業務で対象のAWSサービスを使用している場合、私のように、特別な試験勉強なしでも合格可能であると思われる。ただし、サービスに触れた経験がない場合は事前の準備を推奨する。
効果的な対策
1. 実際にマネジメントコンソールで操作する
試験の説明に記載されている具体的な操作項目を実際に試す。例えば、Agentic AIの場合:
- Bedrockでガードレールを作成し、ブロック設定やマスク設定を試す
- マルチエージェント構成を実装し、スーパーバイザーとサブエージェントの役割を理解する
などを試してみると良いだろう。また、Skill Builderにはハンズオンも提供されているので、対象サービスに関連するコンテンツを参考にしても良いだろう。
2. 時間配分の練習
30分の無料プレビュー版を受験し、自分のペース感を把握する。本番の90分でどの程度の作業量をこなせるか事前に確認しておく。
3. 重要ポイント
- 暗記よりも「実際に触って慣れる」ことが重要
- AWS Skill Builderのセルフペースラボを活用すれば、コストを抑えて練習可能
- 制限時間90分は意外とタイトであり、調べながら進めるには不十分
AWS Microcredentialは「実務で使えるスキル」を証明する新しい形の資格である。知識の暗記ではなく、実際に手を動かして問題を解決する力が試される。トラブルシューティングの訓練にもなるため、AWSの実践力を高めたい方へ強くお勧めしたい。




