🧭 ゼロ構築から既存運用へ。アーキテクチャを“読む”エンジニアになる

🌱 はじめに

会社で環境構築を進める中で、改めて「システムアーキテクチャ」と向き合う時間になった。
これまでは rails new や create のようにゼロから構築していたが、
既に稼働しているシステムを扱うという経験を通じて、まったく新しい視点が見えてきた。

今日はその中で感じたこと

「古典的、現代的アーキテクチャそれぞれの価値」
「そして、これから自分がどう向き合うか」

を整理しておく。

🧩 システムアーキテクチャとは？

アーキテクチャとは、システム全体の層構造と責務の分担を定義する設計思想のこと。

🎨 図解（レイヤー構造）

┌────────────────────────────┐
│ 🎨 Presentation Layer │ ← UI層（HTML, React, Templateなど）
└────────────────────────────┘
↓
┌────────────────────────────┐
│ ⚙️ Application Layer │ ← 業務ロジック層（Controller, Serviceなど）
└────────────────────────────┘
↓
┌────────────────────────────┐
│ 💾 Data Layer │ ← 永続化層（MySQL, PostgreSQLなど）
└────────────────────────────┘

つまり、アーキテクチャとは単なる構築手順ではなく、

💡 「なぜこの構造にしたのか」という思想そのもの。

🧱 LAMP構成という原点

古くから多くのWebシステムを支えてきたのが LAMP構成。

要素	役割
🐧 Linux	OS（サーバ基盤）
🔥 Apache	Webサーバ（HTTPリクエスト処理）
🐬 MySQL	データベース
🧩 PHP	アプリケーションロジック

この組み合わせは古典的でありながら、
今でも 多くのフレームワーク（Rails / Djangoなど）の思想的ルーツとなっている。
すなわち、安定したモノリシックアーキテクチャの代表例だ。

🏗 モノリシック vs マイクロサービス

🧍‍♂️ モノリシックアーキテクチャ

全ての機能を一体化したアプリケーションとして構築するスタイル。

┌─────────────────────────────┐
│ 🧩 Webアプリケーション（例：Rails / Django） │
│ ├── 🔐 認証 │
│ ├── 📦 商品管理 │
│ ├── 💰 決済処理 │
│ └── 🔔 通知 │
└─────────────────────────────┘
│
┌──────────┐
│ 💾 MySQL DB │
└──────────┘

✅ メリット: シンプル・理解しやすい・小中規模向き
⚠️ デメリット: 規模拡大で保守・拡張が難しくなる

🌐 マイクロサービスアーキテクチャ

各機能を独立したサービスとして分割し、API通信で連携する構成。

┌────────────┐ ┌────────────┐ ┌────────────┐
│ 🔐 Auth API │→│ 🛒 Order API │→│ 💰 Payment API│
└────────────┘ └────────────┘ └────────────┘
↓
┌───────────────┐
│ 💻 Frontend（React） │
└───────────────┘

✅ メリット: 各サービスを独立して開発・デプロイできる
⚠️ デメリット: 通信・監視・構成管理が複雑化

⚙️ モジュラーモノリスという中間解

モノリシックの単純さと、マイクロサービスの拡張性を両立するのが
モジュラーモノリス（Modular Monolith）。

┌────────────────────────────┐
│ 🧠 アプリケーション（単一デプロイ） │
│ ├── 🔐 Authモジュール │
│ ├── 📦 Orderモジュール │
│ ├── 💰 Paymentモジュール │
│ └── 🔔 Notificationモジュール │
└────────────────────────────┘

• 単一アプリでデプロイ可能
• 内部をモジュール単位で分離
• 将来的にマイクロサービス化が容易

🧩 Djangoのapp構造やRailsのEnginesもこの思想に近い。
現場では「拡張可能なモノリス」として人気が高い構成だ。

🧠 現場で感じた「違い」

今日、既存システムを触って特に感じたのは

ゼロ構築と既存運用では、求められるスキルがまったく異なる ということ。

• コマンド1つに設計者の意図が宿っている
• DBの中には運用の歴史が詰まっている
• 設定ファイルには暗黙のルールがある

つまり、「動かす」ではなく、

🔍 理解し、意図を読み解くことがエンジニアの本質

これは「コードを読む」を超えて、
アーキテクチャを読む力も必要だと感じた。

🐳 Docker × GitLab という現代的融合

🧱 古典（LAMP） × 🧩 現代（Docker / GitLab）
この融合が現場のリアルであり、進化の形だ。

🚀 じゃあ、どうするのか — 自分の立場として

マイクロサービスやクラウドネイティブの学習は当然重要。
しかし、アーキテクチャを実際に構築・運用する経験こそ、
理論を「実感」として理解する最短ルートだと確信した。

自分はこれからも——

• 🧱 古典的、現代的構成も実際に触る
• 🐳 Docker・CI/CDの現代技術も並行して磨く
• 💭 “古い or 新しい” ではなく、“なぜこの設計なのか”を問い続ける

⚙️ アーキテクチャは流行ではなく、思想の選択。

その思想を理解するためには、古典も現代も、どちらも自分の手で確かめたい。

🔮 まとめ

• システムアーキテクチャは「構築」より「構造理解」が本質
• モノリシックもマイクロサービス、それぞれの思想を持つ

💬 システムを動かすとは、構築することではなく、構造を理解し、意図を引き継ぐこと。

今日の環境構築は、その第一歩だった。

📚 参考リンク

• システムアーキテクチャについてはここで学びました（paiza）