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子育てエンジニアが“継続的な学び”を確立するまでの話

Last updated at Posted at 2025-12-09

これは ZOZO Advent Calendar 2025 カレンダー Vol.9 の 9日目の記事です

子育てエンジニアが“継続的な学び”を確立するまでの話

未就学児2人を育てながら、それでもなんとか勉強している記録です。

はじめに

現在の会社に入って早3年。日々の仕事をこなすのに必死な34歳新米SRE。そんな私も家に帰れば、未就学児2人を育てています。

……まず正直な気持ちから言わせてください。

勉強する時間がない!
寝かしつけで寝落ち、夜泣き対応、仕事後は体力ゼロ。
まとまった学習時間なんて都市伝説のように消滅しました。

でも、子育てが始まって「もう勉強はできない」と諦めるにはまだ悔しくて、
なんとか隙間時間をかき集めて続けているのが今の状態です。

この記事では、僕が “時間ゼロ” の状況でも学び続けるために考えた戦略 をまとめます。
子育て中のエンジニアの方に、少しでも参考になれば嬉しいです。


なぜ「継続的な学び」が必要なのか

IT業界はとにかく変化が早いです。

  • 新しいツールが出る
  • 技術トレンドが変わる
  • 開発スタイルも進化する

プログラミング言語は半年ごとにバージョンが変わるし、新しいクラウドサービスは毎日のように出てくる。最近ではAIもキャッチアップしなければなりません。

「普通に仕事をする」だけでアップアップになる世界 なので、エンジニアにとって 継続的な学びは生命線 だと感じています。

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【Before】 子どもが生まれる前の“ゆるい学びスタイル”

今思えば、独身〜子どもがいない頃は本当に自由でした。

  • 時間がある
  • 興味のおもむくまま勉強できる
  • 気が向けば個人アプリを作る
  • GOやPythonなど流行りに飛びつく
  • 学習は1人で完結
  • モチベーションにもムラあり

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正直この頃の学びは「ダラダラ・気まま・流されるまま」。

楽しかった一方で、

  • 無計画
  • 効率的ではない
  • 知識の定着も弱い

という課題も多かったと思います。


【After】子どもが生まれたら、すべてが変わった

子育てが始まると、状況は激変します。

  • とにかく時間がない
  • 育児の優先度が最優先
  • 自分の時間はほぼゼロ

ここで起きたのが、僕にとっての パラダイムシフト でした。

image.png

「もはや独身時代の学び方では戦えない」

そう気づいた瞬間、僕は「勉強習慣そのものを再設計する」必要性に迫られました。


子育てフェーズでも継続するための“学び戦略”

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1. 一番価値の高い「基礎」に振り切る

まず決めたのは、基礎に全振りする こと。

広く浅く触っても翌週には忘れるし、
新技術ばかり追いかけても深みがなく、実務での応用力も足りない。

そこで僕は CS(コンピューターサイエンス)の基礎を固める 方向に切り替えました。

  • アルゴリズム
  • アーキテクチャ
  • ネットワーク
  • データベース
  • セキュリティ

元々CS専攻ではなかったので、体系的な理解が弱く、「あれ?なんでこうなるんだっけ?」という曖昧知識が多いことに気づいたのがきっかけです。

そこで “CS専攻の人が大学で学ぶ内容を、自分でもやる” をテーマに、ロードマップを設定して勉強を進めました。(現在も継続中)

勉強する際のルールはただ一つ!

毎日1時間を死守する(できなければ30分でもいい)

これだけです。1時間もまとめって取れない日もあるので、

  • 朝10分:本5ページ
  • 子供のお昼寝時間30分:図や表の理解だけ進める
  • 夜:子どもが寝た後に15〜20分:復習
  • ボーナスタイム(一人の時間が不意にできた時):がっつり時間とって勉強

みたいな感じで、隙間時間を有効に使っています。


2. 「学んだことを毎日アウトプット」する

学びの定着のために、TIL(Today I Learned) を導入しました。

かっこよく書いてますが、皆さんもおそらく実践されているであろう「日報」のことです!

  • 仕事の日は、今日学んだことを1行でもいいから、会社の自分用Confluenceページに記録
  • 週末の自分の勉強時は別途Notionなどにまとめて勉強した内容を書く
  • 小さい内容でもとにかく毎日書く

仕事の日は、毎日就業間際の5-10分ほど時間を取って振り返りをします。
(ここだけはどれだけ忙しくても死守して、必ず記録します。)

このミニマムなアウトプット習慣は想像以上に効果があり、

“理解したつもり” を防ぎ、知識の定着率が明確に上がる。

という副産物も生まれました。

アウトプット量より、毎日「書く」という行為そのものが自分を強くしてくれていっているような感覚があります。


3. 1人で戦うのをやめて「勉強仲間」を作る

子育てフェーズでは孤独な戦いに陥りがちです。
「今日も勉強できなかった・・・」みたいな自己嫌悪に陥ることもありました。

そこで積極的にコミュニティに参加し、

  • オンラインコミュニティのLT大会に参加

    • フィードバックをもらう
    • 仲間のアウトプットに刺激を受ける
  • オンラインの有料学習コミュニティに参加して学習仲間を増やす

というサイクルを作りました。

「1人で頑張らない」 状態を作ることで、継続力は大きく上がりました。

ここ最近はオフラインの勉強会やコミュニティも増えてきていますが、 育児との両立を考えると、僕の場合はやはり オンラインのコミュニティが最も参加しやすく、無理なく続けられる環境 でした。

コミュニティの中には、定期的に LT大会勉強会 が開催されるところも多く、そういったアウトプットの場に参加することで、学びをさらに深めることができます。

LTで話す内容を整理する過程で理解が深まり、他の参加者からの質問やフィードバックが、次の学習テーマにつながることもしばしば。

「インプット → アウトプット → フィードバック」 のサイクルが自然と回るのは、コミュニティならではの大きなメリットだと感じています。


4. 「無理をしない」を徹底する(これが一番大事)

子育て中は、頑張ろうにも身体がついてきません。
(もちろん、体力作りはしてますが、2人相手して1日遊んでたら普通に疲れて何もやる気起きませんw)

以前の僕は、

  • エンジニアはストイックであるべき
  • 毎日2時間は勉強しないとダメ、休日も勉強して自作アプリ作らないとダメ
  • 新しい技術もどんどんキャッチアップしないとダメ

こんな思考に囚われていました。

でも、それを全部捨てました。

眠たいときは寝る!休むときは休む!
怠惰を許す!!!

これ、めちゃくちゃ大事です。

他人と比べても意味がないし、 勉強できない日は「そういう日」と割り切る方が、長期的に続きます。

平日は子供の送り迎えだったり、休日は習い事やら公園での外遊びやらで疲れて寝落ちすることもあります。

でもいいんです。
ゼロより1。1を積み上げられたら十分。

image.png


最後に:子育てエンジニアへ

元々子どもが大好きで、自分の子どもと遊ぶ時間はかけがえのない時間です。
その時間は絶対に死守したいし、その方針は今後も変わりません。

一方で、エンジニアとしてもっと成長したい、仕事で成果を出したいという気持ちも強くあります。
育児と成長欲求、その両方が自分の中に共存している。
だからこそ、どうやって“続けるか”を本気で考えざるを得ませんでした。

両立をするために、自分の中で意識したのが、以下の5つです。

  • 他人と比べない
  • 小さくても積み重ねる
  • 隙間時間を大切にする
  • 無理をしない
  • 学びの基礎を固める

この5つを意識して、小さな積み重ねを続けていくことで、ようやく学習習慣が安定して回り始めました。

子育てしながら勉強するのは本当に大変です。
それでも、より成長するための学びを継続して、少しでも前へ進む!

自分も日々試行錯誤の毎日ですが、パパエンジニアとして両立できるよう日々前進します。

同じように 子育てと仕事に真正面から向き合い、日々戦っているエンジニアのみなさんへ。
心からのリスペクトを送ります。

今日もお疲れさまです。

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