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【SAM3入門+環境構築】Windowsで始めるSegment Anything Model 3:ハマりどころと回避策

Last updated at Posted at 2025-12-10

【SAM3入門+環境構築】Windowsで始めるSegment Anything Model 3:ハマりどころと回避策

Meta 社が2025/11/20にSegment Anything Model 3(SAM3)をリリースしました!

これまでの SAM も革命的でしたが、今回とうとう Anything (なんでも) をセグメントするだけじゃなく一定程度概念として理解している点が個人的に驚き興味を持ったので SAM3 を Windows 上で動かそうとしたところ、git clone するだけでは進めずいくつか戸惑う場面がありました。

特に大きかったのは以下の 2 点です:

  • triton が Windows では pip install できない
  • SAM3 のモデル重みダウンロードにはHuggingFace申請が必須

この記事では、
SAM3 の基本解説 → Windows 環境構築 → ハマりどころの回避策
という流れで、私が実際に SAM3 を実行できるようになるまでに乗り越えた内容をまとめます。

少しでも同じことで悩んでいる Windows ユーザの方や最新モデルを使ってみたい私と同じ初心者の方の助けになれば幸いです。


1. Segment Anything Model 3(SAM3)とは?

Segment Anything Model 3(SAM3)は、Meta が公開している最新(2025/12/11時点)の 高精度セグメンテーションモデル です。

従来の SAM1 / SAM2 からさらに進化し、
人物・動物・物体などの 複雑な境界でも自然で精度の高いマスク生成 が可能になりました。


SAM3の主な特徴

1. 高精度 & 高速化

SAM1/2 と比較して精度・速度ともに改善されています。
微細な領域や複雑な境界でも自然なマスク生成が可能。

2. 多様なプロンプトに対応

  • 点(click)
  • 矩形(bbox)
  • Scribble(なぞり)
  • テキストプロンプト(例:cat, child) (←個人的にはここが一番魅力を感じたので実装できるようにしたいと思いました)

3. 画像・動画の両対応

SAM2から継続して、画像のみならず動画の連続セグメンテーションにも対応。


SAM1 / SAM2 / SAM3 の違い(ざっくり)

モデル 特徴
SAM1 点・矩形プロンプト中心の最初のバージョン
SAM2 動画対応&精度向上
SAM3 高精度+テキストプロンプト対応+速度改善 の最新世代

2. 今回の環境

OS: Windows 11
Python: 3.11
GPU: RTX 3060Ti
CUDA: 13.0
PyTorch: 2.9.1+cu130

3. 【つまづき①】triton が Windows で pip install できない

■ 起きた現象

基本的には公式GitHubに丁寧に記載されている手順に従えばいいのですが、

いざ

import sam3

を実行すると

No module named 'triton'

という感じでtritonというライブラリないからインストールしてね、とのことで素直に従いますと・・・

pip install triton

ビルドエラーで失敗・・・

ERROR: Could not find a version that satisfies the requirement triton (from versions: none) ERROR: No matching distribution found for triton

■ 原因

  • triton のビルドシステムは Linux 専用
  • Windows 向けの wheel (.whl) が公式には存在しない


■ 解決策:Windows向け .whl を手動インストール

素晴らしいことに有志の方がこの状況を解決してくれるwheelファイルを作成してくださっています。

ここから自分の環境に適したファイルをダウンロードします。

今回私は triton-3.0.0-cp311-cp311-win_amd64.whl をダウンロードしました。

あとはファイルを保存しているパスにて

pip install triton-3.0.0-cp311-cp311-win_amd64.whl

を実行すれば無事tritonが使えるようになります!!

※WSL2であれば公式tritonをインストール可能という記事もあったので、WSL2でGPUセットアップできている方はそちらで簡単に利用できるかと思います。


4. 【つまづき②】SAM3 のモデル重みがダウンロードできない

■ 起きた現象

  • HTTPStatusError Traceback
    • GatedRepoError: 401 Client Error.

      ↓からの

    • GatedRepoError: 403 Client Error.

それぞれ初歩的ではあるのですが、順を追って説明します。


■ 原因

SAM3はモデルをHuggingFaceに公開されています。

401エラー : HuggingFaceにアクセスする設定ができていない

403エラー : HuggingFace上のSAM3のモデル(重み)を利用する許可がない

そうなんです。SAM3 の重みは HuggingFace で 利用申請が必要 なんです。

Metaはきちんと以下のように伝えてくれているので私が見落としていたのが悪いです。

⚠️ Before using SAM 3, please request access to the checkpoints on the SAM 3 Hugging Face repo. Once accepted, you need to be authenticated to download the checkpoints. You can do this by running the following steps (e.g. hf auth login after generating an access token.)


■ 解決手順

なのできちんと手順に沿って

HuggingFace アカウント作成

② 右上のアイコン → Settings → Access Token(Read権限)作成

SAM3 モデルページの「Request Access」から申請

④ 申請承認後(私は10分程度で承認されました) CLI でログイン

以上を抜かりなく。


6. さっそくお試し

examples の中の sam3_image_predictor_example.ipynb が一番わかりやすいと思いますので、一旦これを今回構築した環境で実行してみました。

■ 単語プロンプトには強い

  • プロンプト "child" でマスク作成
  • プロンプト "long pants" でマスク作成

Segment Anything でも表現足りなくなってきた気がしています。すごい。

■ センテンスになるとやや不安定?

  • プロンプト "child with long hair" でマスク作成
  • プロンプト “child with short hair” でマスク作成
  • プロンプト “child wearing blue” でマスク作成

詳細まで指定できるか、と言われるとさらなるアップデートが待たれるかもしれないと感じました。

(もしアドバイス等あればぜひコメントください!)


7. まとめ

  • SAM3 はこれまでの SAM 以上に可能性を感じるモデルだった
  • ただし(私のように) Windows ユーザや初めて利用する方がハマってしまいそうなポイントがあった

Windows での SAM3 利用はまだ情報が少ないため、この記事がどなたかの参考になれば幸いです!
次回はこのSAM3を組み込んだ something をご紹介できたらと思っています!

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